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2017年戦力分析 福岡ソフトバンクホークス編


チーム全体の状況

20180215_H.png
※打撃・守備・投球の数値は、各部門で「リーグ平均に対し何点分の利得を作れたか」を示す。打撃はwOBA[1]、守備はUZRとDER[2]、投球はFIP[3]をベースに算出。
※「P勝率」は得点と失点から期待される勝率(ピタゴラス勝率)、「B勝率」はwOBAとUZRとFIPから期待される勝率(Baserun勝率)を示す。


2017年、福岡ソフトバンクホークスは1位となりました。日本一は過去4年間で3度目。
現在のNPB最強チームと評しても異論は少ないのではないでしょうか。

優勝の最大の決め手となったのが、打撃(wOBA)の大幅な改善でした。
デスパイネ・甲斐拓也・上林誠知のレギュラー定着などで、打線の得点力は得点換算で50点近く向上。
元々の強みである守備・投球の利得はキープし、下位チームを寄せ付けない独走優勝を達成しました。


各ポジションの状況

20180211_H野手
※打撃はwOBA、守備はUZRを用いて「同ポジションの平均的な選手と比較してチームの得失点改善に何点分貢献したか」を評価。右のグラフは打撃と守備の合算値です。

野手は強みのポジションを新たに作り出すことに成功しています。
三塁手で松田宣浩、中堅手で柳田悠岐がトップクラスの働きを見せたのは例年と変わりませんが、
内川聖一・今宮健太が成績を伸ばしたため、一塁手・遊撃手も新たなチームの強みになりました。

全てのポジションで攻撃と守備の合計値がリーグ平均を上回っています。
甲斐拓也・上林誠知・デスパイネの定着で、弱点になりがちだった捕手・右翼手・指名打者も塞がりました。
強みで稼いだ利得を特定のポジションで食い潰すことのない、理想的な編成状況を作れたと言えるでしょう。


20180211_H投手
※右端の投球利得はFIPを用いて「平均的な先発(救援)投手と比較してチームの失点を何点分減らしたか」を評価。
※同点~3点リードの状況での登板割合が50%以上かつ30登板以上の投手を「勝ちパターン」と定義しました。[4]

先発投手は上位ローテと下位ローテの格差が大きくなっています。
東浜巨・バンデンハークが規定投球回に初到達し、千賀滉大と強力な上位ローテを形成した一方、
彼らに続く先発投手を確保できず、下位ローテではマイナスが大きく発生する状況となりました。

救援投手は森唯斗・岩嵜翔・サファテで逃げ切る構成が上手くいきました。
他にも新加入のモイネロや左限定の嘉弥真新也など、強力なリリーフが揃うリーグNo.1の陣容に。
リード状況で7回を迎えた79試合において、救援投手が逆転を許したのはわずか3試合だけでした。


来季の戦力向上に向けて

現時点で弱点がない構成上、狙い目は成績低下リスクの高いポジションとなります。
カバー要員を増やすことで、レギュラーにアクシデントが起きても戦力が下がらない構成を作りたいところ。

その中でも最優先で増強を狙いたいのは三塁手ではないでしょうか。
二軍の育成状況が芳しくなく、中堅世代のカバー要員と若手世代のレギュラー候補が共に不足している状況。
ここは松田宣浩が攻守で活躍してきましたが、いつ守備が衰えてもおかしくない年齢だけに早急に手を打つ必要がありそうです。

次に狙いたいのが二遊間。カバー要員は豊富である一方で高齢化がやや目立ちます。
二軍メンバーは曽根海成を始めとして20歳前後の若手が多いため、一軍メンバーの衰えに台頭が間に合わない可能性があります。
この空白の世代を埋めるために今後のドラフトでは即戦力を獲得していきたいほか、可能であれば補強も狙っていきたいところ。

投手は先発陣の駒不足を解消できれば更なる底上げが狙えそうです。
肘の故障により長期離脱した和田毅の復帰に加えて、プロスペクトも多いなど好材料は揃っていますが、
念を入れてドラフトによる即戦力投手の獲得も並行して進めていきたいところです。


今オフの動き

□外部補強
 西田哲朗  26歳 遊撃 右投右打 トレード 楽天
 グラシアル 32歳 三塁 右投右打 新外国人 マタンサス(キューバ)

「内野手のカバー要員が欲しい」という一軍のニーズに上手く応えられたのではと思います。
グラシアルは遊撃手寄りの守備型三塁手という、日本に来る外国人野手の中ではかなり珍しいタイプです。
松田離脱時のバックアップが基本的な役目となりそうですが、状況によっては二遊間で起用される可能性もありそうです。

□ドラフト
 吉住晴斗 17歳 投手 右投右打 ドラフト1位 鶴岡東高
 高橋礼  21歳 投手 右投右打 ドラフト2位 専修大
 増田珠  18歳 外野 右投右打 ドラフト3位 横浜高
 椎野新  22歳 投手 右投右打 ドラフト4位 国士舘大
 田浦文丸 18歳 投手 打 ドラフト5位 秀岳館高

投手中心ドラフトに。野手の方は補強で対応できるという見立てがあったのかもしれません。
ドラフト3位の増田珠は本職は外野手ながら、内野手登録で二塁手・三塁手として育成していく方針のようで、
「松田以後」の三塁手レギュラーの確保を意識した指名だと思われます。(安田のクジを外したのはやはり痛かったところ)


2017年戦力分析

2017年戦力分析 広島東洋カープ編
2017年戦力分析 阪神タイガース編
2017年戦力分析 横浜DeNAベイスターズ編
2017年戦力分析 読売ジャイアンツ編
2017年戦力分析 中日ドラゴンズ編
2017年戦力分析 東京ヤクルトスワローズ編
2017年戦力分析 福岡ソフトバンクホークス編
2017年戦力分析 埼玉西武ライオンズ編
2017年戦力分析 東北楽天ゴールデンイーグルス編
2017年戦力分析 オリックス・バファローズ編
2017年戦力分析 北海道日本ハムファイターズ編
2017年戦力分析 千葉ロッテマリーンズ編

福岡ソフトバンクホークス戦力分析

2014年戦力分析 福岡ソフトバンクホークス編
2015年戦力分析 福岡ソフトバンクホークス編
2017年戦力分析 福岡ソフトバンクホークス編


[1] 参考:Baseball-LAB Archives「打撃指標wOBA」 球場補正は2015年-2017年の得点PFを使用しました。
[2] 参考:1.02 - Essence of Baseball リーグ平均が0となるように調整を行いました。
  2013年以前についてはDELTA社のUZRが公表されていないため、DER守備得点で代用しました。参考:Baseball-LAB Archives 「DERでチーム守備力を計測する
[3] 失点率スケールに変換して、球場補正は2015年-2017年のFIP-PFを使用しました。
[4] イニング途中で登板した投手の点差状況は手に入らなかったため、入手できたデータの範囲で評価しました。

コメント

No title

二塁手はどうにかしたいですね(川崎選手の動向が不透明なところも心配です…)。

それにしても、凄い戦力ですね…。一昨年よく日ハムが優勝しましたね…。

No title

今宮の打撃が向上し、新たな強みを生み出せたのは大きいですね。
出塁より長打に偏った選手なので、テラスの恩恵を受け飛躍した印象です。
また大穴になっていた捕手に甲斐が定着し、ここ数年の課題がようやく解消しました。
出場機会を生かそうと山下を放出したら捕手に怪我人が集中しているのは気がかりですが…
ただ内野の不足のほうが深刻なので、このトレードは評価できると思っています。

投手のプロスペクトは豊富ですが、まだ戦力化できていませんね。
OP戦で片鱗を見せている田中はできれば先発で使いたいんですが、投球内容が直球の力押し一辺倒なので
まずはリリーフでも起用になるでしょうか。

打撃型内野手を狙ったドラフトで続けざまにクジを外したのは痛かったですね。
育成で打撃ポジションの選手というのはまだ出てきていないので、ここは当てて置きたかったはず。
捕手の怪我人が戻れば九鬼や谷川原あたりは本格的にコンバートを考えるかもしれませんね。

川崎選手引退の記事が出ましたね…。取り敢えずお疲れ様でした。

Re: No title

Yamagamiさん、コメントありがとうございます!
返信が遅くなりまして申し訳ございません。

新しく3人がレギュラーになったことでかなり底上げされましたから、
一昨年の陣容より大きく充実したように思います。

仰る通り川崎選手の引退が決まって、二塁手底上げの緊急性が一層高まりました。
報道によると川崎選手は満身創痍だったとのことで。
あれだけMLBでしぶとくプレーした選手がこんな終わり方をするのは、ちょっと信じがたくもあります。

Re: No title

カンザスさん、コメントありがとうございます!
返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。

結果的に遊撃手は中堅手に次ぐチームの強みになりましたし、
他チームとの差を広げる上で、今宮の成長は大きかったと思いますね。

捕手に関してはマイナスが他ポジションと比べて顕在化しにくいので、
シーズンを通した目で見ると、現状の捕手不足はそこまで致命的ではないと思っています。
仰る通りで、トレードの評価に直結するものではないのかなと。

投手は有望な選手が多いですがまだまだ時間がかかりそうな感じですが、
田中正義は今シーズンどうなるか楽しみですね。

二軍の攻撃型ポジションの出場機会は中堅選手と外国人の調整に当てられていて、
現状では育成に使えているとは言い難い状況ですね。
これまでやってきたように、基本的に外部補強で埋めていく方針なのかなと感じました。

去年81試合出場した川島選手ですが
こちらの表では名前はありません
出場ポジションがかなり分散されていたのでしょうか
無知ですみません

Re: タイトルなし

ITさん、コメントありがとうございます!

昨季の川島選手の起用法ですが、81試合中55試合が途中出場となっています。
割合で言えば先発出場がかなり少ないんですね。

野手の表では各ポジションの先発出場TOP3を記載しています。
川島選手が最も多く先発出場したポジションは二塁手ですが、
二塁手でも先発数はチーム4番手にとどまるため、上の表には名前がないという結果になっています。

返信ありがとうございます
なるほど表は先発出場数順なのですね
失礼しました
二塁手で活躍していた印象だったので気になってつい質問してしまいました
これからも戦略分析楽しみにしています

Re: タイトルなし

ITさん、コメントありがとうございます!

大変励みになります。
他にも疑問点がありましたら遠慮なくご質問ください。
今後ともよろしくお願いします。

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 PFを考慮したwOBAとRSAA
 セリーグ パリーグ 各種PF
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 二軍打線
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  De
 西 他消滅球団
 
 

■打線アーカイブ
  De
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 歴代打線得点力評価[-2018]
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■RCWINに関する記録
 RCWIN歴代記録[-2018]
 通算 シーズン RCWIN
 通算 シーズン RCWIN(PF)
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 RCWINで見る強力打撃トリオ
 ポジション別
 

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 RSWIN歴代記録[-2018]
 通算 シーズン RSWIN
 通算 シーズン RSWIN(PF/DER)
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 RSWINで見る強力ダブルエース
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 二軍PF
 2018 2017 2016 それ以前
 種類別
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 セリーグ パリーグ 本塁打PF
 セリーグ パリーグ BABIP-PF
 セリーグ パリーグ 単打PF
 セリーグ パリーグ 二塁打PF
 セリーグ パリーグ 三塁打PF
 セリーグ パリーグ 三振PF
 セリーグ パリーグ 四死球PF
 球場別
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 通算 シーズン 防御率傑出度
 通算 シーズン 奪三振率傑出度
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■選手の個人評価
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 2016年 セリーグ パリーグ
 2015年 セリーグ パリーグ
 2014年 セリーグ パリーグ
 2013年 セリーグ パリーグ
 2016年打者の通信簿
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 2015年打者の通信簿
  De 西
 2014年選手別守備得点と総合貢献
 総括
 簡易WARの答え合わせ2014
 球団史上最高の4人を選ぶ
    De 西
 

■2018年の特筆記事
 現役打者の2000本安打達成確率を考える
 現役20代選手の通算安打(2018年版)

■2017年の特筆記事
 現役20代選手の通算安打(2017年版)
 「8番投手」は珍しいのか?
 2017年各種パークファクター
 2017広島打線は史上最強か?

■2016年の特筆記事
 2016年における2000本安打の展望
 2016年広島打線、得点力向上の要因は?
 2016年各種パークファクター
 パリーグ野手編成と野手運用の私的評価
 セリーグの犠打減少を考える
 糸井嘉男の成績低下リスクを考える


■2015年の特筆記事
 2000本安打の展望
 違反球の再来?2015年セリーグ
 こちらも違反球?2015年パリーグ
 秋山と柳田が挑む、もうひとつの日本記録
 秋山翔吾の安打記録更新の確率を考える
 「余剰安打」で見る、安打新記録の価値
 山田哲人は何位?二塁手シーズンHR記録
 二塁手史上最高の打撃?2015年山田哲人
 30HRと30盗塁の両立
 三浦大輔、23年連続安打
 谷繁元信、27年連続本塁打
 坂本勇人、7年連続二桁本塁打
 阪神タイガース、得失点差-59で貯金
 2015年はどのくらい打低だったのか?
 2015年各種パークファクター

■考察のようななにか
 □分析結果系
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 平成の大投手 三浦大輔
 ポスト松井稼頭央時代の遊撃手総合力評価
 恐怖の8番打者
 稲葉篤紀、現役引退表明
 0本塁打のスラッガー
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 20盗塁カルテットに関する記録
 ピタゴラス勝率を用いた采配評価の妥当性
 鈴木啓示の先発勝利に関する疑義
 セリーグの野手世代交代に関する考察
 □分析手法系
 RSAAに守備力補正をかける
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