私的一塁手ランキング2014年版
- 2015/01/18
- 03:18
手元にあるデータを出来る限り活用して、NPB2014年シーズンの一塁手総合評価を試みます。
今回は「300打席以上を記録し、最も多く先発出場した守備位置が一塁である選手」を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
10位 フアン・ミランダ(日本ハム) 簡易WAR:-0.2
■総合評価
故障により長期離脱を余儀なくされたアブレイユの穴埋め役として期待されたものの、攻守ともに平均を下回る結果に。
シーズン後の2014年10月に自由契約となりました。
■攻撃評価

平均を大きく上回る長打力(IsoP)、平均をやや上回る奪四死球力を記録。
しかし三振率がリーグ平均を大きく下回り、BABIPの低さも手伝って打率が大きく低迷しました。
これが打撃貢献量が伸びなかった最大の原因と言えます。
■守備評価

補殺数は平均的な一塁手と比較して少なめという評価です。
9位 ホセ・ロペス(巨人) 簡易WAR:-0.0
■総合評価
昨季は年間通じて一塁に定着、打率3割を記録しゴールデングラブ賞も受賞する活躍も、今季は打撃面の凋落が目立ちました。
阿部の一塁コンバートにより2014年12月に自由契約、同月中にDeNAが獲得を発表しました。
■攻撃評価

長打力(IsoP)が少し伸びを見せたものの、優秀だった三振率が大幅に悪化。打率低下の一因となりました。
ただしBABIPも対リーグ平均で30%近く落ちており、来季は揺れ戻しが期待できるかもしれません。
■守備評価

奪補殺率は平均程度だった昨年と比較するとほとんど誤差の範囲でやや低下。
8位 キラ・カアイフエ(広島) 簡易WAR:+0.2
■総合評価
昨季はシーズン途中に入団し低打率ながら怒涛の活躍。
今季も活躍が期待されましたが、一塁手としてはやや物足りない打撃成績に終わりました。
エルドレッド、ロサリオと球団の野手外国人枠が逼迫している事情もあり、2014年12月に自由契約。
■攻撃評価

昨季と比較すると長打力(IsoP)だけが大幅に低下。
ここは運によるブレの少ない部門だけに、自由契約の大きな要因になったと考えられます。
■守備評価

RRF補殺数評価ではセリーグの一塁手で最も大きなマイナスを出しています。
7位 トニ・ブランコ(DeNA) 簡易WAR:+0.9
■総合評価
打撃3部門タイトル全ての獲得経験を持つ大打者ですが、今季は一塁手平均程度の打力にとどまりました。
高田GMに故障による稼働率の低さを指摘され2014年12月に自由契約。同月にオリックスが獲得発表。
■攻撃評価

2014年は初めて奪四死球率がリーグ平均を下回り、長打力(IsoP)も来日以降でワーストの数値が出ています。
BABIP傑出は首位打者を獲得した2013年に次いでキャリア2番目の値だったため、
上記2部門の成績が改善しなかった場合、更に成績を落とす可能性が高いと言えます。
■守備評価

補殺数はやや平均を下回っています。
6位 畠山和洋(ヤクルト) 簡易WAR:+1.5
■総合評価
不調だった昨季から打率を1割上げ、セ最多得点を誇るヤクルト打線の中核を担いました。
本拠地が有数のバッターズパーク神宮であることを考慮すると打力は一塁手平均程度、総合貢献も平均程度に留まるという評価です。
■攻撃評価

三振率が大幅に改善、BABIP傑出もキャリア2番目の数値が出ており、打率傑出度はキャリアハイを記録。
一方で近年では四死球と長打のセカンダリ低下が目立ちます。打率の割にRCAAが伸びていないのはここに起因していると思われます。
■守備評価

補殺数は一塁手としてはほぼ平均的でした。
5位 井口資仁(ロッテ) 簡易WAR:+1.6
■総合評価
2014年は一塁手として迎える2年目のシーズンとなりました。
打撃成績は大きく低迷したものの、守備の方は元二塁手の軽快なフットワークが今も健在であることを伺わせています。
■攻撃評価

2014年シーズンはBABIP傑出が帰国後最低値となりました。
この要因は年齢を考えると運の偏りではなく衰えの方が大きいかもしれません。
近年の奪四死球率の緩やかな低下も気になるところです。
■守備評価

平均を大きく上回る補殺数を記録しています。
4位 マウロ・ゴメス(阪神) 簡易WAR:+2.8
■総合評価
開幕前の酷評の嵐を物ともせず、阪神の助っ人外国人としてはバース以来となる打点王を獲得。
ピッチャーズパーク甲子園を本拠地としながら一塁手平均を大きく上回る打撃成績を記録しています。
■攻撃評価

奪四死球力、長打力(IsoP)が共にリーグ平均を大きく上回る一方で、三振率がリーグ平均を大きく下回っています。
右打ちで内野安打を稼ぐタイプの打者ではなく、その割にはBABIPがかなり高い値となっており、
三振率の改善がない限り、来季は低打率に沈む可能性が高いと言えるかもしれません。
■守備評価

補殺数は平均をやや下回っています。
3位 森野将彦(中日) 簡易WAR:+3.2
■総合評価
当ブログの選出するセリーグ私的ベストナイン一塁手となります。
今季は二塁から一塁へコンバートされ、華麗な守備を見せました。打撃も一塁手としては標準以上のものを持っています。
■攻撃評価

2014年はBB/Kの傑出度でキャリア最高の値が出ていますが、全盛期と比較すると長打力(IsoP)の低下がやや目立ちます。
■守備評価

セリーグ最多の一塁補殺を記録。一塁守備得点もトップとなっています。
2位 T-岡田(オリックス) 簡易WAR:+3.5
■総合評価
2012年までは左翼の出場が主でしたが、2014年にオリックスのレギュラー一塁手に定着。
攻守ともに一塁手平均を上回る、リーグを代表する一塁手に成長しました。
■攻撃評価

本塁打王を獲得した2010年に次ぐキャリア2番目の長打力(IsoP)を記録。
奪四死球率も3年ぶりにリーグ平均を上回るなど、好調なシーズンであったことが伺えます。
平均を上回った事のない三振率も年々改善傾向にあります。
■守備評価

パリーグ一塁最高値となる守備得点を記録しています。
1位 エルネスト・メヒア(西武) 簡易WAR:+4.4
■総合評価
当ブログの選出するパリーグ私的ベストナイン一塁手となります。
4月に西武へ途中入団し5月に初出場、僅か106試合の出場で本塁打王を獲得。
他球団が打撃の良い一塁手の確保に苦しむ中、メヒアだけが飛び抜けた打撃貢献を記録しました。
■攻撃評価

ぶっちぎりの長打力(IsoP)に極端に悪い三振率、異常に高いBABIPと阪神のゴメスをさらに先鋭化させたような成績になっています。
打者タイプ的には近鉄のブライアントにかなり近く、彼と同じく来季の打率は低くなる可能性が高いように思います。
※ブライアント
■守備評価

一塁手標準を上回る補殺数を記録しています。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点はRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」「外野手」
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度
今回は「300打席以上を記録し、最も多く先発出場した守備位置が一塁である選手」を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
10位 フアン・ミランダ(日本ハム) 簡易WAR:-0.2
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.227 | 14 | 57 | 0 | -1 | +1 | -8 | -7 | -15 | -0.2 |
シーズン後の2014年10月に自由契約となりました。
■攻撃評価

平均を大きく上回る長打力(IsoP)、平均をやや上回る奪四死球力を記録。
しかし三振率がリーグ平均を大きく下回り、BABIPの低さも手伝って打率が大きく低迷しました。
これが打撃貢献量が伸びなかった最大の原因と言えます。
■守備評価

補殺数は平均的な一塁手と比較して少なめという評価です。
9位 ホセ・ロペス(巨人) 簡易WAR:-0.0
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.243 | 22 | 57 | 1 | -3 | +1 | -7 | -4 | -13 | -0.0 |
阿部の一塁コンバートにより2014年12月に自由契約、同月中にDeNAが獲得を発表しました。
■攻撃評価

長打力(IsoP)が少し伸びを見せたものの、優秀だった三振率が大幅に悪化。打率低下の一因となりました。
ただしBABIPも対リーグ平均で30%近く落ちており、来季は揺れ戻しが期待できるかもしれません。
■守備評価

奪補殺率は平均程度だった昨年と比較するとほとんど誤差の範囲でやや低下。
8位 キラ・カアイフエ(広島) 簡易WAR:+0.2
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.257 | 11 | 40 | 0 | +4 | +0 | -6 | -8 | -9 | +0.2 |
今季も活躍が期待されましたが、一塁手としてはやや物足りない打撃成績に終わりました。
エルドレッド、ロサリオと球団の野手外国人枠が逼迫している事情もあり、2014年12月に自由契約。
■攻撃評価

昨季と比較すると長打力(IsoP)だけが大幅に低下。
ここは運によるブレの少ない部門だけに、自由契約の大きな要因になったと考えられます。
■守備評価

RRF補殺数評価ではセリーグの一塁手で最も大きなマイナスを出しています。
7位 トニ・ブランコ(DeNA) 簡易WAR:+0.9
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.283 | 17 | 60 | 0 | +8 | -2 | -6 | -3 | -2 | +0.9 |
高田GMに故障による稼働率の低さを指摘され2014年12月に自由契約。同月にオリックスが獲得発表。
■攻撃評価

2014年は初めて奪四死球率がリーグ平均を下回り、長打力(IsoP)も来日以降でワーストの数値が出ています。
BABIP傑出は首位打者を獲得した2013年に次いでキャリア2番目の値だったため、
上記2部門の成績が改善しなかった場合、更に成績を落とす可能性が高いと言えます。
■守備評価

補殺数はやや平均を下回っています。
6位 畠山和洋(ヤクルト) 簡易WAR:+1.5
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.310 | 17 | 79 | 2 | +13 | -4 | -8 | -2 | -1 | +1.5 |
本拠地が有数のバッターズパーク神宮であることを考慮すると打力は一塁手平均程度、総合貢献も平均程度に留まるという評価です。
■攻撃評価

三振率が大幅に改善、BABIP傑出もキャリア2番目の数値が出ており、打率傑出度はキャリアハイを記録。
一方で近年では四死球と長打のセカンダリ低下が目立ちます。打率の割にRCAAが伸びていないのはここに起因していると思われます。
■守備評価

補殺数は一塁手としてはほぼ平均的でした。
5位 井口資仁(ロッテ) 簡易WAR:+1.6
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.238 | 10 | 49 | 1 | +1 | -0 | -7 | +9 | +3 | +1.6 |
打撃成績は大きく低迷したものの、守備の方は元二塁手の軽快なフットワークが今も健在であることを伺わせています。
■攻撃評価

2014年シーズンはBABIP傑出が帰国後最低値となりました。
この要因は年齢を考えると運の偏りではなく衰えの方が大きいかもしれません。
近年の奪四死球率の緩やかな低下も気になるところです。
■守備評価

平均を大きく上回る補殺数を記録しています。
4位 マウロ・ゴメス(阪神) 簡易WAR:+2.8
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.283 | 26 | 109 | 1 | +19 | +4 | -10 | -5 | +7 | +2.8 |
ピッチャーズパーク甲子園を本拠地としながら一塁手平均を大きく上回る打撃成績を記録しています。
■攻撃評価

奪四死球力、長打力(IsoP)が共にリーグ平均を大きく上回る一方で、三振率がリーグ平均を大きく下回っています。
右打ちで内野安打を稼ぐタイプの打者ではなく、その割にはBABIPがかなり高い値となっており、
三振率の改善がない限り、来季は低打率に沈む可能性が高いと言えるかもしれません。
■守備評価

補殺数は平均をやや下回っています。
3位 森野将彦(中日) 簡易WAR:+3.2
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.288 | 13 | 86 | 3 | +9 | +4 | -10 | +9 | +12 | +3.2 |
今季は二塁から一塁へコンバートされ、華麗な守備を見せました。打撃も一塁手としては標準以上のものを持っています。
■攻撃評価

2014年はBB/Kの傑出度でキャリア最高の値が出ていますが、全盛期と比較すると長打力(IsoP)の低下がやや目立ちます。
■守備評価

セリーグ最多の一塁補殺を記録。一塁守備得点もトップとなっています。
2位 T-岡田(オリックス) 簡易WAR:+3.5
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.269 | 24 | 75 | 4 | +16 | +1 | -8 | +8 | +17 | +3.5 |
攻守ともに一塁手平均を上回る、リーグを代表する一塁手に成長しました。
■攻撃評価

本塁打王を獲得した2010年に次ぐキャリア2番目の長打力(IsoP)を記録。
奪四死球率も3年ぶりにリーグ平均を上回るなど、好調なシーズンであったことが伺えます。
平均を上回った事のない三振率も年々改善傾向にあります。
■守備評価

パリーグ一塁最高値となる守備得点を記録しています。
1位 エルネスト・メヒア(西武) 簡易WAR:+4.4
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.290 | 34 | 73 | 2 | +32 | -2 | -7 | +5 | +27 | +4.4 |
4月に西武へ途中入団し5月に初出場、僅か106試合の出場で本塁打王を獲得。
他球団が打撃の良い一塁手の確保に苦しむ中、メヒアだけが飛び抜けた打撃貢献を記録しました。
■攻撃評価

ぶっちぎりの長打力(IsoP)に極端に悪い三振率、異常に高いBABIPと阪神のゴメスをさらに先鋭化させたような成績になっています。
打者タイプ的には近鉄のブライアントにかなり近く、彼と同じく来季の打率は低くなる可能性が高いように思います。
※ブライアント

■守備評価

一塁手標準を上回る補殺数を記録しています。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点はRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」「外野手」
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度