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2015年打者の通信簿 横浜DeNAベイスターズ編

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2015年の横浜DeNAベイスターズで200打席以上を記録した9人の打者について、
どの要素が効いて良い打撃成績を記録できたのか、どの要素が足を引っ張って悪い打撃成績を記録してしまったのか、
BABIP、K%(三振/打席)、BB%(四球/打席)、ISO(=長打率-打率)の観点から分析を行っていきたいと思います。


分析対象とした選手(シーズン200打席以上)
梶谷隆幸・筒香嘉智・ロペス・バルディリス・石川雄洋・倉本寿彦・白崎浩之・嶺井博希・荒波翔


梶谷隆幸[27歳/右翼手/578打席]
bac2015kajitani_r.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


低打率ながら四球と長打が多く、打率に表れない部分(セカンダリ)で利得を稼ぐ打撃タイプです。
今季は打率が改善しましたがこれはBABIPの向上によるもので、打撃内容については頭打ちの気配が見られるかもしれません。
ラミレス監督が梶谷2番構想を打ち出しているだけに、来季はもう少し三振を減らして出塁重視のスタイルに移行したいところです。

筒香嘉智[24歳/左翼手/568打席]
bac2015db2r.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


2015年は開幕から高打率を維持。シーズン単位で見ればRCWin4.55は球団史上7位の記録でした。
長らく課題だった高い三振率をリーグ平均並みの水準まで下げ、確実性と長打力を両立できる打者に成長した印象です。
2季連続で通算値から乖離したBABIP+を記録しているのは気掛かりな点ですが、ブレイク前の低BABIPをどう見るかでしょう。

ホセ・ロペス[32歳/一塁手/565打席]
bac2015db3r.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


乱高下した前年からBABIPがV字回復し、引っ張られて打率もV字回復しました。
打率の向上に加えて打順が5番に固定されて警戒が強くなったのか、四球も大きく増えて出塁率はキャリアハイを記録しています。
UZRベースで見ると守備面での貢献も大きく、DeNAは一塁手の攻守で他球団に対して大きなアドバンテージを得た恰好です。

アーロム・バルディリス[32歳/三塁手/525打席]
bac2015baldiris_r.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


安定して奪四球率、三振率、長打力で平均以上を記録する完成度の高い打者ですが、近年ではゆるやかに衰えつつありました。
ヒッターズパークを本拠地とするDeNAに移籍しても、長打力が向上しなかったのはフロントの誤算だったかもしれません。
安い年俸は魅力ですが三塁守備で大きな貢献を残せるタイプでもなく、放出の判断はそこまで間違っていないように感じます。

石川雄洋[29歳/二塁手/375打席]
bac2015de_ishikawa_r.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


「はずれ年」だった昨年と比較してBABIP+は大幅に回復。リーグ平均打率が大きく落ちる中、打率を1分以上向上させたものの、
それ以外の三振率、奪四球率、長打力の傑出度はいずれも直近5年でワーストの数値を記録し、不本意なシーズンに終わりました。
現状の打撃は二遊間で起用するにもやや厳しいレベルなので、前年まで右肩上がりだった長打力を再び伸ばしたいところです。

倉本寿彦[24歳/遊撃手/265打席]
bac2015de_kuramoto_r.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


新人遊撃手として開幕スターティングメンバーに名を連ねましたが、期待に応えることはできませんでした。
三振率、奪四球率、長打力のいずれも遊撃手水準を大きく下回っており、部門別に見ても強みを作れていない状況です。
UZRベースでは守備面での貢献も芳しいものではなく、一軍で起用するためには多く課題を残している印象を受けます。

白崎浩之[25歳/遊撃手/238打席]
bac2015de_shirasaki_r.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


四球/三振比には課題を残すものの、遊撃手ながら238打席で6HRを放つ長打力が光りました。
前年までは長打力を売りにする打撃スタイルではなかったため、現時点ではこの成績はフロックである可能性もありますが、
今後の遊撃手レギュラー争いにおいて最右翼となるのではないかと個人的には考えています。

嶺井博希[24歳/捕手/208打席]
bac2015de_minei_r.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


白崎浩之と似た打撃スタイルで四球/三振比には課題を残すものの、捕手ながら208打席で5HRを放つ長打力が光りました。
捕手メインの出場で5HR以上を記録したのは嶺井博希と會澤翼だけで、総合的に見ても捕手平均以上の打撃成績を残しています。
他球団が打てる捕手を用意できない中、DeNAは嶺井の起用でアドバンテージを築ける可能性があるように見えます。

荒波翔[29歳/中堅手/207打席]
bac2015de_aranami_r.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


レギュラーからは2年連続で遠ざかる結果となりましたが、出場機会に反比例して打撃は右肩上がりで良くなっています。
荒波自身の成長も要因としてあるでしょうが、起用法が得意な対右投手に限定されつつあることも影響しているかもしれません。
( 2012年-2015年の左右別成績 / 対右投手 .275(956-263) 10HR OPS.701 / 対左投手 .255(369-94) 0HR OPS.620 )


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コメント

No title

石川は控えにいればまずまず、というタイプの選手ですね
石川個人の問題ではなく、彼がレギュラーで出続けざるを得ないというのが野手の層の薄さを如実に表していると思います
梶谷・筒香はある程度計算できる戦力と考えてよさそうなので、二人がピークを迎える年齢で勝負できるよう
二遊間のマイナスを圧縮できる選手を発掘したいところです
白崎の長打力向上が実力によるものならかなり楽しみなのですが

Re: No title

カンザスさん、コメントありがとうございます!

ローズ-石井以降の20年間において、二遊間にレギュラーとして定着できた生え抜きは石川だけで、
ここまで選手育成が上手くいかないとなると、チームの育成体制の方に問題があったのかもしれませんね。
白崎と嶺井には本当に期待しています。昨年の成績がフロックでないとよいのですが。

No title

denaの打順ですが一番を梶谷にし二番を相手投手によって嶺井と荒波で併用するのはどうでしょうか?

Re: No title

ロデックファンさん、コメントありがとうございます!

嶺井が高い打撃のポテンシャルを持っていることは間違いありませんが、
あくまで「捕手の中では」という但し書きが付きます。上位打線で使うにはもう少し出塁率が欲しいように感じますね。
悪くともリーグ平均程度の出塁率は残せる選手を梶谷の相方としたいところです。

No title

管理人様、返信ありがとうございます、確かに嶺井の打率は総合すると低いですが対左に限っては三割五分あると聞きました、もしそうなら左相手に対しては上位においていてもいいのかなともいます。

Re: No title

ロデックファンさん、返信ありがとうございます!

http://lcom.sakura.ne.jp/NulData/Central/DB/f/39_stat.htm
ヌルデータ置き場さんを見てきました。仰る通り対左だとかなり打率が高いですね。
打席数が少なくて判断を下すにはやや心許ない部分もありますが、
長打の数も対右では150打席で6本なのに対して、対左では60打席弱で8本なので打球の質自体が違う印象も受けます。
出塁型の打者ではないのがネックですが、それをカバーできるくらい長打を打てるなら2番に置く選択肢もありでしょうね。

No title

管理人様、お久しぶりです、記事とは全く関係ない話しですが、ベイスターズ打線が全く点が入りません、しかし失点も少ないです、こういう場合は得点力が高い順に並べるのもいいと思うんですよね、例えば一番筒香二番ロペスみたいに思いきった打順を組んでもいいのではと思うのですが意見が聞きたいです。

Re: No title

ロデックファンさん、コメントありがとうございます!

打線の得点力については「平均で何点取れるか」を示す期待値の他に、
「試合ごとの得点がどれだけバラつくか」を示す分散の要素があります。過去の研究によると
打線の得点手段が出塁に偏っている場合、試合ごとの得点のバラつき(分散)は大きくなり、
打線の得点手段が長打に偏っている場合、試合ごとの得点のバラつき(分散)は小さくなる傾向にあるようです。
長打力に優れるロペスや筒香(出塁率も高いですが)の打席数を増やすと、打線の得点分散が小さくなる可能性が考えられます。
「悪くても○点以上取れる可能性は上がるが、良くても○点以上取れる可能性は下がる」といった具合です。

http://www16.plala.or.jp/dousaku/steinitz.html
こちらのコラムで道作さんが書かれていますが、得点の分散を小さく抑える戦術は
「本来他チームと比較してあり余る戦力を保有し、普通であれば優勝鉄板と思われるチームが、
偏差による優勝取りこぼしを防ぐ作用のあるシステム」であるため、
現時点では他球団に対して明確に有効な戦力ポテンシャルを築けていないDeNAが同じ戦術を取ると、
ペナントレースにおける運要素の排除に繋がり、却って優勝の可能性が削られてしまうかもしれません。

ただ長々と書きましたが、打順の変更による打線の得点分散の変化というのはおそらく小さいでしょうから、
基本的には得点期待値を最大化するように打順を組むのがベストではないかと思います。

No title

管理人様、ありがとうございます、ただ、ベイスターズは少なくとも今年の序盤はディフェンス面でアドバンテージを気づけると思うんですよね、あと、オープン戦を見ていると今年は各打者の得点の出塁率が低くなるのではないかと思うので、最大得点もねらいにくいものになるのではないかとおもいます、また、ロペスと筒香はこのチームで出塁率が高い方なので得点の最大値も上がるのではないかと思います。

Re: No title

ロデックファンさん、返信ありがとうございます!

今季はセンターラインを大きく入れ替えるようなので、
ディフェンス面で課題になっている守備が改善されるかどうか私も注目して見ています。

仮にディフェンス面でアドバンテージを築けたとしてもそれだけでは不十分で、
得点のポテンシャルが失点のそれを明確に上回っているような状況でないと、分散を小さくする戦術はあまり意味がなくて、
「悪くても○点以上取れる確率」を上げることを狙うよりは、得点期待値を上げるように組んだ方が良いかなと私は思います。

この組み方だと筒香が打席に入る際の走者が少なくなり、ソロホームランが増えてしまうという欠点もあるため、
得点期待値の最大化を狙う場合はこの組み方よりもう少し良い組み方があるのではと思いますね。(例えば二人の前に梶谷を入れるなど)

今年度の12球団打者の通信簿も、楽しみにしています。

話は変わりますが、今年ラミレス監督が掲げていた2番梶谷3番ロペス構想、梶谷の怪我やロペスの調子の上下の激しさもあり実現がシーズン終盤になってしまったものの、そこそこ機能していたなと個人的には思います。しかしながら足が速く併殺も少ない(三振が多いからなのか)2番梶谷は良いとして、低出塁かつ長打が多いロペスは、やはり5番であるべきであると僕は思っていました。今現在チーム内で打点が最も期待できるのは筒香なので、1〜3番にできるだけ出塁できる選手を固めておきたいなという単純な発想なのですが…。全体の得点としてはそんなに変わらないものなのでしょうかね。3番ロペスがランナーを返してしまう or 併殺で攻撃が終わってしまうのは何か勿体無い気がしました。来年の3番は宮崎がいてほしいなと個人的には思っています。

もう1つ、今年の中心捕手は戸柱でしたが、広島の會澤選手のように、打撃は良いが守備面に問題のある嶺井の起用を検討するべきか、安定したリードとキャッチングができる戸柱を使い続けるべきか、チームにとってはどちらが有益なのでしょうか。

長文になり申し訳ありません

Re: タイトルなし

石川さん、コメントありがとうございます!

統計的な打順研究によれば、上位打線に極端に弱い打者を配置しているような状態でなければ、
上位打線を多少入れ替えるくらいでは得点力はあまり変わらないとされていますね。
2番打者の打力が低迷している今のDeNAだと、梶谷を2番に入れればあとは好みではというのが個人的な見解です。

私の好みで言えば、ロペスは得点生産を長打に強く依存している打者なので、やはり筒香の後ろに置きたいですよね。
宮崎がもう少し出塁寄りでロペスに匹敵するくらいの総合的な得点生産力を挙げられるのなら、
3番に宮崎を入れて、5番にロペスを入れるのが良いかなと私は思います。

捕手守備については評価が難しい部分が多いのですが、
最近のMLBでは捕球によってボールの投球をストライクコールさせる技術が注目を集めていて、
その技術次第でチームの失点が年間で数十点変わることが分かってきています。

NPBでは投球軌道を計測する装置が球場に存在せず、検証が行えないため断言はできませんが、
TV中継の映像を見る限りでは、「戸柱はこの能力が非常に優秀なのではないか」という指摘があります。
戸柱の定着以降、DeNAの投手の多く(モスコーソ・井納・石田他)が三振と四球の割合を改善させたという事実もあります。

今季の投手陣の躍進に戸柱が一枚噛んでいる可能性を考えると、
打撃面で多少差があっても戸柱を起用するのが、現状では最善手ではないかというのが私の考えです。

> 今年度の12球団打者の通信簿も、楽しみにしています。
ありがとうございます!今季の打撃内容分析についても近い内にやりたいと思っています。

山口がFAで巨人に行ってしまいましたね…
個人的には中日にとってはドンピシャな補強だと思ったので巨人でよかったと思いますが。巨人は先発にはそれほど困っていないようなのでどちらかといえばDeNAの戦力ダウンを狙ったのかもしれません。調子の波はあるものの完投能力の高い、DeNAとしてはかなり貴重なイニングイーターでしたから…。今年も規定未到達ではあるものの11勝をあげました。この穴をすぐに埋めるのは難しいでしょうね…。人的補償で少しでも良い投手を獲れればいいですね。万が一、片岡が外れるような事があれば獲ってみるのもおもしろいかもしれません。

Re: タイトルなし

石川さん、コメントありがとうございます!

山口は外的要因のせいで本来の実力がなかなか発揮できなかった投手なので、
どこの球団に行っても上位ローテに食い込める実力はあると個人的には思っているんですよね。
中日の編成はいよいよ先発投手を揃えるだけという段階に入ってきていますし、山口が入団したら驚異になったように感じます。

片岡が獲れれば一番良いのですがDeNAの選手層を見越しておそらくプロテクトされるでしょうから、
人的補償の場合は巨人が豊富に抱える投手から獲ることになるでしょうね。
しかし小山の緊急トレードには驚きました。絶妙なタイミングだなあと。
柿澤も一応候補には入ってきそうですが、DeNAは若手内野手が飽和状態なので出場機会の確保が難しそうですね。

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 2014年 セリーグ パリーグ
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 2016年各種パークファクター
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■2015年の特筆記事
 2000本安打の展望
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 こちらも違反球?2015年パリーグ
 秋山と柳田が挑む、もうひとつの日本記録
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 2015年はどのくらい打低だったのか?
 2015年各種パークファクター

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 ピタゴラス勝率を用いた采配評価の妥当性
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