コメント
No title
こちらは2014年の記事ですが、前田健太は最終的に傑出度はどこまで上がったのでしょうか。
それにしても歴代傑出度上位3人がメジャーに行くとはすごい時代ですね。
それにしても歴代傑出度上位3人がメジャーに行くとはすごい時代ですね。
Re: No title
ゆさん、コメントありがとうございます!
上の記事では考慮されていないPF補正まで入れて計算すると、
2014年に数字を下げたこともあって、前田健太は1000投球回以上ではギリギリ4位に落ちてしまっていますね。
ただ3位の藤本は傑出しやすいエクスパンション時代に多くのイニングを投げているので、実質的には前田が3位と言ってもいいかなと。
将来的には大谷翔平も上位に食い込んでくるかと思います。
本当に素晴らしい投手が次から次に出てくるすごい時代になりましたね。
上の記事では考慮されていないPF補正まで入れて計算すると、
2014年に数字を下げたこともあって、前田健太は1000投球回以上ではギリギリ4位に落ちてしまっていますね。
ただ3位の藤本は傑出しやすいエクスパンション時代に多くのイニングを投げているので、実質的には前田が3位と言ってもいいかなと。
将来的には大谷翔平も上位に食い込んでくるかと思います。
本当に素晴らしい投手が次から次に出てくるすごい時代になりましたね。
FIP+の計算式につきまして
はじめまして。
RSAAとRSWINは守備力が影響するのでFIP Above AverageとFIPWINを算出しているサイトがないか調べていたらたどり着きました。
色々なデータを取り扱っていてすごいサイトだなと尊敬しています。
解説者の感覚的な話よりも数字のエビデンスがある分、説得力もすごいなあと。
「FIP+」の計算式について伺いたいのですが、最後に(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛けるのはなぜなのでしょうか?
あと、リーグ防御率とリーグFIPは同じ数字になるという理解で大丈夫でしょうか?
(2019年パの数字で計算してみたら同じでした)
RSAAとRSWINは守備力が影響するのでFIP Above AverageとFIPWINを算出しているサイトがないか調べていたらたどり着きました。
色々なデータを取り扱っていてすごいサイトだなと尊敬しています。
解説者の感覚的な話よりも数字のエビデンスがある分、説得力もすごいなあと。
「FIP+」の計算式について伺いたいのですが、最後に(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛けるのはなぜなのでしょうか?
あと、リーグ防御率とリーグFIPは同じ数字になるという理解で大丈夫でしょうか?
(2019年パの数字で計算してみたら同じでした)
Re: FIP+の計算式につきまして
Dice-HRさん、コメントありがとうございます!
返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。
>色々なデータを取り扱っていてすごいサイトだなと尊敬しています。
>解説者の感覚的な話よりも数字のエビデンスがある分、説得力もすごいなあと。
そう仰っていただけて大変嬉しいです。ありがとうございます。
FIPには次元が防御率のものと失点率のものと2パターンがあり、
それぞれ「守備の影響がなかった場合の防御率(失点率)」を表す指標となっています。
FIPには定数項がありますが、定数項を算出する際に平均防御率・平均失点率のどちらを使うかでこの違いが生じます。
平均防御率を使えば次元が防御率になって、平均防御率が平均FIPに一致し、
平均失点率を使えば次元が失点率になって、平均失点率が平均FIPに一致することになります。
>「FIP+」の計算式について伺いたいのですが、最後に(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛けるのはなぜなのでしょうか?
これは数値の次元を自責点から失点に変換するためです。
この記事で使っているFIPは防御率の次元のものなので、FIP Above Average(FIP+)は自責点の次元になっています。
失点の次元に変換する理由は、自責点の次元のままだと勝利との関係が不明瞭で解析上扱いづらいためです。
(失点の次元であればピタゴラス勝率やRPWを使うことで、更に勝利の次元に変換することができます)
返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。
>色々なデータを取り扱っていてすごいサイトだなと尊敬しています。
>解説者の感覚的な話よりも数字のエビデンスがある分、説得力もすごいなあと。
そう仰っていただけて大変嬉しいです。ありがとうございます。
FIPには次元が防御率のものと失点率のものと2パターンがあり、
それぞれ「守備の影響がなかった場合の防御率(失点率)」を表す指標となっています。
FIPには定数項がありますが、定数項を算出する際に平均防御率・平均失点率のどちらを使うかでこの違いが生じます。
平均防御率を使えば次元が防御率になって、平均防御率が平均FIPに一致し、
平均失点率を使えば次元が失点率になって、平均失点率が平均FIPに一致することになります。
>「FIP+」の計算式について伺いたいのですが、最後に(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛けるのはなぜなのでしょうか?
これは数値の次元を自責点から失点に変換するためです。
この記事で使っているFIPは防御率の次元のものなので、FIP Above Average(FIP+)は自責点の次元になっています。
失点の次元に変換する理由は、自責点の次元のままだと勝利との関係が不明瞭で解析上扱いづらいためです。
(失点の次元であればピタゴラス勝率やRPWを使うことで、更に勝利の次元に変換することができます)
Re: FIP+の計算式につきまして
お忙しい中ご回答ありがとうございました。
FIPに失点率ベースと防御率ベースがあるのは目から鱗でした。
DELTAでは定数の計算式に「失点率」を用い、それ以外のサイトは「防御率」を用いることが多い印象ですかね。
ところで、2017年の菅野投手のFIP+を失点率・防御率ベースでそれぞれ算出したところ、両方とも27.2でした。
FIP(失)2.73 FIP(防)2.37 投球回187 1/3 リーグ失点率4.04 リーグ防御率3.67 定数(失)3.35 定数(防)2.99
平均との比較なので、(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける必要はなく、
掛けると正の値の選手は過大評価、負の値の選手は過小評価になるような気がするのですが、いかがでしょうか?
(私の計算がミスっていたり、勘違いがあったら申し訳ありません)
FIPに失点率ベースと防御率ベースがあるのは目から鱗でした。
DELTAでは定数の計算式に「失点率」を用い、それ以外のサイトは「防御率」を用いることが多い印象ですかね。
ところで、2017年の菅野投手のFIP+を失点率・防御率ベースでそれぞれ算出したところ、両方とも27.2でした。
FIP(失)2.73 FIP(防)2.37 投球回187 1/3 リーグ失点率4.04 リーグ防御率3.67 定数(失)3.35 定数(防)2.99
平均との比較なので、(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける必要はなく、
掛けると正の値の選手は過大評価、負の値の選手は過小評価になるような気がするのですが、いかがでしょうか?
(私の計算がミスっていたり、勘違いがあったら申し訳ありません)
Re: Re: FIP+の計算式につきまして
Dice-HRさん、コメントありがとうございます!
この問題面白いですね。
実は私も4/22にコメントした段階では気付いていなかったのですが、確かにこの計算式だと、
ある選手(チーム)の防御率ベースFIPと失点率ベースFIPの差は、リーグ平均防御率とリーグ平均失点率の差に必ず一致するので、
ある選手(チーム)の防御率ベースFIPとリーグ平均防御率の差と、失点率ベースFIPとリーグ平均失点率の差も必ず一致しますね。
そのため「自責点ベースのFIP+」と「失点率ベースのFIP+」も必ず一致することになります。
ただ、一致するからと言って(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける必要はない、というわけではないと思います。
防御率から防御率を引いてイニングを掛けた数字の次元は自責点ですから、
失点として解析に使用する際には、自責点を失点に変換する何らかの補正が必要というのが私の意見ですね。
(補正方法は「(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける」以外にも考えられるので、必ずしもこの方法を取る必要はないです)
問題は、なぜ次元が自責点と失点で異なるのにFIP+が一致するのかということですが、これは得点化係数が原因です。
両者の計算式において、奪三振・与四死球・被本塁打の得点化係数は同一の数値となっているからですね。
「1つの奪三振(or与四死球or被本塁打)が増やす(減らす)失点期待値」と
「1つの奪三振(or与四死球or被本塁打)が増やす(減らす)自責点期待値」を同一と見なしていることとこれは同義です。
厳密に言えばこの2つの数値は間違いなく一致しないと思われますが、
FIPの得点化係数はかなり丸め込まれた数値なので、誤差の範囲ということで同一の数値が使われているのかなあと思います。
最後に「どの方式で計算するのが最も適切か」という問題ですが、
失点率ベースのFIP+を計算したい場合、失点率ベースのFIPを初めから使うのが一番適切かなあと私は思います。
理由は、FIPの得点化係数は元々「失点」の次元で求められているものだと思われるからです。
防御率ベースのFIPでは、この数値を無理やり自責点に当てはめているので色々歪みが出ているように思います。
(あと自責点を失点に変換する補正が本当に適切か、という問題もあります)
FIPの得点化係数は「失点」の次元で求められているものだという根拠ですが、
こちらの記事(http://www.3-dbaseball.net/2009/10/evaluating-pitchers-with-fip-part-i.html)に書いてありますが、
得点化係数は得点期待値の研究が根拠となっているので、自責点ではなく失点の次元である可能性が高いのかなと判断しました。
おそらく防御率ベースのFIPが考案されたときには、防御率ベースの得点化係数は失点率ベースの得点化係数と一致する、
という仮定が置かれたのかなと推測します。(この仮定が厳密には正しくないので歪みが出るのかなと)
書きたいことを書いてしまったので疑問に答えられているかちょっとわかりませんが、そんなことを思いました。
この問題面白いですね。
実は私も4/22にコメントした段階では気付いていなかったのですが、確かにこの計算式だと、
ある選手(チーム)の防御率ベースFIPと失点率ベースFIPの差は、リーグ平均防御率とリーグ平均失点率の差に必ず一致するので、
ある選手(チーム)の防御率ベースFIPとリーグ平均防御率の差と、失点率ベースFIPとリーグ平均失点率の差も必ず一致しますね。
そのため「自責点ベースのFIP+」と「失点率ベースのFIP+」も必ず一致することになります。
ただ、一致するからと言って(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける必要はない、というわけではないと思います。
防御率から防御率を引いてイニングを掛けた数字の次元は自責点ですから、
失点として解析に使用する際には、自責点を失点に変換する何らかの補正が必要というのが私の意見ですね。
(補正方法は「(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける」以外にも考えられるので、必ずしもこの方法を取る必要はないです)
問題は、なぜ次元が自責点と失点で異なるのにFIP+が一致するのかということですが、これは得点化係数が原因です。
両者の計算式において、奪三振・与四死球・被本塁打の得点化係数は同一の数値となっているからですね。
「1つの奪三振(or与四死球or被本塁打)が増やす(減らす)失点期待値」と
「1つの奪三振(or与四死球or被本塁打)が増やす(減らす)自責点期待値」を同一と見なしていることとこれは同義です。
厳密に言えばこの2つの数値は間違いなく一致しないと思われますが、
FIPの得点化係数はかなり丸め込まれた数値なので、誤差の範囲ということで同一の数値が使われているのかなあと思います。
最後に「どの方式で計算するのが最も適切か」という問題ですが、
失点率ベースのFIP+を計算したい場合、失点率ベースのFIPを初めから使うのが一番適切かなあと私は思います。
理由は、FIPの得点化係数は元々「失点」の次元で求められているものだと思われるからです。
防御率ベースのFIPでは、この数値を無理やり自責点に当てはめているので色々歪みが出ているように思います。
(あと自責点を失点に変換する補正が本当に適切か、という問題もあります)
FIPの得点化係数は「失点」の次元で求められているものだという根拠ですが、
こちらの記事(http://www.3-dbaseball.net/2009/10/evaluating-pitchers-with-fip-part-i.html)に書いてありますが、
得点化係数は得点期待値の研究が根拠となっているので、自責点ではなく失点の次元である可能性が高いのかなと判断しました。
おそらく防御率ベースのFIPが考案されたときには、防御率ベースの得点化係数は失点率ベースの得点化係数と一致する、
という仮定が置かれたのかなと推測します。(この仮定が厳密には正しくないので歪みが出るのかなと)
書きたいことを書いてしまったので疑問に答えられているかちょっとわかりませんが、そんなことを思いました。
Re: Re: FIP+の計算式につきまして
無料でこんなにデータを閲覧できるだけでも非常にありがたいのに、こうして丁寧な回答まで頂けて本当に嬉しいです。
「平均との比較だから失点率ベースでも自責点ベースでも一致するのだろう」と漠然と思っていましたが、
係数が失点ベースだから一致してしまう、というのは全く考え付きませんでした。
教えて頂きありがとうございます。
FIPの係数が得点(=失点≠自責点)を基準にしているのだから、
FIPは本質的には「守備から独立した防御率」ではなく「守備から独立した失点率」ということですね。
とはいえ、選手個人の失点率を目にすることはほとんどないので(計算すれば簡単に出ますが)、
係数の多少の誤差には目をつぶって防御率を基準とした方が分かりやすいですね。
ところで、係数が失点ベースであるならば、失点率と防御率どちらを用いても、「FIP+」で求められた数字は「失点の次元」であり、
やはり、(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける必要はなく、そのままRPWで割ればFIPWINになる気がします…。
「失点の次元」で投手を評価するのは、投手の過小評価に繋がるとも考えられますが、
「自責点の次元」で評価しようとすれば、失点よりも少し数字が落ちる係数を用意しなくてはならず、
そもそも自責点は失策絡みで記録されるもので、FIP自体が「守備から独立」していますし、用意する意味もないと思っています。
wOBAで失策出塁が評価される(ゴロ打球が多いと敵失も多い)のと同様に、ゴロを多く打たせる投手は被安打や自責点の割に
失点(味方の失策)が多いと考えられ、結果的に得点化係数と一致するのであれば、妥当な評価と思います(投手を起用する側の目線に立てば)。
私自身も書きたいことを書いてしまっており、筋が通っているか分かりませんが、上記のように考えました。
「平均との比較だから失点率ベースでも自責点ベースでも一致するのだろう」と漠然と思っていましたが、
係数が失点ベースだから一致してしまう、というのは全く考え付きませんでした。
教えて頂きありがとうございます。
FIPの係数が得点(=失点≠自責点)を基準にしているのだから、
FIPは本質的には「守備から独立した防御率」ではなく「守備から独立した失点率」ということですね。
とはいえ、選手個人の失点率を目にすることはほとんどないので(計算すれば簡単に出ますが)、
係数の多少の誤差には目をつぶって防御率を基準とした方が分かりやすいですね。
ところで、係数が失点ベースであるならば、失点率と防御率どちらを用いても、「FIP+」で求められた数字は「失点の次元」であり、
やはり、(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける必要はなく、そのままRPWで割ればFIPWINになる気がします…。
「失点の次元」で投手を評価するのは、投手の過小評価に繋がるとも考えられますが、
「自責点の次元」で評価しようとすれば、失点よりも少し数字が落ちる係数を用意しなくてはならず、
そもそも自責点は失策絡みで記録されるもので、FIP自体が「守備から独立」していますし、用意する意味もないと思っています。
wOBAで失策出塁が評価される(ゴロ打球が多いと敵失も多い)のと同様に、ゴロを多く打たせる投手は被安打や自責点の割に
失点(味方の失策)が多いと考えられ、結果的に得点化係数と一致するのであれば、妥当な評価と思います(投手を起用する側の目線に立てば)。
私自身も書きたいことを書いてしまっており、筋が通っているか分かりませんが、上記のように考えました。
Re: Re: Re: FIP+の計算式につきまして
Dice-HRさん、コメントありがとうございます!
>無料でこんなにデータを閲覧できるだけでも非常にありがたいのに、こうして丁寧な回答まで頂けて本当に嬉しいです。
いえいえ。お役に立てましたら幸いです。
>ところで、係数が失点ベースであるならば、失点率と防御率どちらを用いても、「FIP+」で求められた数字は「失点の次元」であり、
>やはり、(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける必要はなく、そのままRPWで割ればFIPWINになる気がします…。
こちらですが、仰りたいことは分かります。
ただ、防御率ベースのFIPは「守備から独立した防御率」を表すという定義を考えると、
この指標の各得点化係数は失点ではなく、自責点の次元でなければ辻褄が合いません。
辻褄を合わせるためには、失点ベースの係数が自責点ベースの係数と一致するという仮定を置いて、
失点ベースの係数を自責点ベースの係数と「みなして」使う必要があります。
根拠は失点ベースかもしれませんが、自責点ベースとみなして使っている以上、
防御率ベースのFIPの次元は防御率になりますし、その差分に投球回を掛けたFIP+の次元は自責点になるという理屈ですね。
>「失点の次元」で投手を評価するのは、投手の過小評価に繋がるとも考えられますが、
>「自責点の次元」で評価しようとすれば、失点よりも少し数字が落ちる係数を用意しなくてはならず、
>そもそも自責点は失策絡みで記録されるもので、FIP自体が「守備から独立」していますし、用意する意味もないと思っています。
過小評価、過大評価というのは「実態よりも低く(高く)評価が見積もられている状態」を指すので、
要は「実態を評価する最も正確な方法は何か?」という問題になるかと思います。
こちらに関しては上のコメントでも書いていますが、失点率ベースのFIP+を計算したい場合、
失点率ベースのFIPを初めから使うのが一番適切だと私は考えています。
自責点ベースの評価は、個人的にはあまり意味のないものだと思っています。
理由は、上のコメントでも書いたのですが失点と比べると自責点は勝利との関係が不明瞭で解析上扱いづらいためですね。
野球で勝つために求められるのは「相手チームの自責点より自チームの自責点を少なくすること」ではなく、
「相手チームの失点より自チームの失点を少なくすること」ですから。
>無料でこんなにデータを閲覧できるだけでも非常にありがたいのに、こうして丁寧な回答まで頂けて本当に嬉しいです。
いえいえ。お役に立てましたら幸いです。
>ところで、係数が失点ベースであるならば、失点率と防御率どちらを用いても、「FIP+」で求められた数字は「失点の次元」であり、
>やはり、(リーグ総失点÷リーグ総自責点)を掛ける必要はなく、そのままRPWで割ればFIPWINになる気がします…。
こちらですが、仰りたいことは分かります。
ただ、防御率ベースのFIPは「守備から独立した防御率」を表すという定義を考えると、
この指標の各得点化係数は失点ではなく、自責点の次元でなければ辻褄が合いません。
辻褄を合わせるためには、失点ベースの係数が自責点ベースの係数と一致するという仮定を置いて、
失点ベースの係数を自責点ベースの係数と「みなして」使う必要があります。
根拠は失点ベースかもしれませんが、自責点ベースとみなして使っている以上、
防御率ベースのFIPの次元は防御率になりますし、その差分に投球回を掛けたFIP+の次元は自責点になるという理屈ですね。
>「失点の次元」で投手を評価するのは、投手の過小評価に繋がるとも考えられますが、
>「自責点の次元」で評価しようとすれば、失点よりも少し数字が落ちる係数を用意しなくてはならず、
>そもそも自責点は失策絡みで記録されるもので、FIP自体が「守備から独立」していますし、用意する意味もないと思っています。
過小評価、過大評価というのは「実態よりも低く(高く)評価が見積もられている状態」を指すので、
要は「実態を評価する最も正確な方法は何か?」という問題になるかと思います。
こちらに関しては上のコメントでも書いていますが、失点率ベースのFIP+を計算したい場合、
失点率ベースのFIPを初めから使うのが一番適切だと私は考えています。
自責点ベースの評価は、個人的にはあまり意味のないものだと思っています。
理由は、上のコメントでも書いたのですが失点と比べると自責点は勝利との関係が不明瞭で解析上扱いづらいためですね。
野球で勝つために求められるのは「相手チームの自責点より自チームの自責点を少なくすること」ではなく、
「相手チームの失点より自チームの失点を少なくすること」ですから。