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球団史上最高の4人を選ぶ 北海道日本ハムファイターズ編

はじめに

ヤクルトと同様のアプローチで、NPBで「フランチャイズ・フォー」と同様の企画が実施された場合、
RCAAまとめblogとしてはどういった選手に投票するか、データを基に独断と偏見を交えて考えてみました。
今回は第8弾として、「北海道日本ハムファイターズ」の歴代選手TOP4を選出します。

おおまかな選出の方針

・「同ポジションの平均的な控え選手に対し、どの程度利得を作れたか」(=WAR)を基軸に評価。
・基本的には通算成績の優劣で決定。長くチームに貢献した選手を優先する。
・通算成績がほとんど横並びの場合、全盛期の優劣で決定。
・「球団史上」なので、MLB期間の成績については一切考慮しない。

以上を踏まえて、RCAAまとめblogが選出した「北海道日本ハムファイターズ史上最高の4人」は以下のようになりました。

北海道日本ハムファイターズ史上最高の4人

□張本勲[左翼手/17年/1959-1975]
harimotoFC4.png
※守備位置補正は守備位置補正RCWINの方法で算出しました。「守RCAA」は球場補正を含めた守備位置補正RCWINです。


ご存知NPB歴代最多安打打者。通算2435安打は球団史上歴代1位。
同ポジションの平均的な選手(左翼手)に対して+679点の打撃利得を稼ぎました。

近年では打率や安打数ばかりがクローズアップされる傾向にありますが、本塁打も量産できる小笠原道大のような打者でした。
実働期間が野村克也と被ってしまったため本塁打王と打点王はキャリアを通じて取れず仕舞いでしたが、
本塁打2位は3回(1962年,1963年,1966年)、打点2位は5回(1961年,1962年,1963年,1965年,1966年)も記録しています。

張本の打撃を語る上で欠かせないのは、当時東映が本拠地としていた後楽園球場のパークファクターです。
東映が本拠地を移した1962年から野村克也兼任監督が大阪球場に低反発球を導入したと見られる1971年頃まで、
後楽園球場は得点とHRが共に出にくい、パリーグ最大のピッチャーズパークだった時代が長く続きました。
張本が東映の選手でなければ、恐らく野村はこれほどまでにHR王と打点王を独占できなかったのではないでしょうか。

酷評されている守備に関しては、キャリアの中盤までは標準的な左翼守備能力を持っていたようです。
その後は1970年頃から悪化し始め、1975年にはパリーグに新設されたDHに収まりましたが翌年には巨人へ移籍。
1976年、丸々1年のブランクを経て左翼守備に入りました。ここから先、どうなったかは一般に知られている通りです。

□毒島章一[右翼手/18年/1954-1971]
BusujimaFC4.png
※守備位置補正は守備位置補正RCWINの方法で算出しました。「守RCAA」は球場補正を含めた守備位置補正RCWINです。


エクスパンション期から東映時代末期まで活躍した「ミスターフライヤーズ」。通算1977安打は球団史上歴代3位。
同ポジションの平均的な選手(右翼手・中堅手)に対して+155点の打撃利得を稼ぎました。

最多三塁打を4回記録するなど三塁打が非常に多く、一時期は通算三塁打記録も保持していました。(1985年に福本豊に更新される)
三塁打に加えて四球も多く選ぶほか、金本知憲が更新する前に連続打席無併殺打記録を保持していた選手でもあり、
古典的な打率三部門のみの評価では最も過小評価されるタイプの打者と言えそうです。
通算1977安打は、2000安打未満では飯田徳治の1978安打に次ぐ安打数ですが、34歳の若さで引退しています。

俊足を生かした右翼守備も優秀で、全盛期には中堅手を上回る刺殺数を複数回記録しています。
通算1977安打は、2012年に稲葉篤紀に更新されるまで長らく右翼手通算最多安打記録でした。
キャリアを通じて積み上げた攻守合わせた貢献は大きく、NPB史上最高の右翼手の有力候補の一人。

□高橋直樹[投手/13年/1968-1980]
NtakahashiFC4.png

東映時代末期から大沢監督時代まで活躍。通算138勝は球団史上歴代2位。
サイドに近いアンダースローで白星を積み上げ、平均的な投手に対して+129点の投球利得を稼ぎました。
主砲の大杉勝男と張本勲を欠いた日本ハムは、長く得点力の低迷に苦しむことになります。
この期間にエースを務めたのが高橋で、野手のサポートが得られず優秀な防御率を残しながら通算では負け越しています。

投手としての持ち味は制球力で、与四球を平均的な投手と比べて半分程度の53%しか出していません。
一般的に制球力を武器とする投手は奪三振率が低い特徴がありますが、高橋も多分に漏れず奪三振率は平均を下回っています。
こうした後ろに依存するピッチングスタイルは、当時の守備の悪い日本ハム野手陣とは相性が悪かったかもしれませんね。
制球力に後押しされてFIPによる投球評価はとても高く、FIPベースRSWINはNPB歴代20傑に入っています。

1980年には木田勇が伝説的な快投を見せた影響もあり、同年オフに江夏とのトレードで広島へ移籍しています。

□米川泰夫[投手/10年/1949-1958]
米川FC4

球団の黎明期にエースとして活躍。通算131勝は球団史上歴代3位。
平均的な投手に対して+143点の投球利得を積み上げました。

全盛期には圧倒的な稼働量と奪三振率を誇り、1950年と1953年には最多奪三振を記録しています。
最多投球回も3度記録していますが、最多与四球は一度も記録していないところが米川の真骨頂で、
高い奪三振率と低い与四球率を両立するピッチングは極めて現代的と言えます。FIP傑出度は2000投球回以上で歴代8位。

1959年には西鉄に移籍していますが、入れ違いになる形で後に大打者となる張本勲が入団しています。
通算は131勝137敗で6つの負け越し。高橋直樹と同じく時代の巡り会わせが悪かったのかもしれません。

次点

□小笠原道大[一塁手・三塁手/10年/1997-2006]
北海道移転前後に主軸を打った「北のサムライ」。通算239HRは球団史上歴代4位。
同ポジションの平均的な選手(一塁手・三塁手)に対して+236点の打撃利得を稼ぎました。これは張本に次ぐ記録です。
1999年に「バントをしない2番打者」としてデビューを果たし、翌2000年には2番打者ながらリーグ最高のRCWin4.38を記録。
フルスイングを信条とする選手らしく、高いBABIP(傑出度110%)と高いIsoP(傑出度161%)を記録していますが、
イメージに反して三振率はリーグ平均を下回っており、スイングスピードとコンタクト率を両立した大打者と言えます。
守備に関しては三塁では標準程度ながら、一塁ではややマイナスとなっています。これは本人の適性の問題かもしれません。

□金子誠[二塁手・遊撃手/21年/1994-2014]
「指名守備」発言でおなじみ、史上最強の9番打者。通算1627安打は球団史上歴代4位。
同ポジションの平均的な選手(二塁手→遊撃手)に対して-108点の打撃利得を稼ぎました。
その守備で捌いた二遊間のゴロアウト(補殺)数は通算で5903個(二塁2446個/遊撃3457個)に登り、
1961年以前の守備データは手に入っていませんが、おそらく高木守道・吉田義男を上回る歴代最高値だと推察されます。
前述の数値が示す通り、二遊間を守る選手であることを考慮しても打撃面が物足りないのは紛れもない事実ですが、
金子の内野守備により日本ハムが得た恩恵は計り知れません。NPB史上最高の守備職人の一人と言えるでしょう。

□土橋正幸[投手/13年/1955-1967]
1962年の球団初優勝時には主軸投手として活躍した、球団史上唯一の30勝投手。
通算162勝は球団史上歴代最多。平均的な投手に対して+65点の投球利得を稼ぎました。
制球力に優れ、通算与四球率1.21は通算2000投球回以上の投手では歴代1位の記録となっています。
「土橋は甘くてもストライクを投げ込むことを意識していた」という稲尾の証言から、
与四球率向上のために被BABIPを犠牲にしていた可能性が窺えます。FIPと防御率の大きな乖離も同じ傾向を示唆しています。
実働の多くを張本勲・毒島章一・西園寺昭夫らリーグを代表する野手が打線に多く揃っていた時代に過ごしていることから、
FC4に選出した高橋直樹・米川泰夫と比べると野手のサポートが強く、それが勝ち星の差に結び付いているようですね。

□ダルビッシュ有[投手/7年/2005-2011]
現代野球では極めて困難とも言える、5年連続防御率1点台を達成した大投手。
平均的な投手に対して+211点の投球利得を稼ぎました。これは球団史上最高値となっています。
一見すると、ダルビッシュの成績は2007年のブレイク以降、横ばいで推移しているように見えますが、
バックの守備力(DER)の低下とダルビッシュ自身の投球力(FIP)の向上が綺麗に重なった結果、このような推移となったようです。
特に記録的な奪三振率と与四球率を両立した2011年のFIPベース補正RSWINは5.48まで伸び、
直近半世紀のNPBにおいてこれを上回る成績を残したのは、1968年江夏豊(6.00)、1990年野茂英雄(5.61)の二人だけです。

□北海道日本ハムファイターズ簡易oWAR10傑+金子誠[-2014]
順位 選手名 守備 実働期間 年数 試合 打席 打率 HR 打点 盗塁 RCW 球場補正 POS補正 守RCW oWAR
1位 張本勲 左翼 1959-1975 17年 2136 8799 0.322 414 1341 304 79.69 3.94 -9.77 73.86 103.2
2位 毒島章一 右翼 1954-1971 18年 2056 7945 0.277 122 688 191 21.31 2.52 -6.47 17.36 43.8
3位 小笠原道大 一塁 1997-2006 10年 1157 4813 0.320 239 730 55 32.33 -1.91 -6.92 23.50 39.5
4位 田中幸雄 遊撃 1986-2007 22年 2238 8465 0.262 287 1026 40 2.52 -0.35 5.97 8.13 36.3
5位 大杉勝男 一塁 1965-1974 10年 1208 4698 0.281 287 819 28 22.59 2.73 -8.35 16.98 32.6
6位 大下弘 左翼 1946-1951 6年 679 2844 0.311 130 446 104 23.22 0.00 -3.03 20.18 29.7
7位 稲葉篤紀 右翼 2005-2014 10年 1190 4618 0.288 139 613 28 15.57 0.68 -5.02 11.23 26.6
8位 西園寺昭夫 三塁 1957-1966 10年 1172 4551 0.253 106 396 147 10.71 1.53 -1.18 11.06 26.2
9位 田中賢介 二塁 2000-2012 13年 1079 4278 0.286 39 325 161 5.79 0.42 4.49 10.70 25.0
10位 片岡篤史 三塁 1992-2001 10年 1193 5038 0.277 136 595 32 12.03 -1.00 -5.04 5.99 22.8
24位 金子誠 遊撃 1994-2014 21年 1996 7149 0.256 84 620 113 -16.70 -0.91 6.78 -10.83 13.0
※守備位置補正は守備位置補正RCWINの方法で算出しました。「守RCAA」は球場補正を含めた守備位置補正RCWINです。代替補正は600打席で2勝としました。

□北海道日本ハムファイターズ簡易投手WAR10傑[-2014]
順位 選手名 実働期間 年数 試合 先発 投球回 防御率 FIP 勝利 敗戦 RSW 球場補正 守備補正 補RSW WAR
1位 高橋直樹 1968-1980 13年 398 331 2413    3.24 3.06 138 139 11.91 -0.42 1.88 13.37 45.5
2位 米川泰夫 1949-1958 10年 375 238 2210 2/3 2.74 2.47 131 137 9.44 0.00 5.74 15.17 44.6
3位 土橋正幸 1955-1967 13年 455 268 2518 1/3 2.66 2.53 162 135 13.20 -2.52 -3.50 7.18 40.8
4位 ダルビッシュ有 2005-2011 7年 167 164 1268 1/3 1.99 2.56 93 38 27.26 -0.82 -4.23 22.21 39.1
5位 白木義一郎 1946-1951 6年 233 194 1704    2.77 2.74 97 96 10.22 0.00 5.79 16.01 38.7
6位 西崎幸広 1987-1997 11年 263 249 1872 2/3 3.24 3.62 117 97 16.79 -1.70 -2.98 12.12 37.1
7位 柴田保光 1984-1994 11年 250 187 1381 2/3 3.33 3.42 76 87 14.31 -1.46 -2.76 10.09 28.5
8位 金田留広 1969-1973 5年 251 130 1232    3.19 3.04 84 71 7.42 -2.86 2.08 6.64 23.1
9位 尾崎行雄 1962-1973 12年 364 163 1548 2/3 2.70 2.85 107 83 9.10 -4.36 -2.47 2.27 22.9
10位 武田勝 2006-2014 9年 234 177 1205 1/3 2.93 3.54 79 59 11.35 -0.90 -3.68 6.77 22.8
※代替補正は控え投手勝率を.380と仮定して算出しました。

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 現役20代選手の通算安打(2018年版)

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 現役20代選手の通算安打(2017年版)
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 2017年各種パークファクター
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 2000本安打の展望
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 坂本勇人、7年連続二桁本塁打
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 2015年はどのくらい打低だったのか?
 2015年各種パークファクター

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 平成の大投手 三浦大輔
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 稲葉篤紀、現役引退表明
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