2014年私的シルバースラッガー賞[パリーグ編]
- 2014/10/24
- 06:00
□はじめに
この記事ではRCWINを用いて「打撃貢献度の最も高かった選手」をポジション別に選出したいと思います。
□具体的な算出方法
セリーグと同様の方法で算出します。

2014年パリーグ打撃成績を先発守備位置割合に応じて分配し、守備位置別に集計して500打席あたりに直したものが上の表です。
この表の数字との比較を基軸としていきます。
+0.13勝/500打席 ソフトバンク(ヤフオクドーム)
+0.08勝/500打席 オリックス(京セラドーム大阪)
+0.07勝/500打席 日本ハム(札幌ドーム)
-0.01勝/500打席 楽天(koboスタ宮城)
-0.01勝/500打席 ロッテ(QVCマリン)
-0.25勝/500打席 西武(西武ドーム)
パリーグの球場補正の係数は以上の数値を使用します。
□表の見方

鈴木大地を例に挙げると、
「二塁手」として出場した打席で「平均的な控え二塁手」と比べて、打撃で「+1.2勝分」チームの勝利数を増やした
「遊撃手」として出場した打席で「平均的な控え遊撃手」と比べて、打撃で「+2.8勝分」チームの勝利数を増やした
「二塁手」として出場した打席で「平均的な 二塁手」と比べて、打撃で「+0.5勝分」チームの勝利数を増やした
「遊撃手」として出場した打席で「平均的な 遊撃手」と比べて、打撃で「+1.4勝分」チームの勝利数を増やした
ということを示しています。
ポジションの平均程度の成績で規定打席(446打席)を消化した場合、左の数値はおよそ「+1.5勝分」となります。
言い換えれば「平均的なレギュラー野手の1年分の打撃貢献」がおよそ「+1.5勝」であり、
鈴木大地の場合、平均的レギュラー二塁手の0.8年分、平均的レギュラー遊撃手の1.9年分の打撃貢献をした、と見ることができます。
合わせて平均的なレギュラー野手の2.7年分の打撃貢献を1年で積み上げたわけですから、相当優秀な成績と言えます。
□捕手

捕手は高出塁率を記録した嶋基宏が1位となります。伊藤光が僅差で2位。
森友哉はわずか92打席で3位に食い込みました。今後がとても楽しみな選手の一人です。
今季のパリーグ捕手平均OPSは5割台中盤まで落ち込み、歴史的人材難とも言える状況が依然として続いています。
□一塁手

一塁手は途中加入ながら本塁打王を獲得したメヒアが1位となります。
李大浩、銀次、中村晃は他守備位置に出場が分散。今季は一塁手を固定できているチームが少なかった印象です。
□二塁手

二塁手は故障による途中離脱がありましたが本多雄一が1位となります。三塁での出場も多かった浅村栄斗は僅差で2位。
本多は守備面を勘定に入れても当代のパリーグNo.1二塁手という評価で間違いないと思います。
今季のセリーグでは二塁手打力が劇的に向上しましたが、パリーグは据え置きとなりました。
□三塁手

三塁手は規定打席落ちながら松田宣浩が1位となります。
銀次は三塁での出場が全体の60%程度であるため、三塁に専念していたら1位だったと思われます。
昨季のパリーグは全球団の専任三塁手が規定打席に到達しましたが、今季の規定到達は今江敏晃、ヘルマンの二人だけでした。
□遊撃手

遊撃手はパリーグの専任遊撃手では唯一となるOPS7割台を記録した安達了一が1位となります。
鈴木大地は二遊間全体ではパで最大の打撃利得を生み出していますが
出場が割れてしまっているため、遊撃では2位、二塁では6位にとどまる結果に。
今季のパリーグは鈴木のように二塁、三塁、遊撃で流動的な起用をされる選手が多かったように感じます。
□左翼手

左翼手は高出塁率を記録した栗山巧が1位となります。中田翔は一塁とDHに出場が割れ惜しくも2位。
左翼で全体試合数の2/3(=96試合)以上先発出場した選手は栗山だけでした。
今季のパリーグ左翼手平均OPSは中堅右翼とあまり変わらない数値になっており、
左翼が打撃上位を多く占めた今季のセリーグとは対照的な結果となりました。
□中堅手

中堅手は今季大きく躍進した柳田悠岐が1位となります。2位の陽岱鋼も優秀な数値を記録。
柳田、陽、糸井の3人が中堅手平均打力を大きく引き上げているため、
右側の数字を見ていただくと分かると思いますが、平均比較で「+」を記録する中堅手が3人を除いてほぼ存在しない状況です。
□右翼手

右翼手は首位打者の糸井嘉男が1位となります。
前述した通り中堅での出場も一定数ありましたが、右翼だけでも2位の長谷川勇也と比べてダブルスコアに近い数値となっています。
□指名打者

DHは本塁打王の中村剛也が1位となります。前半に大活躍したペーニャは惜しくも2位。
DHは平均OPSが唯一8割台に乗っていますが、大谷翔平はその中でリーグ6位の貢献量を積み上げました。
セで投手をしていればDHではなく投手が比較対象となるため、他球団に対し莫大な打撃利得を積み重ねることは想像に難くありません。
近年では桑田真澄が通算で「平均的な投手と比較して6.4勝分の打撃利得」を積み上げましたが、
大谷翔平が投手として打席に立った場合はどこまで数字を伸ばしたのか、非常に興味深いところです。
□総評

当ブログの選出するシルバースラッガー賞は以上のようになりました。
昨年と見比べると、本多雄一、糸井嘉男が昨年に引き続き1位に輝きました。

出場した全ポジションでの打撃貢献合計値40傑です。
「2014年パリーグにおける打のMVP」は糸井嘉男となります。
守備重視ポジションを多く守っているためあまり目立ちませんが、鈴木大地、西川遥輝も素晴らしい活躍でした。
■セリーグはこちら→「2014年私的シルバースラッガー賞[セリーグ編]」
この記事ではRCWINを用いて「打撃貢献度の最も高かった選手」をポジション別に選出したいと思います。
□具体的な算出方法
セリーグと同様の方法で算出します。

2014年パリーグ打撃成績を先発守備位置割合に応じて分配し、守備位置別に集計して500打席あたりに直したものが上の表です。
この表の数字との比較を基軸としていきます。
+0.13勝/500打席 ソフトバンク(ヤフオクドーム)
+0.08勝/500打席 オリックス(京セラドーム大阪)
+0.07勝/500打席 日本ハム(札幌ドーム)
-0.01勝/500打席 楽天(koboスタ宮城)
-0.01勝/500打席 ロッテ(QVCマリン)
-0.25勝/500打席 西武(西武ドーム)
パリーグの球場補正の係数は以上の数値を使用します。
□表の見方

鈴木大地を例に挙げると、
「二塁手」として出場した打席で「平均的な控え二塁手」と比べて、打撃で「+1.2勝分」チームの勝利数を増やした
「遊撃手」として出場した打席で「平均的な控え遊撃手」と比べて、打撃で「+2.8勝分」チームの勝利数を増やした
「二塁手」として出場した打席で「平均的な 二塁手」と比べて、打撃で「+0.5勝分」チームの勝利数を増やした
「遊撃手」として出場した打席で「平均的な 遊撃手」と比べて、打撃で「+1.4勝分」チームの勝利数を増やした
ということを示しています。
ポジションの平均程度の成績で規定打席(446打席)を消化した場合、左の数値はおよそ「+1.5勝分」となります。
言い換えれば「平均的なレギュラー野手の1年分の打撃貢献」がおよそ「+1.5勝」であり、
鈴木大地の場合、平均的レギュラー二塁手の0.8年分、平均的レギュラー遊撃手の1.9年分の打撃貢献をした、と見ることができます。
合わせて平均的なレギュラー野手の2.7年分の打撃貢献を1年で積み上げたわけですから、相当優秀な成績と言えます。
□捕手

捕手は高出塁率を記録した嶋基宏が1位となります。伊藤光が僅差で2位。
森友哉はわずか92打席で3位に食い込みました。今後がとても楽しみな選手の一人です。
今季のパリーグ捕手平均OPSは5割台中盤まで落ち込み、歴史的人材難とも言える状況が依然として続いています。
□一塁手

一塁手は途中加入ながら本塁打王を獲得したメヒアが1位となります。
李大浩、銀次、中村晃は他守備位置に出場が分散。今季は一塁手を固定できているチームが少なかった印象です。
□二塁手

二塁手は故障による途中離脱がありましたが本多雄一が1位となります。三塁での出場も多かった浅村栄斗は僅差で2位。
本多は守備面を勘定に入れても当代のパリーグNo.1二塁手という評価で間違いないと思います。
今季のセリーグでは二塁手打力が劇的に向上しましたが、パリーグは据え置きとなりました。
□三塁手

三塁手は規定打席落ちながら松田宣浩が1位となります。
銀次は三塁での出場が全体の60%程度であるため、三塁に専念していたら1位だったと思われます。
昨季のパリーグは全球団の専任三塁手が規定打席に到達しましたが、今季の規定到達は今江敏晃、ヘルマンの二人だけでした。
□遊撃手

遊撃手はパリーグの専任遊撃手では唯一となるOPS7割台を記録した安達了一が1位となります。
鈴木大地は二遊間全体ではパで最大の打撃利得を生み出していますが
出場が割れてしまっているため、遊撃では2位、二塁では6位にとどまる結果に。
今季のパリーグは鈴木のように二塁、三塁、遊撃で流動的な起用をされる選手が多かったように感じます。
□左翼手

左翼手は高出塁率を記録した栗山巧が1位となります。中田翔は一塁とDHに出場が割れ惜しくも2位。
左翼で全体試合数の2/3(=96試合)以上先発出場した選手は栗山だけでした。
今季のパリーグ左翼手平均OPSは中堅右翼とあまり変わらない数値になっており、
左翼が打撃上位を多く占めた今季のセリーグとは対照的な結果となりました。
□中堅手

中堅手は今季大きく躍進した柳田悠岐が1位となります。2位の陽岱鋼も優秀な数値を記録。
柳田、陽、糸井の3人が中堅手平均打力を大きく引き上げているため、
右側の数字を見ていただくと分かると思いますが、平均比較で「+」を記録する中堅手が3人を除いてほぼ存在しない状況です。
□右翼手

右翼手は首位打者の糸井嘉男が1位となります。
前述した通り中堅での出場も一定数ありましたが、右翼だけでも2位の長谷川勇也と比べてダブルスコアに近い数値となっています。
□指名打者

DHは本塁打王の中村剛也が1位となります。前半に大活躍したペーニャは惜しくも2位。
DHは平均OPSが唯一8割台に乗っていますが、大谷翔平はその中でリーグ6位の貢献量を積み上げました。
セで投手をしていればDHではなく投手が比較対象となるため、他球団に対し莫大な打撃利得を積み重ねることは想像に難くありません。
近年では桑田真澄が通算で「平均的な投手と比較して6.4勝分の打撃利得」を積み上げましたが、
大谷翔平が投手として打席に立った場合はどこまで数字を伸ばしたのか、非常に興味深いところです。
□総評

当ブログの選出するシルバースラッガー賞は以上のようになりました。
昨年と見比べると、本多雄一、糸井嘉男が昨年に引き続き1位に輝きました。

出場した全ポジションでの打撃貢献合計値40傑です。
「2014年パリーグにおける打のMVP」は糸井嘉男となります。
守備重視ポジションを多く守っているためあまり目立ちませんが、鈴木大地、西川遥輝も素晴らしい活躍でした。
■セリーグはこちら→「2014年私的シルバースラッガー賞[セリーグ編]」