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二塁手史上最高の打撃?快進撃を続ける山田哲人

現在のセリーグ打撃事情

□セリーグRCWin10傑(2015年7月6日時点)
選手名 球団 打席 打率 HR 打点 盗塁 RCW wOBA 球場補正 wRAA wRC+ BABIP+ 三振率- 奪四死+ 長打力+
山田哲人 ヤクルト 352 0.308 18 43 12 3.25 0.413 -2 28 185 112 102 153 215
筒香嘉智 DeNA 297 0.328 12 51 0 2.50 0.401 -2 20 173 121 93 119 176
畠山和洋 ヤクルト 324 0.280 19 57 0 2.07 0.387 -2 19 163 95 100 141 220
ルナ 中日 295 0.333 5 37 7 1.83 0.376 2 18 165 132 105 151 96
ロペス DeNA 311 0.294 13 36 1 1.63 0.368 -2 13 145 101 75 99 180
福留孝介 阪神 300 0.273 14 42 1 1.36 0.369 1 16 158 93 87 126 203
平田良介 中日 284 0.287 6 24 8 1.32 0.359 2 13 150 112 99 145 129
梶谷隆幸 DeNA 295 0.300 4 32 14 1.26 0.350 -2 8 129 131 135 101 120
ゴメス 阪神 317 0.277 11 44 0 1.23 0.362 2 15 152 111 128 141 161
田中広輔 広島 314 0.292 5 28 5 1.22 0.347 0 10 134 115 97 69 148

上表は2015年7月6日時点のセリーグRCWin10傑です。
各球団のスカウトが優秀なのか、近年では外国人選手にランキング上位を占拠される事態が常態化していましたが、
昨年から今年にかけて若手日本人野手の目覚ましい台頭があり、一挙に顔ぶれが変わりました。

そんな若手の中の真打とも言える、二塁手の山田哲人がリーグ1位をひた走っています。
三振率はリーグ平均を下回りますが、リーグ平均の1.5倍もの四死球を選ぶ選球眼に加え、
本塁打以外の長打も量産できるため、現在本塁打王の畠山和洋を上回るIsoP(長打率-打率で表される純粋な長打力)も記録。
高い打率に加えてこうした武器も持っており、今後も安定して高い打席成績が期待できるセ最高打者の一人だと考えられます。

ところでこの状況、日本プロ野球の過去の歴史を見てもかなり珍しい事態でもあります。

二塁手は打撃を求められない

一般的に、二塁手は捕手、遊撃手に次いで守備的な負担の高いポジションとされています。
打撃に難があっても守備力を買われて起用される、または打撃が良くても守備力を理由に起用されない状況はしばしば見られます。
21世紀のNPBではこの傾向はより顕著に現れており、二塁手は捕手に次いで平均打力の2番目に低いポジションとなっています。

□21世紀のポジション別RCWin(500打席あたり/先発守備位置により判定)
年度 捕手 一塁 二塁 三塁 遊撃 左翼 中堅 右翼 DH
2014 -2.65 0.83 -0.34 0.16 -0.95 1.09 0.33 0.50 1.70
2013 -1.53 1.24 -1.17 0.60 -0.62 0.94 0.17 0.36 0.18
2012 -1.85 0.30 -0.81 0.12 0.21 0.93 0.29 0.28 0.84
2011 -2.10 0.62 -0.27 0.58 -0.07 0.36 0.99 -0.04 -0.28
2010 -1.52 0.86 0.10 0.47 0.07 0.18 0.11 -0.09 0.06
2009 -2.00 0.48 -1.05 0.45 0.25 0.72 0.40 0.43 0.78
2008 -1.83 1.30 -0.57 0.32 -0.82 0.93 -0.12 0.20 1.39
2007 -1.34 0.30 -1.32 0.39 -0.16 0.47 -0.03 0.85 1.78
2006 -1.79 1.93 -1.23 0.25 -0.30 0.47 -0.06 0.22 1.11
2005 -1.87 0.75 -0.95 1.01 -0.80 0.60 0.05 0.59 1.16
2004 -0.77 1.41 -0.42 -0.01 -1.04 0.66 0.13 0.03 0.41
2003 -1.11 0.90 -0.69 0.15 -0.94 1.40 0.04 0.21 0.35
2002 -1.62 2.11 -1.15 0.84 -0.99 0.64 0.14 -0.13 0.72
2001 -1.97 1.98 -0.96 0.84 -1.50 0.68 0.04 0.32 1.31

こうした状況の中で、二塁手でありながら各種の指標でリーグ1位の数値を記録する山田は、異質の存在と呼べるかもしれません。

□RCWinリーグ1位を記録した二塁手[-2014]
年度 選手名 球団 試合 打席 打率 本塁 打点 盗塁 RCW
1982 落合博満 ロッテ 128 552 0.325 32 99 8 5.21 二塁手唯一の三冠王
2004 G.ラロッカ 広島 122 513 0.328 40 101 11 4.21 二塁手歴代最多のシーズン40HR
2014 山田哲人 ヤクルト 143 685 0.324 29 89 15 4.51 二塁手歴代最多タイのシーズン193安打

RCによる評価でリーグ全選手中1位の打撃貢献を記録した二塁手は、過去3人しか存在しません。
2014年に大活躍を見せた山田哲人は既にその中の一人として名を連ねていますが、
今季もこのまま1位を維持した場合、史上初の「リーグNo.1の打撃成績を2年連続で残した二塁手」ということになりそうです。

歴代名二塁手と比較した山田哲人

最後に歴代名二塁手のキャリアハイRCWinを見ていきましょう。(二塁手RCWINも参照)

□歴代二塁手RCWinキャリアハイ20傑
年度 選手名 球団 試合 打席 打率 本塁 打点 盗塁 RCW
1965 D.スペンサー 阪急 123 485 0.311 38 77 1 5.97 三冠王野村を上回るOPSを記録
1999 R.ローズ 横浜 134 597 0.369 37 153 3 5.57 歴代2位のシーズン153打点
1982 落合博満 ロッテ 128 552 0.325 32 99 8 5.21 二塁手唯一の三冠王
2003 井口資仁 ダイエー 135 617 0.340 27 109 42 4.59
2014 山田哲人 ヤクルト 143 685 0.324 29 89 15 4.51 二塁手歴代最多タイのシーズン193安打
1962 J.ブルーム 近鉄 112 446 0.374 12 74 6 4.35 二塁手歴代最高の打率.374
2004 G.ラロッカ 広島 122 513 0.328 40 101 11 4.21 二塁手歴代最多のシーズン40HR
1985 岡田彰布 阪神 127 532 0.342 35 101 7 4.06 二塁手初のシーズン100打点
1995 小久保裕紀 ダイエー 130 538 0.286 28 76 14 3.62 二塁手2人目の本塁打王
1953 岡本伊三美 南海 116 501 0.318 19 77 30 3.40
1973 J.シピン 大洋 123 521 0.295 33 75 4 3.38
1978 B.マルカーノ 阪急 126 517 0.322 27 94 9 3.37
1965 高木守道 中日 132 538 0.302 11 48 44 2.93
1958 井上登 中日 126 532 0.280 18 54 26 2.91
1940 千葉茂 巨人 90 394 0.281 3 38 16 2.86
1983 真弓明信 阪神 112 493 0.353 23 77 13 2.83
1988 T.バナザード 南海 111 491 0.315 20 60 6 2.71
2010 田中賢介 日本ハム 143 662 0.335 5 54 34 2.53 二塁手歴代最多タイのシーズン193安打
1991 高木豊 大洋 131 588 0.333 4 62 24 2.49
1972 基満男 西鉄 128 538 0.301 20 43 25 2.46

昨季の山田哲人の打撃は二塁手史上5位の好成績でした。
上記の通り、今季の山田はシーズン半ばにして既にRCWin3.25を記録していますが、
シーズン単位でこれを上回った二塁手は、山田自身も含めて12人しか存在しない好記録です。
山田の所属するヤクルトは現時点で77試合を消化していることを考えると、
チームの143試合終了時点で山田のRCWinは歴代1位の6.04まで伸びる計算となりますが、
どこまで好調を維持できるか、注意深く見守っていきたいと思います。

おまけ

□歴代二塁手wRC+シーズン記録[-2014](※シーズン300打席以上/1958年以前は球場補正なし)
年度 選手名 球団 年数 試合 打席 打率 本塁 打点 盗塁 wRC+
1965 D.スペンサー 阪急 36 2 123 485 0.311 38 77 1 226
1962 J.ブルーム 近鉄 32 3 112 446 0.374 12 74 6 195
1982 落合博満 ロッテ 29 4 128 552 0.325 32 99 8 186
2015 山田哲人 ヤクルト 23 4 352 352 0.308 18 43 12 185 ※2015年7月6日時点
1940 千葉茂 巨人 21 3 90 394 0.281 3 38 16 185 ※球場補正なし
1981 落合博満 ロッテ 28 3 127 502 0.326 33 90 6 181
1999 R.ローズ 横浜 32 7 134 597 0.369 37 153 3 179
2004 G.ラロッカ 広島 32 1 122 513 0.328 40 101 11 176
1995 小久保裕紀 ダイエー 24 2 130 538 0.286 28 76 14 175
1964 D.スペンサー 阪急 35 1 146 605 0.282 36 94 4 172
1973 J.シピン 大洋 27 2 123 521 0.295 33 75 4 171

球場補正を入れたwOBA評価でも、現時点で三冠王時の落合に匹敵する数値を叩き出しています。

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