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2015年の二軍を俯瞰する 千葉ロッテマリーンズ編

千葉ロッテマリーンズ一軍の弱みは? 

2015年は73勝69敗1分で勝率.514を記録し、2年ぶりのAクラスに滑り込みました。詳しくは2015年戦力分析とドラフトを参照。

投手は守護神西野勇士とセットアッパー大谷智久の勝利の方程式が上手く機能したことに加えて、
先発からリリーフに回った藤岡貴裕も成績を改善させ、救援陣はソフトバンクに次いで層の厚い陣容となった一方、
先発陣は強力な二枚看板を抱えながらもシーズンを通して駒不足に悩まされ、裏ローテーションの負債が大きくなっています。

野手はwRAAによるポジション別の打撃得点と、DELTA社のUZRによるポジション別の守備得点を見ると、
守備面で強みとなっているポジションはなく、捕手、一塁手、二塁手、三塁手、中堅手の計5ポジションで攻撃力が不足しています。
三塁手は韓国球界で48HRを放ったナバーロの獲得が濃厚となっており、残る4ポジションに選手を送り出せるかが課題となります。

千葉ロッテマリーンズ二軍投手を俯瞰する

paf2015m2.png 
※失点率ベース投球得点はDERに基づいて守備補正をかけたものを使用しました。
※FIPベース投球得点は失点率スケールに変換したものを使用しました。


チーム防御率3.54、チームFIP3.63はイースタンリーグ平均(3.61)にかなり近い値となっています。
投球回上位20人の中では25歳以下は4人だけにとどまり、若手投手に上手く出場機会を当てられていません。

千葉ロッテマリーンズ二軍野手を俯瞰する

paf2015m1.png
※リーグ全体平均に対する各ポジションの平均打力は、1996年-2015年における一軍ポジション別wOBAを元に算出しました。

チーム504得点はイースタンリーグNo.1の数値。ファーム全体で見てもソフトバンクに次ぐ陣容だと考えられます。
ベテラン選手の出場は少ないものの、若手ではない選手を多く抱えているのが特徴です。

選手輩出を狙いたいポジションの状況

先発投手は9月には一軍ローテーションに定着する活躍を見せたチェン・グァンユウを輩出できたほか、
高い制球力で優秀な投球内容を見せた20歳の二木康太など、ポテンシャルの高いプロスペクトは存在するものの、
戦力化できていない非若手の多さゆえに若手育成に滞りが見られ、一軍の先発不足を直ちに解消できる編成にはなっていません。

捕手は23歳の江村直也が打率.320を記録し、イースタンリーグの捕手では唯一となる打率3割台を残しました。
高打率の裏にはBABIPの助けがあったことは否めませんが、今季は三振減・四球増・長打増と内容の向上も顕著です。
レギュラー候補の田村龍弘吉田裕太は打撃面がやや物足りないため、一軍の正捕手争いに打撃で風穴を開けたいところです。

一塁手はイースタンリーグ屈指の強打者である29歳の青松慶侑と26歳の井上晴哉が控えています。
今季の一軍はベテラン日本人が交代で先発起用される状況で、彼らを起用するには絶好の機会だったように感じますが、
青松は20打席、井上は12打席と一軍で与えられた打席は僅かで、チームの運用面に問題があるようにも見えました。

二塁手は一軍レギュラーのクルーズの退団が確定し、後任はルーキーの中村奨吾が最有力候補となりそうです。
二軍では高濱卓也細谷圭が優秀な打撃成績を残していますが、年齢を考えると守備面に不安があるかもしれません。

中堅手は24歳の加藤翔平、27歳の伊志嶺翔大、30歳の荻野貴司と待機戦力の調整で出場機会が占められる形となりました。
いずれの選手も二軍レベルでは優秀な成績を残しており、やるべきことはあまり残されていないように感じます。
UZRベースでは守備力にやや陰りが見られる岡田幸文の代わりに、来季は彼らの中堅手起用を増やしてもよいかもしれませんね。

期待の若手は二木康太(投)、加藤翔平(外)、井上晴哉(一)

先発の項で前述した二木康太は高卒2年目の20歳。来季中の先発ローテーション定着が期待される選手です。
高い制球力が持ち味で規定到達投手の中では与四球率が最も低く、二軍平均に対し60%ほどしか四球を与えていません。
今季は二軍での実績を評価されて10月に一軍初登板を果たし、ロングリリーフで5回1失点と好投を見せました。

加藤翔平は大卒3年目の24歳。今季はイースタンリーグの最多安打タイトルを獲得する活躍を見せました。
二軍ではコンタクト力と長打力を高いレベルで両立する打者であり、3年連続で高い打撃貢献を記録したものの、
一軍では四球/三振比が大幅に悪化するのが課題で、レギュラー定着に向けてはこの部分の改善が必須となりそうです。

井上晴哉は社卒2年目の26歳。昨季は球団史上2人目の「開幕新人四番打者」として鳴らしました。
二軍レベルでは規格外の奪四球力と長打力を持ち、同僚の青松慶侑と並ぶイースタンリーグ最強打者の一人です。
できれば正一塁手が不在の間に一軍経験を積ませたいところですが、来季の起用法はどうなるでしょうか。

今後、選手の補充が必要なポジション

投手は若手に出場機会をほとんど与えられておらず、チームの将来を考えると危機的な状況と言えるかもしれません。
今オフは30歳前後の投手が多く戦力外となり、ドラフトでは投手6人を指名するなど大規模な整理が行われましたが、
投手陣の年齢層を考えると、近い内にもう一度大ナタを振るう必要が出てくるかもしれません。

野手は育成サイクルで言えば収穫期に当たり、そろそろ次世代の種を撒き始めなければならない時期ですが、
待機戦力と並行して20歳以下の若手である香月一也脇本直人肘井竜蔵を多く起用するなど、首脳陣に抜け目は無いようです。
彼らの起用で三塁手と外野手は世代交代が進みつつあるため、次は中堅化の進む二遊間に手を付けるべきでしょう。
ドラフトでは平沢大河の獲得に成功していますが、将来を見据えてもう少し若手の頭数を確保したいところです。

2015年ロッテ打線二軍  
※「○○+」はBABIP、三振/打席(K%)、四球/打席(BB%)の傑出度を示す
※「ISO+」は長打率傑出度と打率傑出度の差から算出したISOの傑出度を示す


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コメント

No title

ロッテはいわゆる「二軍の帝王」が多い印象がありましたが、数字もそれを裏付けていますね
福浦・井口・今江など衰えた人気選手がおり、成績だけで簡単に世代交代はできなかったという事情はあるのでしょうが
そのような縛りがない投手にまで戦力化できていない中堅が多すぎるのは厳しいですね
ここから数年で中堅選手の整理をし、大社に偏っていたドラフト戦略を見直す必要があると思います
整理の判断をつけるためにも、二軍で結果を出している選手に一軍の出場機会を与え、見極めを行っておきたいですね

Re: No title

カンザスさん、コメントありがとうございます!

二軍レベルでは大活躍する選手を投打で多く輩出していますが、どうも一軍定着までに大きな壁があるようですね。
2010年代に入ってからロッテ二軍は勝ち越し5回、優勝2回と安定した強さを誇っていますが、
有望な選手がいつまでも一軍に定着できず、二軍に留まり続けた結果であると考えると手放しでは喜べないかもしれません。
個人的には選手の素質だけでなく、上で書いている通り選手運用にも原因があるのかなと考えています。

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