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2015年打者の通信簿 福岡ソフトバンクホークス編

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2015年の福岡ソフトバンクホークスにおいて200打席以上を記録した7人の打者について、
どの要素が効いて良い打撃成績を記録できたのか、どの要素が足を引っ張って悪い打撃成績を記録してしまったのか、
BABIP、K%(三振/打席)、BB%(四球/打席)、ISO(=長打率-打率)の観点から分析を行っていきたいと思います。


分析対象とした選手(シーズン200打席以上)
柳田悠岐・松田宣浩・中村晃・内川聖一・李大浩・今宮健太・明石健志


柳田悠岐[27歳/中堅手/605打席]
bac2015h1_yanagita.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


通算BABIP傑出1.29倍は1000BIP以上の選手では歴代1位。
レギュラー定着以降は三振率は右肩下がり、四球率は右肩上がりとゾーン関係指標の向上が顕著であり、
前述のBABIPの異常な高さもあって、出塁能力は歴代屈指のレベルに成長しました。

松田宣浩[32歳/三塁手/603打席]
bac2015h2_matsuda.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


昨季は三振・四球が直近5年で最も多く、打撃スタイルがやや待球型に移行したことが見て取れます。
四球の増加に対して三振はあまり増えなかったことから、この戦略は功を奏したと考えられ、
出塁率はキャリアハイを記録したほか、RCWinは2011年に次ぐ数値となりました。

中村晃[26歳/右翼手/590打席]
bac2015h3_nakamura.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


高BABIPと低三振を両立する現役屈指のアベレージヒッター。
長打力は非常に低いものの、奪四球は非常に多くアベレージヒッターの中でも出塁に特化したタイプとなっています。
昨季は本拠地が縮小したにもかかわらず長打力を落として更に出塁率を向上させるなど、より一芸特化の色が強くなりました。

内川聖一[33歳/左翼手/585打席]
bac2015h4_uchikawa.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


高BABIPと低三振を両立する現役屈指のアベレージヒッターですが、2008年以降はBABIPが右肩下がりを続けており、
昨季はブレイク以降では初めてBABIPが平均を割り込み、連続打率3割が途絶える要因となりました。
近年の併殺数の増加を見るに、打撃ではなく走塁面の衰えが原因である可能性があります。

李大浩[33歳/指名打者/584打席]
bac2015h5_lee.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


昨季はBABIPと三振率が共に振るわず、打率はキャリアワーストとなりましたが、
ホームランテラスの設置もあり長打力は来日1年目の水準まで回復。RCWinも2012年以来の好値となりました。
通算RCWin11.15は韓国出身選手では李承燁を超えるNPB史上最高値となりました。

今宮健太[24歳/遊撃手/530打席]
bac2015h6_imamiya.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


昨季は6月下旬まで打率1割台の低空飛行が続きましたが、シーズン中盤以降に盛り返しました。
三振率・四球率・長打力はいずれもキャリア標準より優秀ながら、BABIPのみが低迷している状態であり、
今季も同じ打撃をすることが出来れば、適性値への回帰で打率向上が期待できると考えます。

明石健志[29歳/二塁手/394打席]
bac2015h7_akashi.png
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。


キャリアで初めて三振率がリーグ平均を下回ったほか、奪四球もキャリア標準を上回りました。
本多雄一の故障離脱に伴い出場機会を大きく伸ばした格好ですが、首脳陣の期待に見事に応えたと言えます。
二塁手標準を上回る打撃成績を残していることから、バックアップとしての起用は少々勿体ないという印象も受けます。


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コメント

今年の柳田はイデホが抜けたこともあり、まともに勝負されていませんね
BABIPが例年通りの数字を残せば、出塁率の記録が狙えるかもしれません

松田はデホと並び最もテラスの恩恵を受けた選手ですね
ここまでは不調ですが、待球型へのスタイル変更は選手生命を伸ばすことにもつながると思うので
三塁の有望株が育つまで頑張ってもらいたいです

中村は安定して出塁できる優れた選手なので、是非上位に固定してほしいです
得点圏打率の高さでクリーンアップの後ろを任される事が多いですが、長打力がないので返す役には向かず
またせっかくの出塁能力も後ろが下位打線では生かせません

内川は守備範囲も狭くなっているようなので、走力が衰えている可能性は高いと思います
去年の成績は攻撃ポジションとしては物足りないですが、本人の守備と外野の層の厚さを考えると
一塁へのコンバートは正しい選択ではないでしょうか

今宮は本拠地が狭くなったこともあり、長打方向へシフトしたほうが成績が伸びると思っていたのですが
今年は出塁を意識して結果を出しています
安達ほどではないですが守備がよく、また非常に頑丈な選手でもあるので
打撃で強みを作り長くチームに貢献できる選手になってほしいものです

明石は連続出場すると成績が落ちる印象がありますね
コンディションの維持が難しい選手なので、故障がちな本多と併用して互いに負担を減らしてほしいです
併用前提で考えると、右打者で長打力のある川島が離脱したのは痛いですね

チーム全体として、今年は長い黄金期を築けるかのターニングポイントになるような気がします
秋山政権を支えた打者が中堅となり、昨年は松田を除けば皆成績を落としています
彼らの2014年成績は各ポジション上位であるため、この変化が一時的なものか、加齢によるものかを見極め
世代交代への布石を打つ年になるのではないでしょうか

最後に12球団の分析、お疲れさまでした
カラーリングにより各打者の強みが一目でわかり
5年スパンで見ることで成績がフロックかどうかの見極めもしやすく勉強になりました
またデータを並べるだけでなくコメントによる分析を加えたことで、数字に馴染みがなくともとっつきやすく
セイバーメトリクスへの入り口としても優れていると思います
これだけの作業を続けるのは大変な労力だと思いますが、これからも楽しみにしております

柳田選手は昨年トリプルスリー達成によって注目を集めていましたが、やっぱり一番凄いのは.360を越える高打率と、歴代の超一流打者と比べても遜色ない高い出塁率ですよね

本塁打や打率よりも、出塁率や長打率の方が選手を評価するのに一般的な指標に成る時が来たらいいな と、RCなどの指標を見るたびに思います(出塁率、長打率は一応公式記録なのに、この扱いの悪さは何なんだろう)

Re: タイトルなし

カンザスさん、コメントありがとうございます!

おそらく「下位打線のリードオフマン」的な役割を意図しているのでしょうが、
中村晃は現状だと6番7番の起用になっているのは勿体ないですね。ソフトバンク打線の中でも出塁率は見劣りしませんし、
長打力の低さをカバーできる1番2番で起用した方が良いように私も思います。

内川は横浜時代に一塁を守っていた頃は優秀な守備貢献を残していた記憶があります。
コンバートの肝はどこまで当時の状態に近づけるかでしょうね。
正直なところ外野守備はあまり上手い方ではなかったので、コンバートによって貢献を増やせる可能性もあると考えています。

秋山前監督が構築したチームの最盛期は間違いなく2014年だったと私も思っています。今後は入れ替えが主題になってきますね。
入れ替えの喫緊性が比較的高いと思っているのは仰る通り、大きく成績を落とした本多と内川だと思われますが、
過去の三塁手を見ていると30代前半で急激に守備の衰えが来る例が散見されるので、松田も後任を見付けておかねばなりません。

攻撃型ポジションには活きのいい若手が多く台頭しているので、内川の代替はなんとかなるでしょうが、
この二塁と三塁はファームでの若手育成状況も(ソフトバンクにしては)あまり振るっておらず、
ここの選手獲得と育成が上手くいくかどうかが最大のポイントとなるような気がしています。
捕手・二塁・三塁のいずれかに、強力な利得の供給源を新しく配置できれば黄金期の寿命はかなり伸びるのではないでしょうか。

> 最後に12球団の分析、お疲れさまでした
ありがとうございます。結果的に開幕までずれ込んでしまいましたが、何とか終えることが出来ました。
次回からは2016年のプロ野球について書いていこうと思っているので、今後ともお付き合い頂ければ幸いです。

Re: タイトルなし

開聞岳さん、コメントありがとうございます!

昨季は故障さえなければシーズン出塁数記録を塗り替えそうな勢いでしたね。
昨季のMVPの2人で言えば山田哲人の強みは長打に、柳田悠岐の強みは出塁にあると個人的には考えています。

近頃では球場の電光掲示板に出塁率や長打率を表示する例も増えているようなので、
打撃を評価する指標としては少しずつ注目されつつあるように思いますね。それでもまだ打率より扱いは悪いですが。

No title

ソフトバンクは、内野手の育成だけでなく細川の後任も育てなくてはなりませんね、mlbのカージナルスもモリーナがいない試合の勝率は相当悪いですから

Re: No title

ロデックファンさん、コメントありがとうございます!

FA権を保有しながら行使していない捕手が他球団に複数いるので、
彼らを引き抜くのも手でしょうが、チームの長期の繁栄を狙うならやはり自前で育成するのが一番でしょうね。
今季は開幕から斐紹がレギュラーに抜擢されているので、彼には大きな期待が懸かっているのではと思います。

野村克也の「優勝チームに名捕手あり」という言葉は散々語られ尽くされて半ば球界の常識のような扱いになっていますが、
その野村の古巣がこのような状況になっているのはなかなか興味深いなあと思って見ています。

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