私的三塁手ランキング2014年版
- 2015/01/22
- 00:22
手元にあるデータを出来る限り活用して、NPB2014年シーズンの三塁手総合評価を試みます。
今回は「300打席以上を記録し、最も多く先発出場した守備位置が三塁である選手」と、
僅かにこの規定には届きませんが良い成績を残している小谷野栄一と近藤健介を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
12位 今江敏晃(ロッテ) 簡易WAR:-0.9
■総合評価
三塁手レギュラーに定着し10年目のシーズンとなりました。
打撃は三塁手としてほぼ標準的ながら守備指標が大きく沈み、総合貢献は物足りない数字となっています。
■攻撃評価

数年おきに爆発的に高いBABIPを記録するという妙な推移を見せていますが、今年は外れ年だったようです。
BABIP以外の項目(三振率,奪四死球率,長打力(IsoP))の傑出は例年通りでした。
■守備評価

RRF補殺守備得点はパ三塁でワーストの値となっています。
元々高い守備力を持っている選手であり、今年に限っては外れ値が出た印象も否めません。
11位 村田修一(巨人) 簡易WAR:-0.2
■総合評価
FA移籍後3年目のシーズンとなりました。
チーム2位の21HRを記録したものの低打率と併殺打の多さが響き、三塁手としては物足りない打撃貢献にとどまりました。
■攻撃評価

チーム方針に依るものかもしれませんが、移籍後は三振率が改善した代わりに長打力(IsoP)の低下が見て取れます。
初めて規定打席に到達した2005年以降に絞ると、2014年はBABIP傑出がワーストの値となっており
来季は揺れ戻しでの打率上昇が期待できそうです。
■守備評価

三塁でやや大きなマイナスを計上しています。
今季はセパ共に三塁で若手の台頭が目立ったからか、中堅-ベテランのレギュラー選手は辛めの数値が出ています。
10位 エステバン・ヘルマン(オリックス) 簡易WAR:-0.2
■総合評価
来日3年目、西武からオリックスに所属球団を移して迎えるシーズンとなりました。
過去2年と比較すると打撃面で大きく苦しみ、三塁平均を大きく下回る貢献となっています。
■攻撃評価
BABIPと奪四死球率傑出が大きく低下し、出塁率低迷の要因となりました。
前者については運の偏りだけでなく、年齢的な衰えも大きいように感じます。
■守備評価
パリーグ三塁平均をやや下回る補殺数を記録しています。
9位 アーロム・バルディリス(DeNA) 簡易WAR:+0.0
■総合評価
ヘルマンと入れ替わりでオリックスからDeNAへ移籍。
中村紀洋の後任として期待されましたが、打撃不振で期待に応えたとは言い難い結果になりました。
チームがグリエルと契約延長した為、来季は一塁での起用が増える見込みとなっています。
■攻撃評価

BABIP傑出がレギュラー定着後ではキャリアワーストの値となりました。
他の項目はキャリア平均と比べても特別低い値が出ているわけではなく、
来季は揺れ戻しによる打撃向上が期待できると思われます。
■守備評価

三塁補殺数は標準を大きく下回っています。
8位 松井稼頭央(楽天) 簡易WAR:+0.1
■総合評価
今季は本来のポジションである遊撃手を離れ、三塁手、左翼手を多く守ったシーズンとなりました。
打撃面では帰国後で最も充実したシーズンだったと言えるかもしれません。
■攻撃評価

RCAAの向上はBABIP傑出の上昇に起因しているようで、他の項目はキャリア標準程度にとどまっています。
来季は揺れ戻しで打率が下降する可能性が考えられます。
■守備評価

サンプル数が少なすぎるため守備能力として見るには参考程度ですが、遊撃で大きなマイナスを記録しています。
7位 今成亮太(阪神) 簡易WAR:+0.5
■総合評価
2014年は本格的に三塁手にコンバートされ、出場試合数はキャリアハイを記録。
三塁守備指標でかなり良い値が出ており、新井貴浩がチームから抜ける来季は更なる活躍が期待されます。
■攻撃評価

2014年は三振率が大きく改善した一方で、BABIP傑出はキャリア平均と比較して低い値を取りました。
■守備評価

三塁で平均を上回る補殺数を獲得しています。
6位 川端慎吾(ヤクルト) 簡易WAR:+1.5
■総合評価
2014年は宮本慎也の後任として三塁手レギュラーに完全定着。
セカンダリ部門がやや物足りないため、打率に対して打撃貢献は伸びておらず三塁手標準程度にとどまります。
■攻撃評価

BABIPを見る限り幸運なシーズンではなかったようですが、非常に優秀な三振率が効いて打率3割を達成しています。
一方で奪四死球率はブレイク後でワーストの値となっており、来季はこの部門の改善が課題となりそうです。
■守備評価

三塁での補殺数は標準を下回っています。
5位 近藤健介(日本ハム) 簡易WAR:+1.7
■総合評価
同僚の小谷野栄一が故障している間にレギュラーに抜擢。捕手登録の即席三塁手ながら高い守備貢献を記録しました。
チームが小谷野放出を認めた背景には、彼の著しい台頭があったことは間違いないでしょう。
■攻撃評価

レギュラー定着に際し、三振率と長打力(IsoP)傑出に大幅な改善が見られました。
一方で奪四死球率はリーグ平均の半分程度とやや物足りません。
■守備評価

※捕手出場分はデータが揃っていないため含めていません。
三塁で平均をはっきりと上回る補殺数を記録しています。
阪神の今成やMLBのジョシュ・ドナルドソンなど、捕手から三塁にコンバートされた選手が
高い守備貢献を記録する事例が近年は目立っていますね。
4位 小谷野栄一(日本ハム) 簡易WAR:+2.0
■総合評価
右膝靭帯損傷により長期離脱を余儀なくされ、今季は84試合の出場に留まりました。
限られた出場機会の中で攻守両面で大きな貢献を記録し、質的には充実したシーズンだったと言えます。
■攻撃評価

2014年はBABIP傑出がキャリア最高値を記録しており、幸運なシーズンであったことは否めませんが
他の項目(三振率,奪四死球率,長打力)もキャリア平均比較でいずれも標準以上の値が出ており、
調子の良いシーズンだったことが伺えます。
■守備評価

三塁で平均を上回る補殺数を記録しています。
3位 松田宣浩(ソフトバンク) 簡易WAR:+3.3
■総合評価
パ最大のピッチャーズパークである本拠地ヤフオクドームで長打を量産。ソフトバンク打線の中核を担いました。
故障により40試合程度欠場があったものの、攻守にわたる貢献は大きなものとなっています。
■攻撃評価

2011年以降は安定して高BABIP傑出を記録しており、
今季の数値も運の偏りに依るものなのか実力に依るものなのか判断が難しいところです。
他の3項目(三振率,奪四死球率,長打力(IsoP))はキャリア平均と比較して標準的でした。
■守備評価

「松田にしては」控えめな数字ですが、平均を上回る補殺数を記録しています。
2位 銀次(楽天) 簡易WAR:+3.9
■総合評価
当ブログの選出するパリーグ私的ベストナイン三塁手となります。
2014年はシーズン終盤に糸井嘉男と壮絶な首位打者争いを展開し、結果敗れたものの打率はキャリアハイを記録。
補殺獲得能力で見る守備貢献も標準以上の数字が出ています。
■攻撃評価

非常に優秀な三振率を維持しつつ、奪四死球率に若干の改善が見られました。
一方でBABIP傑出はキャリアハイを記録。キャリア平均と比較してもかなり高い値であり、
来季は揺れ戻しによる打率低下の可能性が高いと言えます。
■守備評価

今季楽天の内野はメンバーが固定されず、シーズンを通して流動的な起用がなされたため、
守備イニング推定の精度が少々怪しくなっており、松井稼頭央辺りの守備得点が吸い上げられている可能性もありますが
三塁で平均を大きく上回る補殺を獲得しています。
1位 エクトル・ルナ(中日) 簡易WAR:+4.9
■総合評価
当ブログの選出するセリーグ私的ベストナイン三塁手となります。
魔境ナゴヤドームを本拠地に非常に大きい打撃貢献を記録。守備力も三塁標準を上回っており、
成績低迷の目立った今季セリーグの三塁手の中では一人飛び抜けた存在だったと言えます。
■攻撃評価

今季も高打率を記録し、昨季の数字がフロックでないことを証明した形になりました。
マートンと同じく、広角に打ち分けられるため右打者ながら適性BABIPが高いタイプだと考えられます。
■守備評価

平均を上回る三塁補殺数を記録しています。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点はRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」「外野手」
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度
今回は「300打席以上を記録し、最も多く先発出場した守備位置が三塁である選手」と、
僅かにこの規定には届きませんが良い成績を残している小谷野栄一と近藤健介を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
12位 今江敏晃(ロッテ) 簡易WAR:-0.9
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.270 | 10 | 54 | 1 | -1 | -0 | -3 | -20 | -24 | -0.9 |
打撃は三塁手としてほぼ標準的ながら守備指標が大きく沈み、総合貢献は物足りない数字となっています。
■攻撃評価

数年おきに爆発的に高いBABIPを記録するという妙な推移を見せていますが、今年は外れ年だったようです。
BABIP以外の項目(三振率,奪四死球率,長打力(IsoP))の傑出は例年通りでした。
■守備評価

RRF補殺守備得点はパ三塁でワーストの値となっています。
元々高い守備力を持っている選手であり、今年に限っては外れ値が出た印象も否めません。
11位 村田修一(巨人) 簡易WAR:-0.2
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.256 | 21 | 68 | 2 | -6 | +1 | -4 | -12 | -21 | -0.2 |
チーム2位の21HRを記録したものの低打率と併殺打の多さが響き、三塁手としては物足りない打撃貢献にとどまりました。
■攻撃評価

チーム方針に依るものかもしれませんが、移籍後は三振率が改善した代わりに長打力(IsoP)の低下が見て取れます。
初めて規定打席に到達した2005年以降に絞ると、2014年はBABIP傑出がワーストの値となっており
来季は揺れ戻しでの打率上昇が期待できそうです。
■守備評価

三塁でやや大きなマイナスを計上しています。
今季はセパ共に三塁で若手の台頭が目立ったからか、中堅-ベテランのレギュラー選手は辛めの数値が出ています。
10位 エステバン・ヘルマン(オリックス) 簡易WAR:-0.2
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.250 | 7 | 52 | 30 | -9 | +1 | -4 | -8 | -20 | -0.2 |
過去2年と比較すると打撃面で大きく苦しみ、三塁平均を大きく下回る貢献となっています。
■攻撃評価

BABIPと奪四死球率傑出が大きく低下し、出塁率低迷の要因となりました。
前者については運の偏りだけでなく、年齢的な衰えも大きいように感じます。
■守備評価

パリーグ三塁平均をやや下回る補殺数を記録しています。
9位 アーロム・バルディリス(DeNA) 簡易WAR:+0.0
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.255 | 17 | 52 | 0 | -0 | -4 | -4 | -8 | -16 | +0.0 |
中村紀洋の後任として期待されましたが、打撃不振で期待に応えたとは言い難い結果になりました。
チームがグリエルと契約延長した為、来季は一塁での起用が増える見込みとなっています。
■攻撃評価

BABIP傑出がレギュラー定着後ではキャリアワーストの値となりました。
他の項目はキャリア平均と比べても特別低い値が出ているわけではなく、
来季は揺れ戻しによる打撃向上が期待できると思われます。
■守備評価

三塁補殺数は標準を大きく下回っています。
8位 松井稼頭央(楽天) 簡易WAR:+0.1
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.291 | 8 | 46 | 9 | +11 | -0 | -2 | -23 | -14 | +0.1 |
打撃面では帰国後で最も充実したシーズンだったと言えるかもしれません。
■攻撃評価

RCAAの向上はBABIP傑出の上昇に起因しているようで、他の項目はキャリア標準程度にとどまっています。
来季は揺れ戻しで打率が下降する可能性が考えられます。
■守備評価

サンプル数が少なすぎるため守備能力として見るには参考程度ですが、遊撃で大きなマイナスを記録しています。
7位 今成亮太(阪神) 簡易WAR:+0.5
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.259 | 4 | 24 | 2 | -12 | +2 | -2 | +5 | -7 | +0.5 |
三塁守備指標でかなり良い値が出ており、新井貴浩がチームから抜ける来季は更なる活躍が期待されます。
■攻撃評価

2014年は三振率が大きく改善した一方で、BABIP傑出はキャリア平均と比較して低い値を取りました。
■守備評価

三塁で平均を上回る補殺数を獲得しています。
6位 川端慎吾(ヤクルト) 簡易WAR:+1.5
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.305 | 10 | 69 | 2 | +9 | -5 | -4 | -6 | -6 | +1.5 |
セカンダリ部門がやや物足りないため、打率に対して打撃貢献は伸びておらず三塁手標準程度にとどまります。
■攻撃評価

BABIPを見る限り幸運なシーズンではなかったようですが、非常に優秀な三振率が効いて打率3割を達成しています。
一方で奪四死球率はブレイク後でワーストの値となっており、来季はこの部門の改善が課題となりそうです。
■守備評価

三塁での補殺数は標準を下回っています。
5位 近藤健介(日本ハム) 簡易WAR:+1.7
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.258 | 4 | 28 | 3 | -4 | +0 | -1 | +11 | +7 | +1.7 |
チームが小谷野放出を認めた背景には、彼の著しい台頭があったことは間違いないでしょう。
■攻撃評価

レギュラー定着に際し、三振率と長打力(IsoP)傑出に大幅な改善が見られました。
一方で奪四死球率はリーグ平均の半分程度とやや物足りません。
■守備評価

※捕手出場分はデータが揃っていないため含めていません。
三塁で平均をはっきりと上回る補殺数を記録しています。
阪神の今成やMLBのジョシュ・ドナルドソンなど、捕手から三塁にコンバートされた選手が
高い守備貢献を記録する事例が近年は目立っていますね。
4位 小谷野栄一(日本ハム) 簡易WAR:+2.0
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.296 | 4 | 29 | 0 | +5 | +0 | -2 | +7 | +10 | +2.0 |
限られた出場機会の中で攻守両面で大きな貢献を記録し、質的には充実したシーズンだったと言えます。
■攻撃評価

2014年はBABIP傑出がキャリア最高値を記録しており、幸運なシーズンであったことは否めませんが
他の項目(三振率,奪四死球率,長打力)もキャリア平均比較でいずれも標準以上の値が出ており、
調子の良いシーズンだったことが伺えます。
■守備評価

三塁で平均を上回る補殺数を記録しています。
3位 松田宣浩(ソフトバンク) 簡易WAR:+3.3
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.301 | 18 | 56 | 12 | +15 | +1 | -3 | +4 | +18 | +3.3 |
故障により40試合程度欠場があったものの、攻守にわたる貢献は大きなものとなっています。
■攻撃評価

2011年以降は安定して高BABIP傑出を記録しており、
今季の数値も運の偏りに依るものなのか実力に依るものなのか判断が難しいところです。
他の3項目(三振率,奪四死球率,長打力(IsoP))はキャリア平均と比較して標準的でした。
■守備評価

「松田にしては」控えめな数字ですが、平均を上回る補殺数を記録しています。
2位 銀次(楽天) 簡易WAR:+3.9
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.327 | 4 | 70 | 1 | +14 | -0 | -5 | +12 | +21 | +3.9 |
2014年はシーズン終盤に糸井嘉男と壮絶な首位打者争いを展開し、結果敗れたものの打率はキャリアハイを記録。
補殺獲得能力で見る守備貢献も標準以上の数字が出ています。
■攻撃評価

非常に優秀な三振率を維持しつつ、奪四死球率に若干の改善が見られました。
一方でBABIP傑出はキャリアハイを記録。キャリア平均と比較してもかなり高い値であり、
来季は揺れ戻しによる打率低下の可能性が高いと言えます。
■守備評価

今季楽天の内野はメンバーが固定されず、シーズンを通して流動的な起用がなされたため、
守備イニング推定の精度が少々怪しくなっており、松井稼頭央辺りの守備得点が吸い上げられている可能性もありますが
三塁で平均を大きく上回る補殺を獲得しています。
1位 エクトル・ルナ(中日) 簡易WAR:+4.9
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.317 | 17 | 73 | 8 | +25 | +4 | -4 | +6 | +30 | +4.9 |
魔境ナゴヤドームを本拠地に非常に大きい打撃貢献を記録。守備力も三塁標準を上回っており、
成績低迷の目立った今季セリーグの三塁手の中では一人飛び抜けた存在だったと言えます。
■攻撃評価

今季も高打率を記録し、昨季の数字がフロックでないことを証明した形になりました。
マートンと同じく、広角に打ち分けられるため右打者ながら適性BABIPが高いタイプだと考えられます。
■守備評価

平均を上回る三塁補殺数を記録しています。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点はRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」「外野手」
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度