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0本塁打のスラッガー

2014年7月31日、ロッテの岡田幸文外野手はプロ初打席からの連続打席無本塁打記録を1771とし、
横沢七郎の持つプロ野球記録(1770打席)を更新しました。
この記事では岡田幸文と同じく「0本塁打」、ただし「シーズン」で本塁打を記録しなかった選手の打撃成績について調べました。

2リーグ分立前[1949年以前]については、本塁打を記録するのが非常に難しい時期を含んでいるためこの記事では除外しました。

初めに取り上げるのは0本塁打選手のシーズン打率記録になります。
本塁打が打てないのは、強い打球の数自体が少ないことを意味します。
つまり外野への飛球、内野を抜く強い打球の数も少なく、0本塁打のまま高打率を記録するのは非常に難しいと言えます。

□0本塁打選手シーズン打率記録[1950-2013]
*1位 .333 [131安打/393打数] 1987年 [二]正田耕三(広島) 首位打者
*2位 .317 [176安打/556打数] 2008年 [中]赤星憲広(阪神)
*3位 .315 [161安打/511打数] 1993年 [二]和田豊(阪神)
*4位 .310 [162安打/522打数] 2008年 [二]東出輝裕(広島)
*5位 .305 [159安打/522打数] 2011年 [二]本多雄一(ソフトバンク)
*6位 .302 [143安打/473打数] 1994年 [遊]川相昌弘(巨人)
*7位 .301 [121安打/400打数] 2003年 [遊]藤本敦士(阪神)
*8位 .300 [171安打/570打数] 2004年 [中]赤星憲広(阪神)
*8位 .300 [120安打/400打数] 2007年 [中]赤星憲広(阪神)
10位 .298 [147安打/494打数] 1991年 [二]和田豊(阪神)

0本塁打での打率3割台は、2リーグ分立後では9回しか記録されていません。
1位は、戦後唯一となる「本塁打0での首位打者」を達成した1987年の正田耕三になります。
赤星憲広は3割を3度記録。2リーグ分立後では3割を複数回記録したのは赤星のみです。

次は0本塁打選手のシーズン出塁率記録となります。
安打の大半が単打であることが多いため、投手は一般的に「意図的に外す配球」を避けます。
そのため本塁打の無い選手は、多くの四死球を記録することが難しく、高出塁率を記録することも難しくなります。

□0本塁打選手シーズン出塁率記録[1950-2013]
*1位 .398 [176安打73四球/646打席] 2008年 [中]赤星憲広(阪神)
*2位 .387 [131安打24四球/458打席] 1987年 [二]正田耕三(広島)
*3位 .379 [114安打54四球/453打席] 1955年 [左]日下隆(近鉄)
*4位 .376 [143安打54四球/567打席] 1994年 [遊]川相昌弘(巨人)
*5位 .374 [105安打46四球/439打席] 2003年 [三]大島公一(オリックス)
*6位 .373 [161安打47四球/579打席] 1993年 [二]和田豊(阪神)
*7位 .371 [147安打58四球/565打席] 1991年 [遊]和田豊(阪神)
*8位 .370 [119安打45四球/473打席] 1996年 [左]村松有人(ダイエー)
*9位 .369 [109安打49四球/445打席] 1951年 [二]国枝利通(名古屋)
10位 .368 [120安打39四球/475打席] 2007年 [中]赤星憲広(阪神)

2008年の赤星憲広は、0本塁打ながら出塁率4割にあと一歩まで迫りました。
176安打,73四球,646打席は全て「0本塁打選手のシーズン最多記録」となります。

次は0本塁打選手のシーズンOPS記録となります。
当然のことながら、0本塁打のまま長打率を伸ばすのは難しいため、出塁率と長打率の足し算であるOPSを伸ばすのは困難になります。

□0本塁打選手シーズンOPS記録[1950-2013]
*1位 .792 [出塁率.387/長打率.405] 1987年 [二]正田耕三(広島) 首位打者
*2位 .745 [出塁率.398/長打率.347] 2008年 [中]赤星憲広(阪神)
*3位 .742 [出塁率.370/長打率.372] 1996年 [左]村松有人(ダイエー)
*4位 .738 [出塁率.373/長打率.366] 1993年 [二]和田豊(阪神)
*5位 .735 [出塁率.367/長打率.368] 2011年 [二]本多雄一(ソフトバンク)
*6位 .733 [出塁率.376/長打率.357] 1994年 [遊]川相昌弘(巨人)
*7位 .729 [出塁率.379/長打率.350] 1955年 [左]日下隆(近鉄)
*8位 .728 [出塁率.369/長打率.360] 1951年 [二]国枝利通(名古屋)
*9位 .719 [出塁率.343/長打率.376] 2003年 [遊]藤本敦士(阪神)
10位 .718 [出塁率.374/長打率.344] 2003年 [三]大島公一(オリックス)

首位打者を獲得した1987年の正田耕三が1位となります。
2リーグ分立後唯一の長打率4割台を記録しているのが効いています。
この年の正田は、458打席で20二塁打4三塁打と本塁打以外の長打は決して少なくありませんでした。


最後に、0本塁打選手のシーズンRCWIN記録を取り上げます。
打撃と盗塁でチームの勝利に最も貢献した0本塁打選手は誰でしょうか。

□0本塁打選手シーズンRCWIN記録[1950-2013]
12.30 2011年 [二]本多雄一(ソフトバンク)
図1

意外な結果ですが、歴代1位は2011年の本多雄一となります。
この年の本多はリーグトップの7三塁打を記録、0本塁打ながら長打率がリーグ野手平均を上回る驚異的な活躍でした。
0本塁打選手の記録としては、84得点,43打点は共に歴代3位となります。
この年は違反球が使用されていることを考えると、総合1位というのも納得かもしれませんね。


21.37 2008年 [中]赤星憲広(阪神)
図2

「0本塁打のスラッガー」と言えば真っ先にこの人の名前が挙がるところでしょう。
2011年に本多雄一に更新されるまではこの年の赤星の成績が最高記録でした。
前述の通り、176安打,73四球,646打席は0本塁打選手として歴代1位の記録。
94得点は歴代2位の記録になります。(歴代1位は2004年赤星憲広の96得点)


31.36 1955年 [左]日下隆(近鉄)
図3a

歴代3位は近鉄バファローズの2代目正左翼手、日下隆となります。
通算本塁打はわずか1本のみ。赤星憲広に塗り替えられるまでは連続打席無本塁打の記録を持っていた選手です。
この年は打低環境下で出塁率.379を達成。傑出度による評価では、現代における出塁率4割とほぼ同じ価値です。
この時期の近鉄は弱かったものの、小玉明利,関根潤三,武智修,そして日下とアベレージヒッターは粒揃いだったように感じますね。


41.20 1977年 [遊]飯塚佳寛(ロッテ)
図3

歴代4位は1970年代中盤のロッテ正遊撃手、飯塚佳寛となります。
規定打席未到達ながら、打低環境下で打率.306,出塁率.376を記録。
日下と同じく、傑出度による評価ではこの出塁率は現代における4割とほぼ同じ価値です。
この年のロッテはレロン・リー,有藤道世と強打者の揃う中、飯塚は主に9番を打ちました。


51.10 1954年 [左]日下隆(近鉄)
日下隆

歴代5位は1954年の日下隆となります。日下は歴代5傑に唯一複数回顔を出しています。
この年は6三塁打が光り、0本塁打ながらリーグ野手平均を上回る長打率を記録。
0本塁打選手としては、53打点は歴代2位になります。リーグトップとなる9犠飛も記録しています。
守備面でもこの年は外野手として史上最多の23補殺を叩き出しました。この記録は未だに破られていません。


□0本塁打選手のシーズン野手記録[1950-2013]
[試合] 144試合  2008年[中]赤星憲広(阪神) 2011年[二]本多雄一(ソフトバンク) 2011年[中]岡田幸文(ロッテ)
[打席] 646打席  2008年[中]赤星憲広(阪神)
[打数] 577打数  2011年[中]岡田幸文(ロッテ)
[得点] *96得点  2004年[中]赤星憲広(阪神)
[安打] 176安打  2008年[中]赤星憲広(阪神)
[二塁] *24二塁打 1955年[三]西江一郎(東映) 2003年[二]奈良原浩(日本ハム)
[三塁] **9三塁打 1996年[左]村松有人(ダイエー)
[塁打] 203塁打  2004年[中]赤星憲広(阪神)
[打点] *56打点  1956年[一]武智修(近鉄)
[盗塁] *64盗塁  2004年[中]赤星憲広(阪神)
[盗刺] *26盗塁刺 1996年[左]村松有人(ダイエー)
[犠打] *53犠打  2011年[二]本多雄一(ソフトバンク)
[犠飛] **9犠飛  1954年[左]日下隆(近鉄)
[四球] *73四球  2008年[中]赤星憲広(阪神)
[死球] *22死球  2008年[遊]渡辺直人(楽天)
[三振] *95三振  2011年[遊]石川雄洋(横浜)
[併殺] *16併殺打 1953年[遊]引地信之(洋松)
[敬遠] **8敬遠  1970年[捕]森昌彦(巨人) 1992年[捕]達川光男(広島)
[打率]  .333 1987年[二]正田耕三(広島)
[出塁率] .398 2008年[中]赤星憲広(阪神)
[長打率] .405 1987年[二]正田耕三(広島)
[OPS] .792 1987年[二]正田耕三(広島)

違反球のお陰か、2011年は新しい記録が5つも生まれました。
赤星憲広は記録を8つ(試合,打席,得点,安打,塁打,盗塁,四球,出塁率)保持しています。

本来なら複数本の本塁打を記録できる選手がたまたま0本塁打に終わり、
その成績が本塁打を記録できなかった選手の中で優秀であった、ということはしばしば起こり得るようです。
その中で通算本塁打3本ながら優秀な打撃成績を残している赤星憲広
同じく通算本塁打1本ながら優秀な打撃成績を残している日下隆の二人の存在は際立って見えます。
この二人こそ「0本塁打のスラッガー」の称号に最もふさわしいと言えそうです。

コメント

本塁打率と長打率がisodにどの程度の影響を与えるか、具体的な数値が分かったら面白そうですね

Re: タイトルなし


コメントありがとうございます!

確かに面白そうなテーマですね。
余裕ができたら調べてみます。

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