私的二塁手ランキング2014年版
- 2015/01/18
- 20:53
手元にあるデータをできる限り活用して、NPB2014年シーズンの二塁手総合評価を試みます。
今回は「300打席以上を記録し、最も多く先発出場した守備位置が二塁である選手」を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
13位 藤田一也(楽天) 簡易WAR:-0.3
■総合評価
楽天のレギュラー二塁手として迎える2年目のシーズンとなりました。
チームの初優勝に大きく貢献した昨季と比べて、攻守共に数字を落としました。
特に打撃は二塁手であることを考慮しても少し物足りない成績となっています。
■攻撃評価

三振率、BABIPと打率に関連する部門は昨季からほぼ据え置きとなっているものの、
奪四死球率は楽天移籍後でワーストの数値が出ています。長打力(IsoP)の低下もやや見られました。
■守備評価

刺殺数は二塁手平均を上回りますが、補殺数は二塁手平均を下回っています。
12位 石川雄洋(DeNA) 簡易WAR:-0.3
■総合評価
二塁手として迎える3年目のシーズンでしたが、今季は同ポジションにグリエルが加入し外野を守る機会も増えました。
■攻撃評価
打撃内容は近年改善傾向にあり、特に長打力(IsoP)は自己最多の7HRが効いてキャリアハイの数値が出ています。
一方でBABIP傑出はレギュラー定着後最低の数値となったため、来季は揺れ戻しが期待できるように感じます。
■守備評価
二塁守備はほぼ平均程度で、中堅でややマイナスを出しています。
小さい推計出場率帯の選手は守備イニング推定の誤差が大きいと思われるため、外野守備の数値は参考程度に。
11位 荒木雅博(中日) 簡易WAR:+0.1
■総合評価
大ベテランの域に入りつつある名二塁手です。通算1837安打は二塁手として歴代4位の記録。
今季は二塁平均以上の打撃成績を記録したものの、守備評価があまり奮いませんでした。
■攻撃評価

2014年は18年目のシーズンにして初めて奪四死球率がリーグ平均を上回りました。
三振率はやや悪かったものの長打力(IsoP)も全盛期からあまり落ちておらず、打撃に関しては衰えがまだ見られません。
■守備評価

RRF補殺守備得点はキャリアワーストの数値となりましたが、刺殺数はリーグ平均を大きく上回っています。
10位 西川遥輝(日本ハム) 簡易WAR:+0.8
■総合評価
前半戦は二塁手、後半戦は右翼手を中心に遊撃と三塁以外の全てのポジションを守る活躍を見せました。
守備位置補正は二塁を守る他の選手と比べて低めとなりますが、それを考慮しても非常に高い攻撃力を持っています。
■攻撃評価
リーグ平均を上回る奪四死球力、長打力(IsoP)を見せており、俊足の左打者らしく適性BABIPもかなり高いようです。
更なる打撃向上を目指す場合、三振率の改善が大きな課題になると思われます。
■守備評価
今回の算定では出場した全ポジションでマイナスを記録。使いどころの難しい選手と言えるかもしれません。
9位 平野恵一(オリックス) 簡易WAR:+1.2
■総合評価
今季は古巣帰りして2年目のシーズンとなりましたが、打撃、守備ともに二塁平均を維持する堅実な活躍を見せました。
■攻撃評価
2014年は三振率傑出がレギュラー定着後ではキャリアハイを記録。
他の項目もキャリア平均以上を保っており、対昨季比で打撃が落ちたのはBABIPの影響が大きいように感じます。
■守備評価
二塁補殺数はほぼ平均程度となっています。
外野守備については石川、西川と同じ理由でイニング推定の精度がかなり怪しいため参考程度に。
8位 ルイス・クルーズ(ロッテ) 簡易WAR:+1.3
■総合評価
2013年オフにロッテに入団し、2014年は二塁三塁遊撃の内野3ポジションを守る活躍。
打撃ではチーム最多の16HRを放ったものの低打率が響き、総体的な打撃成績は二塁平均にとどまります。
■攻撃評価
奪四死球力はリーグ平均を大きく下回る一方、非常に優秀な三振率を記録しています。
またBABIPが異常に低い値を記録しており、来季は揺れ戻しでの打率上昇がかなりの確率で期待できると言えそうです。
■守備評価

メインで出場した二塁、遊撃共に補殺数は平均を下回っています。
7位 中島卓也(日本ハム) 簡易WAR:+2.3
■総合評価
2014年は中盤に西川遥輝に代わり日本ハムの二塁手に定着。大きく躍進したシーズンとなりました。
二塁平均程度の打力を保持する一方で優秀な二塁守備貢献を記録しています。
■攻撃評価
2014年はBABIPが大きく向上し、RCAAの底上げに大きく貢献しました。
これが適正か運の偏りかを判断するためには、もう少し成績の経過を見る必要がありそうです。
■守備評価
パリーグの二塁手としては補殺守備得点最高値を記録しています。
6位 片岡治大(巨人) 簡易WAR:+2.5
■総合評価
10年近く二塁手を固定できていない巨人のチーム事情から、大きな期待を受けてのFA移籍となりました。
打撃は期待を応えたとは言い難い結果になったものの、大きな守備貢献を作り出しリーグ優勝に貢献したと言えます。
■攻撃評価
元々BABIPの揺らぎがかなり大きい選手であり、今年は外れ年だったことが伺えます。
他の部門(三振率、奪四死球率、長打力(IsoP))はキャリア平均と比較してもそこまで悪い値ではなく、
来季はある程度の揺れ戻しが期待できると思います。
■守備評価
二塁平均を大きく上回る補殺数を記録しました。
5位 浅村栄斗(西武) 簡易WAR:+3.0
■総合評価
昨季は一塁で大きな利得を積み上げましたが、今季は片岡の移籍を受けて二塁へコンバート。
打撃面は昨季から大きく落としたものの、それでも二塁平均比較では大きなプラスを記録しています。
補殺数も標準以上という評価となりました。
■攻撃評価

故障の影響か昨季と比較して三振率、長打力(IsoP)が大きく低下しており、やや心配な傾向が見えます。
■守備評価

メインポジションの二塁で平均以上の補殺数を獲得しています。
4位 本多雄一(ソフトバンク) 簡易WAR:+3.9
■総合評価
当ブログの選出するパリーグ私的ベストナイン二塁手となります。
今季は死球骨折による長期離脱で100試合未満の出場に留まりましたが、攻守で莫大な利得を生み出しました。
■攻撃評価

2014年は三振率傑出がキャリアハイを記録。他の項目を見ても好調なシーズンであったことが伺えます。
■守備評価

日本ハムの中島卓也と並んで、パリーグの二塁補殺守備得点最高値を記録しています。
3位 上本博紀(阪神) 簡易WAR:+4.1
■総合評価
2014年は阪神のレギュラー二塁手に完全定着。高い出塁率を維持し打線の中軸を担いました。
ピッチャーズパーク甲子園を本拠地に二塁平均を大きく上回る打撃成績を記録しています。
■攻撃評価

持ち前のパンチ力は鳴りを潜めたものの、三振率の大幅な改善が打率の向上につながりました。
奪四死球力は相変わらずの高水準を維持しています。
■守備評価

世評やUZRの結果に反して、補殺数評価では標準以上の守備という評価が出ています。
2位 山田哲人(ヤクルト) 簡易WAR:+6.9
■総合評価
2014年は田中賢介に並び二塁手歴代最多タイとなるシーズン193安打を記録。
シーズン29HRは小久保裕紀、岡田彰布、落合博満、井口資仁に次ぐ日本人二塁手歴代5位と記録づくめの1年となりました。
NPBの歴史全体を見てもかなり希少な超攻撃型二塁手と言えます。
■攻撃評価

俊足であることから元々の適性BABIPが高いタイプであると考えられ、
今季の大幅な打率上昇についてはBABIPの偏りよりHRの増加が効いているように感じます。
HRに関してはやや出来過ぎという印象もありますが、打率は来季も3割に乗せる可能性は高いように思います。
■守備評価

補殺数による守備評価はほぼ標準程度、という結果になっています。
1位 菊池涼介(広島) 簡易WAR:+7.0
■総合評価
打撃は二塁手歴代4位となるシーズン188安打を記録、
守備はシーズン補殺数記録更新と攻守にわたり記録に名を残した1年となりました。
日本代表クラスの二塁手が同時に二人も生まれて驚くばかりです。
■攻撃評価
2014年は三振率が大幅に改善。高BABIPも重なり高打率を記録しました。
BABIP傑出がキャリア平均とおよそ3分ほど乖離しており、来季は揺れ戻しで打率が落ちる可能性が高いと言えます。
■守備評価
セリーグの二塁補殺守備得点では最高値を記録しています。
「菊池が高い補殺数を記録するのは広島に右のゴロピッチャーが多いため」という話はよく耳にします。
広島の守備成績にもそのような傾向が実際に明確に表れており、
RRFの式にもそれに対する補正が組み込まれていますが、その上でこの結果となっています。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点はRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」「外野手」
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度
今回は「300打席以上を記録し、最も多く先発出場した守備位置が二塁である選手」を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
13位 藤田一也(楽天) 簡易WAR:-0.3
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.269 | 2 | 36 | 3 | -20 | -0 | +7 | -9 | -21 | -0.3 |
チームの初優勝に大きく貢献した昨季と比べて、攻守共に数字を落としました。
特に打撃は二塁手であることを考慮しても少し物足りない成績となっています。
■攻撃評価

三振率、BABIPと打率に関連する部門は昨季からほぼ据え置きとなっているものの、
奪四死球率は楽天移籍後でワーストの数値が出ています。長打力(IsoP)の低下もやや見られました。
■守備評価

刺殺数は二塁手平均を上回りますが、補殺数は二塁手平均を下回っています。
12位 石川雄洋(DeNA) 簡易WAR:-0.3
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.248 | 7 | 36 | 9 | -14 | -4 | +5 | -8 | -20 | -0.3 |
■攻撃評価

打撃内容は近年改善傾向にあり、特に長打力(IsoP)は自己最多の7HRが効いてキャリアハイの数値が出ています。
一方でBABIP傑出はレギュラー定着後最低の数値となったため、来季は揺れ戻しが期待できるように感じます。
■守備評価

二塁守備はほぼ平均程度で、中堅でややマイナスを出しています。
小さい推計出場率帯の選手は守備イニング推定の誤差が大きいと思われるため、外野守備の数値は参考程度に。
11位 荒木雅博(中日) 簡易WAR:+0.1
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.268 | 1 | 21 | 17 | -7 | +3 | +6 | -17 | -15 | +0.1 |
今季は二塁平均以上の打撃成績を記録したものの、守備評価があまり奮いませんでした。
■攻撃評価

2014年は18年目のシーズンにして初めて奪四死球率がリーグ平均を上回りました。
三振率はやや悪かったものの長打力(IsoP)も全盛期からあまり落ちておらず、打撃に関しては衰えがまだ見られません。
■守備評価

RRF補殺守備得点はキャリアワーストの数値となりましたが、刺殺数はリーグ平均を大きく上回っています。
10位 西川遥輝(日本ハム) 簡易WAR:+0.8
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.265 | 8 | 57 | 43 | +12 | +1 | -0 | -24 | -12 | +0.8 |
守備位置補正は二塁を守る他の選手と比べて低めとなりますが、それを考慮しても非常に高い攻撃力を持っています。
■攻撃評価

リーグ平均を上回る奪四死球力、長打力(IsoP)を見せており、俊足の左打者らしく適性BABIPもかなり高いようです。
更なる打撃向上を目指す場合、三振率の改善が大きな課題になると思われます。
■守備評価

今回の算定では出場した全ポジションでマイナスを記録。使いどころの難しい選手と言えるかもしれません。
9位 平野恵一(オリックス) 簡易WAR:+1.2
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.268 | 1 | 28 | 5 | -8 | +1 | +5 | -3 | -5 | +1.2 |
■攻撃評価

2014年は三振率傑出がレギュラー定着後ではキャリアハイを記録。
他の項目もキャリア平均以上を保っており、対昨季比で打撃が落ちたのはBABIPの影響が大きいように感じます。
■守備評価

二塁補殺数はほぼ平均程度となっています。
外野守備については石川、西川と同じ理由でイニング推定の精度がかなり怪しいため参考程度に。
8位 ルイス・クルーズ(ロッテ) 簡易WAR:+1.3
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.238 | 16 | 61 | 1 | -6 | -0 | +4 | -0 | -3 | +1.3 |
打撃ではチーム最多の16HRを放ったものの低打率が響き、総体的な打撃成績は二塁平均にとどまります。
■攻撃評価

奪四死球力はリーグ平均を大きく下回る一方、非常に優秀な三振率を記録しています。
またBABIPが異常に低い値を記録しており、来季は揺れ戻しでの打率上昇がかなりの確率で期待できると言えそうです。
■守備評価

メインで出場した二塁、遊撃共に補殺数は平均を下回っています。
7位 中島卓也(日本ハム) 簡易WAR:+2.3
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.259 | 0 | 32 | 28 | -7 | +1 | +5 | +10 | +8 | +2.3 |
二塁平均程度の打力を保持する一方で優秀な二塁守備貢献を記録しています。
■攻撃評価

2014年はBABIPが大きく向上し、RCAAの底上げに大きく貢献しました。
これが適正か運の偏りかを判断するためには、もう少し成績の経過を見る必要がありそうです。
■守備評価

パリーグの二塁手としては補殺守備得点最高値を記録しています。
6位 片岡治大(巨人) 簡易WAR:+2.5
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.252 | 6 | 32 | 24 | -14 | +1 | +6 | +16 | +9 | +2.5 |
打撃は期待を応えたとは言い難い結果になったものの、大きな守備貢献を作り出しリーグ優勝に貢献したと言えます。
■攻撃評価

元々BABIPの揺らぎがかなり大きい選手であり、今年は外れ年だったことが伺えます。
他の部門(三振率、奪四死球率、長打力(IsoP))はキャリア平均と比較してもそこまで悪い値ではなく、
来季はある程度の揺れ戻しが期待できると思います。
■守備評価

二塁平均を大きく上回る補殺数を記録しました。
5位 浅村栄斗(西武) 簡易WAR:+3.0
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.273 | 14 | 55 | 3 | +7 | -2 | +3 | +4 | +12 | +3.0 |
打撃面は昨季から大きく落としたものの、それでも二塁平均比較では大きなプラスを記録しています。
補殺数も標準以上という評価となりました。
■攻撃評価

故障の影響か昨季と比較して三振率、長打力(IsoP)が大きく低下しており、やや心配な傾向が見えます。
■守備評価

メインポジションの二塁で平均以上の補殺数を獲得しています。
4位 本多雄一(ソフトバンク) 簡易WAR:+3.9
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.291 | 0 | 21 | 23 | +2 | +1 | +5 | +16 | +24 | +3.9 |
今季は死球骨折による長期離脱で100試合未満の出場に留まりましたが、攻守で莫大な利得を生み出しました。
■攻撃評価

2014年は三振率傑出がキャリアハイを記録。他の項目を見ても好調なシーズンであったことが伺えます。
■守備評価

日本ハムの中島卓也と並んで、パリーグの二塁補殺守備得点最高値を記録しています。
3位 上本博紀(阪神) 簡易WAR:+4.1
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.276 | 7 | 38 | 20 | +6 | +4 | +8 | +4 | +21 | +4.1 |
ピッチャーズパーク甲子園を本拠地に二塁平均を大きく上回る打撃成績を記録しています。
■攻撃評価

持ち前のパンチ力は鳴りを潜めたものの、三振率の大幅な改善が打率の向上につながりました。
奪四死球力は相変わらずの高水準を維持しています。
■守備評価

世評やUZRの結果に反して、補殺数評価では標準以上の守備という評価が出ています。
2位 山田哲人(ヤクルト) 簡易WAR:+6.9
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.324 | 29 | 89 | 15 | +44 | -5 | +9 | -2 | +45 | +6.9 |
シーズン29HRは小久保裕紀、岡田彰布、落合博満、井口資仁に次ぐ日本人二塁手歴代5位と記録づくめの1年となりました。
NPBの歴史全体を見てもかなり希少な超攻撃型二塁手と言えます。
■攻撃評価

俊足であることから元々の適性BABIPが高いタイプであると考えられ、
今季の大幅な打率上昇についてはBABIPの偏りよりHRの増加が効いているように感じます。
HRに関してはやや出来過ぎという印象もありますが、打率は来季も3割に乗せる可能性は高いように思います。
■守備評価

補殺数による守備評価はほぼ標準程度、という結果になっています。
1位 菊池涼介(広島) 簡易WAR:+7.0
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.325 | 11 | 58 | 23 | +13 | +0 | +8 | +25 | +47 | +7.0 |
守備はシーズン補殺数記録更新と攻守にわたり記録に名を残した1年となりました。
日本代表クラスの二塁手が同時に二人も生まれて驚くばかりです。
■攻撃評価

2014年は三振率が大幅に改善。高BABIPも重なり高打率を記録しました。
BABIP傑出がキャリア平均とおよそ3分ほど乖離しており、来季は揺れ戻しで打率が落ちる可能性が高いと言えます。
■守備評価

セリーグの二塁補殺守備得点では最高値を記録しています。
「菊池が高い補殺数を記録するのは広島に右のゴロピッチャーが多いため」という話はよく耳にします。
広島の守備成績にもそのような傾向が実際に明確に表れており、
RRFの式にもそれに対する補正が組み込まれていますが、その上でこの結果となっています。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点はRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」「外野手」
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度