私的左翼手ランキング2014年版
- 2015/01/26
- 00:26
手元にあるデータを出来る限り活用して、NPB2014年シーズンの左翼手総合評価を試みます。
今回は「300打席以上を記録し、最も多く先発出場した守備位置が左翼である選手」を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
12位 中田翔(日本ハム) 簡易WAR:-0.2
■総合評価
栗山監督が構想していた三塁コンバート案は実現されず、本来のポジションである左翼での出場が主となりました。
2年ぶりに全試合出場を達成したほか、初のタイトルとなる打点王も獲得し打撃面では充実したシーズンでしたが、
故障を抱えつつプレーした影響か外野守備指標でかなり悪い数字が出ており、総合貢献はあまり伸びていません。
■攻撃評価
長打力(IsoP)はレギュラー定着後では最低の値でしたが三振率には改善が見られており、
打撃の完成度は年々向上している印象を受けます。
この三振率を維持できれば来季は揺れ戻しで打率を戻すのではないかと思います。
■守備評価
今季の中田翔は左膝の故障報道がシーズン中に何度かありました。
その影響か左翼守備時の守備範囲が相当狭くなっていた可能性が示唆されています。
11位 和田一浩(中日) 簡易WAR:+1.3
■総合評価
2000本安打まであと100本を残し開幕を迎えましたが、8月に死球骨折で痛恨の離脱。
13年ぶりに規定打席も割り不完全燃焼に終わったシーズンとなりましたが、
出場機会あたりの貢献量の質はまだまだ高く、中日にとっては欠かせない選手と言えそうです。
■攻撃評価
年齢による適性BABIPの低下を考慮しても、不運気味なシーズンだったことが伺えます。
三振率、奪四死球率、長打力(IsoP)の3項目でキャリア平均を上回っており、
42歳にして衰えがほぼ見られない驚異的な打撃成績を残しています。
■守備評価
キャリアを通じて見ると左翼手としては名手の部類に入る和田ですが、近年は守備範囲がやや狭くなっている印象を受けます。
ただし和田の場合、データスタジアムのコラムで公開されている守備イニングと比較して推計値の誤差がやや大きく、
今回の算定では同僚の藤井と野本に守備得点を若干吸われているようです。
10位 マット・マートン(阪神) 簡易WAR:+1.6
■総合評価
来日5年目のシーズンとなった2014年は春先の大活躍もあり首位打者を獲得。
一方でRRFベースの刺殺数評価は低迷が見られ、総合的な貢献はあまり伸びていません。
■攻撃評価
奪四死球率がキャリアハイを記録した以外は標準的なシーズンだったと言えますが、
必ずしも幸運だったとは言えない成績で首位打者を獲ってしまうのがマートンの恐ろしいところです。
■守備評価
UZRとは乖離している結果ですが、刺殺数は左翼平均を大きく下回っています。
9位 藤井淳志(中日) 簡易WAR:+1.9
■総合評価
打率3割を記録した昨季に続いて今季も打撃好調を維持。左翼平均以上の打撃貢献を記録しています。
守備面での貢献も大きく、出場機会は少ないながら総合的な貢献量は大きなものとなっています。
■攻撃評価
2014年は奪四死球率に大きな改善が見られました。
BABIP傑出を除いた打撃内容は大活躍した2009年を上回っており、好調なシーズンであったことが伺えます。
■守備評価
前述の通り同僚の和田の守備得点を若干吸っている可能性が高いですが、左翼平均を大きく上回る刺殺数を記録しています。
8位 中村晃(ソフトバンク) 簡易WAR:+2.2
■総合評価
2014年はソフトバンク打線のリードオフマンを務め安打を量産。最多安打タイトルも獲得しました。
外野守備は平均的な評価ながら一塁補殺数が標準よりかなり少なく、守備得点は奮っていません。
■攻撃評価
四死球長打のセカンダリが低下したものの、三振率に大きな改善が見られます。
BABIP傑出は2年連続で非常に高い値となりましたが、中村の場合適性値自体が高いという印象を受けます。
■守備評価
一塁で大きなマイナスを計上していますが、これだけ少ない出場機会だと打球の偏りの影響が否めないです。
外野守備に関してはほぼ標準的な内容だと言えそうです。
7位 ブラッド・エルドレッド(広島) 簡易WAR:+2.5
■総合評価
来日3年目のシーズンにして初めて規定打席に到達。広島の外国人ではランス以来となる本塁打王を獲得したものの、
出塁率がリーグ野手平均を下回っており、打撃貢献は少し物足りない数値となっています。
■攻撃評価
2014年は長打力(IsoP)が伸びた一方、三振率は悪化しています。
こうして見てみると、前2年の段階で既に長打力の片鱗を見せていたようですね。
■守備評価
今回は外野刺殺に対する左腕補正は行っていませんが、広島はリーグ平均に対して左投手の投球回が極端に少ないため、
左翼手の守備得点が若干高めに出ている可能性は十分考えられます。右翼手についてその逆も然りです。
6位 坂口智隆(オリックス) 簡易WAR:+2.7
■総合評価
2012年の大怪我以降では初めて100試合以上に出場したシーズンとなりました。
打撃は左翼平均を大きく下回っていますが、パリーグ左翼手では最大の守備利得を叩き出しています。
■攻撃評価
2014年は三振率,奪四死球率,長打力(IsoP)などの打撃内容は総合的に見てキャリア標準以上でした。
故障を境にBABIP傑出だけが実値にして1割近く下がっていますが、坂口の打撃に何が起こったんでしょうか。
■守備評価
NPBでは左中間にイージーな打球が飛んだ場合、左翼手が中堅手に打球処理を譲る光景が見られますが、
オリックスの左中間は前任者のT-岡田の時代からその傾向が他球団と比べて緩いようで、
左翼手の守備得点が伸びやすくなっている点は注意が必要かもしれません。
5位 レスリー・アンダーソン(巨人) 簡易WAR:+2.7
■総合評価
来日1年目となった2014年は貧打にあえぐ巨人打線の中で唯一打率3割を達成。
故障により稼働率は低かったものの大きな利得を生み出しています。課題と評される守備もレンジ系指標では平均以上という評価です。
■攻撃評価
三振率,奪四死球率,長打力(IsoP)がいずれもほぼ標準以上の値です。
サンプルとなる打席数が少ないため適性BABIPはまだ分かりませんが、
おそらく今季の高打率は高BABIPに依存するものではないという印象を受けます。
■守備評価
左翼刺殺数は標準を上回る評価です。
4位 筒香嘉智(DeNA) 簡易WAR:+3.3
■総合評価
2014年はバルディリスの加入により三塁から左翼にコンバート。外野守備で平均以上の守備利得を記録しています。
打撃では課題だったアベレージ力を大幅に向上させ、莫大な打撃貢献を叩き出しました。
■攻撃評価
二塁打と本塁打が増加し、長打力(IsoP)に大きな向上が見られました。
三振率、奪四死球率についてはブレイク前とほぼ変化がなく、高打率は高BABIPに依存するものである可能性が高いと言えます。
この部分の改善が無ければ、来季は打率を落とすのではないでしょうか。
■守備評価
元々三塁守備指標でも悪くない数字が出ている選手だけに、外野でも平均以上のフットワークを見せているように見えます。
3位 ウラディミール・バレンティン(ヤクルト) 簡易WAR:+4.1
■総合評価
当ブログの選出するセリーグ私的ベストナイン左翼手です。
NPB新記録の60HRを記録した昨季からHR数は半減しましたが、12球団の左翼手中トップの打撃成績を残しています。
■攻撃評価
長打力(IsoP)傑出はキャリアワーストの値となりましたが、
それでもリーグ平均の倍以上の数字を残しており文句の付けようがありません。
BABIP傑出は年々向上していますが、これは打撃の変化によるものなのか運の偏りなのか判断が難しいところです。
■守備評価
昨年までは右翼で無視できない大きさのマイナスを毎年記録していましたが、
左翼にコンバートされた今季はキャリアで初めて全体がプラスになりました。
2位 内川聖一(ソフトバンク) 簡易WAR:+4.4
■総合評価
2014年は右打者として歴代最長タイとなる7年連続打率3割を達成。安定感のある打撃で今季も大きな打撃利得を計上しています。
チーム編成上の問題からか今季はDHでの出場も多く見られましたが、左翼守備も標準以上という評価です。
■攻撃評価
2014年はBABIP傑出を見るにやや不幸なシーズンだったことが伺えますが、
内川にとっては打率3割を記録する上であまり障害にならなかったようですね。
■守備評価
数字を見るに同僚の長谷川の守備得点を若干吸っている可能性がありますが、左翼平均以上の刺殺数を記録しています。
1位 栗山巧(西武) 簡易WAR:+4.5
■総合評価
当ブログの選出するパリーグ私的ベストナイン左翼手です。
主将として臨んだ今季は2年連続4度目となる全試合出場を達成しました。
四死球による出塁、稼働率の高さ、守備貢献の高さで大きな利得を生み出している点は阪神の鳥谷敬と似ており、
彼と同じく打撃主要三部門の数字だけ見ると最も過小評価されるタイプの選手であると言えます。
■攻撃評価
打撃面は栗山にとっては標準的なシーズンだったようです。
■守備評価
左翼平均を大きく上回る刺殺数を記録しています。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点は内野についてはRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」
外野についてはクロスケさんの手法で算出しました。「外野守備評価」
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度
今回は「300打席以上を記録し、最も多く先発出場した守備位置が左翼である選手」を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
12位 中田翔(日本ハム) 簡易WAR:-0.2
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.269 | 27 | 100 | 0 | +16 | +1 | -8 | -30 | -21 | -0.2 |
2年ぶりに全試合出場を達成したほか、初のタイトルとなる打点王も獲得し打撃面では充実したシーズンでしたが、
故障を抱えつつプレーした影響か外野守備指標でかなり悪い数字が出ており、総合貢献はあまり伸びていません。
■攻撃評価

長打力(IsoP)はレギュラー定着後では最低の値でしたが三振率には改善が見られており、
打撃の完成度は年々向上している印象を受けます。
この三振率を維持できれば来季は揺れ戻しで打率を戻すのではないかと思います。
■守備評価

今季の中田翔は左膝の故障報道がシーズン中に何度かありました。
その影響か左翼守備時の守備範囲が相当狭くなっていた可能性が示唆されています。
11位 和田一浩(中日) 簡易WAR:+1.3
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.281 | 16 | 65 | 2 | +12 | +2 | -4 | -9 | +2 | +1.3 |
13年ぶりに規定打席も割り不完全燃焼に終わったシーズンとなりましたが、
出場機会あたりの貢献量の質はまだまだ高く、中日にとっては欠かせない選手と言えそうです。
■攻撃評価

年齢による適性BABIPの低下を考慮しても、不運気味なシーズンだったことが伺えます。
三振率、奪四死球率、長打力(IsoP)の3項目でキャリア平均を上回っており、
42歳にして衰えがほぼ見られない驚異的な打撃成績を残しています。
■守備評価

キャリアを通じて見ると左翼手としては名手の部類に入る和田ですが、近年は守備範囲がやや狭くなっている印象を受けます。
ただし和田の場合、データスタジアムのコラムで公開されている守備イニングと比較して推計値の誤差がやや大きく、
今回の算定では同僚の藤井と野本に守備得点を若干吸われているようです。
10位 マット・マートン(阪神) 簡易WAR:+1.6
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.338 | 14 | 84 | 2 | +22 | +4 | -6 | -22 | -3 | +1.6 |
一方でRRFベースの刺殺数評価は低迷が見られ、総合的な貢献はあまり伸びていません。
■攻撃評価

奪四死球率がキャリアハイを記録した以外は標準的なシーズンだったと言えますが、
必ずしも幸運だったとは言えない成績で首位打者を獲ってしまうのがマートンの恐ろしいところです。
■守備評価

UZRとは乖離している結果ですが、刺殺数は左翼平均を大きく下回っています。
9位 藤井淳志(中日) 簡易WAR:+1.9
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.274 | 6 | 36 | 2 | +2 | +2 | -3 | +7 | +8 | +1.9 |
守備面での貢献も大きく、出場機会は少ないながら総合的な貢献量は大きなものとなっています。
■攻撃評価

2014年は奪四死球率に大きな改善が見られました。
BABIP傑出を除いた打撃内容は大活躍した2009年を上回っており、好調なシーズンであったことが伺えます。
■守備評価

前述の通り同僚の和田の守備得点を若干吸っている可能性が高いですが、左翼平均を大きく上回る刺殺数を記録しています。
8位 中村晃(ソフトバンク) 簡易WAR:+2.2
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.308 | 4 | 61 | 10 | +16 | +2 | -7 | -10 | +0 | +2.2 |
外野守備は平均的な評価ながら一塁補殺数が標準よりかなり少なく、守備得点は奮っていません。
■攻撃評価

四死球長打のセカンダリが低下したものの、三振率に大きな改善が見られます。
BABIP傑出は2年連続で非常に高い値となりましたが、中村の場合適性値自体が高いという印象を受けます。
■守備評価

一塁で大きなマイナスを計上していますが、これだけ少ない出場機会だと打球の偏りの影響が否めないです。
外野守備に関してはほぼ標準的な内容だと言えそうです。
7位 ブラッド・エルドレッド(広島) 簡易WAR:+2.5
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.260 | 37 | 104 | 2 | +18 | +0 | -7 | -4 | +8 | +2.5 |
出塁率がリーグ野手平均を下回っており、打撃貢献は少し物足りない数値となっています。
■攻撃評価

2014年は長打力(IsoP)が伸びた一方、三振率は悪化しています。
こうして見てみると、前2年の段階で既に長打力の片鱗を見せていたようですね。
■守備評価

今回は外野刺殺に対する左腕補正は行っていませんが、広島はリーグ平均に対して左投手の投球回が極端に少ないため、
左翼手の守備得点が若干高めに出ている可能性は十分考えられます。右翼手についてその逆も然りです。
6位 坂口智隆(オリックス) 簡易WAR:+2.7
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.235 | 2 | 40 | 3 | -7 | +1 | -3 | +22 | +13 | +2.7 |
打撃は左翼平均を大きく下回っていますが、パリーグ左翼手では最大の守備利得を叩き出しています。
■攻撃評価

2014年は三振率,奪四死球率,長打力(IsoP)などの打撃内容は総合的に見てキャリア標準以上でした。
故障を境にBABIP傑出だけが実値にして1割近く下がっていますが、坂口の打撃に何が起こったんでしょうか。
■守備評価

NPBでは左中間にイージーな打球が飛んだ場合、左翼手が中堅手に打球処理を譲る光景が見られますが、
オリックスの左中間は前任者のT-岡田の時代からその傾向が他球団と比べて緩いようで、
左翼手の守備得点が伸びやすくなっている点は注意が必要かもしれません。
5位 レスリー・アンダーソン(巨人) 簡易WAR:+2.7
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.319 | 15 | 50 | 1 | +17 | +1 | -4 | +3 | +16 | +2.7 |
故障により稼働率は低かったものの大きな利得を生み出しています。課題と評される守備もレンジ系指標では平均以上という評価です。
■攻撃評価

三振率,奪四死球率,長打力(IsoP)がいずれもほぼ標準以上の値です。
サンプルとなる打席数が少ないため適性BABIPはまだ分かりませんが、
おそらく今季の高打率は高BABIPに依存するものではないという印象を受けます。
■守備評価

左翼刺殺数は標準を上回る評価です。
4位 筒香嘉智(DeNA) 簡易WAR:+3.3
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.300 | 22 | 77 | 2 | +23 | -3 | -5 | +2 | +17 | +3.3 |
打撃では課題だったアベレージ力を大幅に向上させ、莫大な打撃貢献を叩き出しました。
■攻撃評価

二塁打と本塁打が増加し、長打力(IsoP)に大きな向上が見られました。
三振率、奪四死球率についてはブレイク前とほぼ変化がなく、高打率は高BABIPに依存するものである可能性が高いと言えます。
この部分の改善が無ければ、来季は打率を落とすのではないでしょうか。
■守備評価

元々三塁守備指標でも悪くない数字が出ている選手だけに、外野でも平均以上のフットワークを見せているように見えます。
3位 ウラディミール・バレンティン(ヤクルト) 簡易WAR:+4.1
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.301 | 31 | 69 | 2 | +33 | -4 | -5 | +1 | +26 | +4.2 |
NPB新記録の60HRを記録した昨季からHR数は半減しましたが、12球団の左翼手中トップの打撃成績を残しています。
■攻撃評価

長打力(IsoP)傑出はキャリアワーストの値となりましたが、
それでもリーグ平均の倍以上の数字を残しており文句の付けようがありません。
BABIP傑出は年々向上していますが、これは打撃の変化によるものなのか運の偏りなのか判断が難しいところです。
■守備評価

昨年までは右翼で無視できない大きさのマイナスを毎年記録していましたが、
左翼にコンバートされた今季はキャリアで初めて全体がプラスになりました。
2位 内川聖一(ソフトバンク) 簡易WAR:+4.4
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.307 | 18 | 74 | 0 | +22 | +1 | -8 | +9 | +25 | +4.4 |
チーム編成上の問題からか今季はDHでの出場も多く見られましたが、左翼守備も標準以上という評価です。
■攻撃評価

2014年はBABIP傑出を見るにやや不幸なシーズンだったことが伺えますが、
内川にとっては打率3割を記録する上であまり障害にならなかったようですね。
■守備評価

数字を見るに同僚の長谷川の守備得点を若干吸っている可能性がありますが、左翼平均以上の刺殺数を記録しています。
1位 栗山巧(西武) 簡易WAR:+4.5
■総合評価
打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
0.288 | 3 | 61 | 3 | +16 | -3 | -7 | +16 | +22 | +4.5 |
主将として臨んだ今季は2年連続4度目となる全試合出場を達成しました。
四死球による出塁、稼働率の高さ、守備貢献の高さで大きな利得を生み出している点は阪神の鳥谷敬と似ており、
彼と同じく打撃主要三部門の数字だけ見ると最も過小評価されるタイプの選手であると言えます。
■攻撃評価

打撃面は栗山にとっては標準的なシーズンだったようです。
■守備評価

左翼平均を大きく上回る刺殺数を記録しています。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点は内野についてはRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」
外野についてはクロスケさんの手法で算出しました。「外野守備評価」
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度