私的捕手ランキング2014年版
- 2015/02/11
- 02:09
手元にあるデータを出来る限り活用して、NPB2014年シーズンの捕手総合評価を試みます。
今回は「最も多く先発出場したポジションが捕手である選手」の中で、
簡易WARが上位12位までに入っている選手と、チーム内でトップの値を残した選手を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
14位 鶴岡慎也(ソフトバンク) 簡易WAR:+0.2
■総合評価
正捕手としての期待を受けてのFA移籍となりました。盗塁阻止率は炭谷に次ぐパ2位の値を叩き出すなど、
守備面では期待に応えましたが、一方で打撃面の低迷が目立ちました。
■攻撃評価
BABIP傑出以外の値はキャリア標準に近く、来期は揺れ戻しでの打率向上が期待できそうです。
■守備評価
前述したパ2位の盗塁阻止率に加え、捕逸・失策数も平均より少ないという評価です。
13位 梅野隆太郎(阪神) 簡易WAR:+0.3
■総合評価
ルーキーながら7HRを記録するなど非凡な長打力を発揮。
2014年阪神の捕手では最大の貢献を生み出しました。
■攻撃評価
長打力(IsoP)は平均を上回っています。今後はBB/Kの改善が課題。
■守備評価
盗塁阻止能力は平均以下ながら、捕逸を0に抑えるなどミスの少なさが目立ちました。
12位 谷繁元信(中日) 簡易WAR:+0.4
■総合評価
選手兼任監督として臨む初のシーズンとなりました。
中日の捕手では最大の貢献を生み出しており、まだまだ選手としてもチームに欠かせない存在です。
■攻撃評価
BABIPと長打力(IsoP)傑出の低下が目立ちますが、
奪四死球率は平均を大きく上回り、三振率も平均より良く選球眼に陰りは見えません。
■守備評価
盗塁阻止能力は平均を下回るものの、捕逸・失策を少なく抑えています。
11位 炭谷銀仁朗(西武) 簡易WAR:+0.5
■総合評価
2014年は12球団中1位の盗塁阻止率を記録。当代No.1の守備能力を有していると言えそうですね。
■攻撃評価
三振率は平均より良い値が出ていますが、適性BABIPはかなり低く打率は低迷しています。
奪四死球率、長打力どちらかを伸ばして武器にしたいところ。
■守備評価
捕逸・失策数は平均的ながら圧倒的な盗塁阻止能力を発揮し、12球団中1位の捕手守備得点を記録。
現場でも肩の評判は高い選手ですが、何故か被盗塁企図数は平均とほとんど変わらず、
走者の自重により利得を稼ぐタイプではなく、多く盗塁を刺すことで利得を稼ぐタイプだと言えます。
10位 小林誠司(巨人) 簡易WAR:+0.6
■総合評価
少ない出場数ながら、攻守ともに捕手平均を上回っています。
来季は阿部の一塁転向による出場増が予想されるだけに、期待のかかる選手と言えるでしょう。
■攻撃評価

適性BABIPを見定めるにはまだ打席数が足りませんが、捕手にしてはやや高めのBABIP傑出を記録しているほか、
奪四死球率に占める死球の割合が非常に高いなど、来季に不安を残す打撃内容となっています。
■守備評価

前述の炭谷とは対照的で、そもそも走られないことで利得を稼いでいます。
1年目にしてこれだけ恐れられているのは、現場の評価の高さの裏付けでしょうか?
9位 金澤岳(ロッテ) 簡易WAR:+0.6
■総合評価
打撃好調で3割近い打率を残しキャリア初となる本塁打も記録。
打撃を買われて一塁での出場も記録しました。
■攻撃評価
BABIPの高さに大きく依存した打撃でしたが、三振率、長打力(IsoP)にも改善が見られます。
■守備評価
捕手守備は平均的な内容となっています。
8位 黒羽根利規(DeNA) 簡易WAR:+0.9
■総合評価
昨季に続いて打撃の好調を維持。自己最多の試合出場数を記録する躍進のシーズンとなりました。
セ1位の盗塁阻止率.395を記録し、守備面で高い評価が出ています。
■攻撃評価
2年連続で高いBABIP傑出を記録しているのは心配な傾向と言えるでしょう。
打撃内容自体はキャリア標準とほとんど変わりません。
■守備評価
何故か平均より多い被盗塁企図数を記録。炭谷と同じく、多く盗塁を刺して利得を稼ぐタイプだと言えます。
捕逸・失策数がかなり多く、今後はミスを減らすことが守備の課題となるでしょう。
7位 森友哉(西武) 簡易WAR:+1.0
■総合評価
高卒ルーキーながら2打席連続HRと3試合連続HRを記録し、衝撃的なデビューを果たしました。
捕手平均を大幅に上回る打力を持ち、少ない出場機会ながら大きな利得を生み出しています。
■攻撃評価
長打力(IsoP)だけでなく奪四死球率も優秀な数値が出ています。
高BABIPに依存せずに高いRCAAを記録しているのは良い傾向ですね。
■守備評価
捕逸が多く、盗塁阻止も平均を下回っています。守備面はまだまだ課題が多いと言えそうです。
6位 市川友也(日本ハム) 簡易WAR:+1.1
■総合評価
巨人からトレードで移籍した2014年は大きく出場機会を伸ばし、自己最多の出場試合数を記録。
攻守ともに捕手平均を上回る数値が出ており、総合貢献も同僚の大野を上回っています。
■攻撃評価
三振率の優秀さが捕手としては高水準の打率に繋がったようです。
■守備評価
規定試合数にはあと3試合足りませんでしたが、西武炭谷を上回る盗塁阻止率を記録しています。
捕逸・失策数も平均より少ないという評価。
5位 伊藤光(オリックス) 簡易WAR:+1.7
■総合評価
正捕手として迎える2年目のシーズンとなった2014年は、昨季に続き捕手平均を上回る打撃成績を記録。
■攻撃評価
BABIP傑出が大きく下がりましたが、打撃内容自体は昨季とほとんど変わりません。
■守備評価
規定到達者の中では最低の盗塁阻止率でしたが、被盗塁企図自体が少ないため大したマイナスにはなっていません。
捕逸・失策数は平均よりかなり少ないという評価です。
4位 嶋基宏(楽天) 簡易WAR:+1.8
■総合評価
当ブログの選出するパリーグ私的ベストナイン捕手です。
春先にリーグ最高値の出塁率を長く維持し続けるなど、捕手としてはかなり強力な打撃を誇りました。
■攻撃評価
奪四死球率傑出がキャリアハイを記録するなど、出塁力には更に磨きがかかっています。
捕手のスラッガーは低打率高長打力の重戦車型が多く、嶋はかなり珍しいタイプと言えますね。
■守備評価
盗塁阻止率は伊藤を上回っていますが、被企図数が多くややフリーパス状態になっていた形跡が見られます。
3位 會澤翼(広島) 簡易WAR:+2.1
■総合評価
統一球導入後では阿部以来2人目となる捕手二桁本塁打を記録。打率も3割に乗せ、
捕手平均比較RCWINでは阿部を12年ぶりにセリーグトップの座から陥落させるなど大活躍を見せました。
捕手守備指標も平均を上回っており、日本を背負う捕手に成長する可能性を秘めている選手です。
■攻撃評価
2014年は奪四死球率、長打力(IsoP)傑出に大幅な改善が見られました。
■守備評価
捕手守備は平均をわずかに上回るという評価です。
2位 中村悠平(ヤクルト) 簡易WAR:+2.1
■総合評価
キャリアハイとなる99試合に出場し、攻守ともに平均を上回る貢献を記録しました。
■攻撃評価
BABIP傑出の大幅な向上が見られましたが、奪四死球率が低下するなど打撃内容自体は昨季から悪化しています。
■守備評価
捕逸・失策のミスが非常に少なく、この部分で守備得点の多くを稼いでいます。肩の貢献は平均程度という評価です。
1位 阿部慎之助(巨人) 簡易WAR:+3.0
■攻撃評価
当ブログの選出するセリーグ私的ベストナイン捕手です。
2014年は捕手としてプレーする最後のシーズンとなりました。
■攻撃評価
BABIP傑出以外の項目は、長打力(IsoP)が下がったものの依然として平均を大きく上回っており、復活の気配は見せています。
今の阿部くらいの年齢の捕手が他ポジションにコンバートされるのはNPBでは前例があまりないため、(城島くらいでしょうか)
守備負担の低下が打撃にどう作用するかも含めて、来季の阿部がどんな成績を残すのかとても興味深いです。
■守備評価
捕手守備得点はセリーグ最高値を記録しています。盗塁阻止の評価は平均的ながら、ミスの少なさで守備得点を稼ぎました。
捕手としての能力は健在と思えるだけに、故障による一塁転向というのはとても惜しいように思います。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点は内外野についてはRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」「外野手」
捕手守備得点については、投手の奪三振が大半を占める刺殺数から捕手守備イニングを推定し、
許盗塁、盗塁刺、捕逸、失策をイニングベースで評価しました。許盗PP~失策PPは各項目のPlusPlay数を示します。
得点化係数は、Baseball-LABのコラム「70年代以降の捕手守備指標」において示されている、
2004年-2010年のLWTS係数「許盗塁-0.17、盗塁刺0.31、捕逸-0.29、失策-0.30」を用いました。
ここに1被盗塁企図数あたり-0.03点の捕手ホールド評価を加えたものが捕手守備得点となります。
捕手ホールド得点化係数については道作さんのコラム「捕手守備評価(試案)」を参考にしました。
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度
今回は「最も多く先発出場したポジションが捕手である選手」の中で、
簡易WARが上位12位までに入っている選手と、チーム内でトップの値を残した選手を対象とします。
具体的な評価法と指標の説明については一番下に記しました。
14位 鶴岡慎也(ソフトバンク) 簡易WAR:+0.2
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
98 | 0.216 | 0 | 25 | 0 | -12 | +0 | +5 | +2 | -5 | +0.2 |
守備面では期待に応えましたが、一方で打撃面の低迷が目立ちました。
■攻撃評価

BABIP傑出以外の値はキャリア標準に近く、来期は揺れ戻しでの打率向上が期待できそうです。
■守備評価

前述したパ2位の盗塁阻止率に加え、捕逸・失策数も平均より少ないという評価です。
13位 梅野隆太郎(阪神) 簡易WAR:+0.3
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
92 | 0.197 | 7 | 21 | 0 | -15 | +2 | +7 | +0 | -6 | +0.3 |
2014年阪神の捕手では最大の貢献を生み出しました。
■攻撃評価

長打力(IsoP)は平均を上回っています。今後はBB/Kの改善が課題。
■守備評価

盗塁阻止能力は平均以下ながら、捕逸を0に抑えるなどミスの少なさが目立ちました。
12位 谷繁元信(中日) 簡易WAR:+0.4
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
91 | 0.195 | 1 | 23 | 0 | -14 | +2 | +8 | -0 | -5 | +0.4 |
中日の捕手では最大の貢献を生み出しており、まだまだ選手としてもチームに欠かせない存在です。
■攻撃評価

BABIPと長打力(IsoP)傑出の低下が目立ちますが、
奪四死球率は平均を大きく上回り、三振率も平均より良く選球眼に陰りは見えません。
■守備評価

盗塁阻止能力は平均を下回るものの、捕逸・失策を少なく抑えています。
11位 炭谷銀仁朗(西武) 簡易WAR:+0.5
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
125 | 0.202 | 7 | 36 | 0 | -25 | -2 | +11 | +7 | -9 | +0.5 |
■攻撃評価

三振率は平均より良い値が出ていますが、適性BABIPはかなり低く打率は低迷しています。
奪四死球率、長打力どちらかを伸ばして武器にしたいところ。
■守備評価

捕逸・失策数は平均的ながら圧倒的な盗塁阻止能力を発揮し、12球団中1位の捕手守備得点を記録。
現場でも肩の評判は高い選手ですが、何故か被盗塁企図数は平均とほとんど変わらず、
走者の自重により利得を稼ぐタイプではなく、多く盗塁を刺すことで利得を稼ぐタイプだと言えます。
10位 小林誠司(巨人) 簡易WAR:+0.6
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
63 | 0.255 | 2 | 14 | 0 | -3 | +0 | +3 | +1 | +2 | +0.6 |
来季は阿部の一塁転向による出場増が予想されるだけに、期待のかかる選手と言えるでしょう。
■攻撃評価

適性BABIPを見定めるにはまだ打席数が足りませんが、捕手にしてはやや高めのBABIP傑出を記録しているほか、
奪四死球率に占める死球の割合が非常に高いなど、来季に不安を残す打撃内容となっています。
■守備評価

前述の炭谷とは対照的で、そもそも走られないことで利得を稼いでいます。
1年目にしてこれだけ恐れられているのは、現場の評価の高さの裏付けでしょうか?
9位 金澤岳(ロッテ) 簡易WAR:+0.6
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
42 | 0.299 | 1 | 5 | 0 | +1 | -0 | +2 | -0 | +3 | +0.6 |
打撃を買われて一塁での出場も記録しました。
■攻撃評価

BABIPの高さに大きく依存した打撃でしたが、三振率、長打力(IsoP)にも改善が見られます。
■守備評価


捕手守備は平均的な内容となっています。
8位 黒羽根利規(DeNA) 簡易WAR:+0.9
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
109 | 0.264 | 2 | 24 | 1 | -13 | -3 | +10 | +2 | -3 | +0.9 |
セ1位の盗塁阻止率.395を記録し、守備面で高い評価が出ています。
■攻撃評価

2年連続で高いBABIP傑出を記録しているのは心配な傾向と言えるでしょう。
打撃内容自体はキャリア標準とほとんど変わりません。
■守備評価

何故か平均より多い被盗塁企図数を記録。炭谷と同じく、多く盗塁を刺して利得を稼ぐタイプだと言えます。
捕逸・失策数がかなり多く、今後はミスを減らすことが守備の課題となるでしょう。
7位 森友哉(西武) 簡易WAR:+1.0
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
41 | 0.275 | 6 | 15 | 0 | +6 | -0 | +2 | -1 | +6 | +1.0 |
捕手平均を大幅に上回る打力を持ち、少ない出場機会ながら大きな利得を生み出しています。
■攻撃評価

長打力(IsoP)だけでなく奪四死球率も優秀な数値が出ています。
高BABIPに依存せずに高いRCAAを記録しているのは良い傾向ですね。
■守備評価

捕逸が多く、盗塁阻止も平均を下回っています。守備面はまだまだ課題が多いと言えそうです。
6位 市川友也(日本ハム) 簡易WAR:+1.1
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
71 | 0.263 | 2 | 9 | 0 | -3 | +0 | +4 | +3 | +5 | +1.1 |
攻守ともに捕手平均を上回る数値が出ており、総合貢献も同僚の大野を上回っています。
■攻撃評価

三振率の優秀さが捕手としては高水準の打率に繋がったようです。
■守備評価

規定試合数にはあと3試合足りませんでしたが、西武炭谷を上回る盗塁阻止率を記録しています。
捕逸・失策数も平均より少ないという評価。
5位 伊藤光(オリックス) 簡易WAR:+1.7
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
137 | 0.257 | 3 | 48 | 0 | -9 | +1 | +12 | -1 | +3 | +1.7 |
■攻撃評価

BABIP傑出が大きく下がりましたが、打撃内容自体は昨季とほとんど変わりません。
■守備評価

規定到達者の中では最低の盗塁阻止率でしたが、被盗塁企図自体が少ないため大したマイナスにはなっていません。
捕逸・失策数は平均よりかなり少ないという評価です。
4位 嶋基宏(楽天) 簡易WAR:+1.8
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
126 | 0.263 | 1 | 36 | 6 | -4 | -0 | +11 | -4 | +4 | +1.8 |
春先にリーグ最高値の出塁率を長く維持し続けるなど、捕手としてはかなり強力な打撃を誇りました。
■攻撃評価

奪四死球率傑出がキャリアハイを記録するなど、出塁力には更に磨きがかかっています。
捕手のスラッガーは低打率高長打力の重戦車型が多く、嶋はかなり珍しいタイプと言えますね。
■守備評価


盗塁阻止率は伊藤を上回っていますが、被企図数が多くややフリーパス状態になっていた形跡が見られます。
3位 會澤翼(広島) 簡易WAR:+2.1
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
65 | 0.307 | 10 | 30 | 0 | +8 | +0 | +6 | +0 | +14 | +2.1 |
捕手平均比較RCWINでは阿部を12年ぶりにセリーグトップの座から陥落させるなど大活躍を見せました。
捕手守備指標も平均を上回っており、日本を背負う捕手に成長する可能性を秘めている選手です。
■攻撃評価

2014年は奪四死球率、長打力(IsoP)傑出に大幅な改善が見られました。
■守備評価

捕手守備は平均をわずかに上回るという評価です。
2位 中村悠平(ヤクルト) 簡易WAR:+2.1
■総合評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
99 | 0.298 | 5 | 41 | 0 | -0 | -3 | +10 | +2 | +9 | +2.1 |
■攻撃評価

BABIP傑出の大幅な向上が見られましたが、奪四死球率が低下するなど打撃内容自体は昨季から悪化しています。
■守備評価

捕逸・失策のミスが非常に少なく、この部分で守備得点の多くを稼いでいます。肩の貢献は平均程度という評価です。
1位 阿部慎之助(巨人) 簡易WAR:+3.0
■攻撃評価
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | RCAA | 球場補正 | 守備位置補正 | 守備得点 | 攻守総合貢献 | 簡易WAR |
131 | 0.248 | 19 | 57 | 1 | +0 | +1 | +10 | +0 | +12 | +3.0 |
2014年は捕手としてプレーする最後のシーズンとなりました。
■攻撃評価

BABIP傑出以外の項目は、長打力(IsoP)が下がったものの依然として平均を大きく上回っており、復活の気配は見せています。
今の阿部くらいの年齢の捕手が他ポジションにコンバートされるのはNPBでは前例があまりないため、(城島くらいでしょうか)
守備負担の低下が打撃にどう作用するかも含めて、来季の阿部がどんな成績を残すのかとても興味深いです。
■守備評価


捕手守備得点はセリーグ最高値を記録しています。盗塁阻止の評価は平均的ながら、ミスの少なさで守備得点を稼ぎました。
捕手としての能力は健在と思えるだけに、故障による一塁転向というのはとても惜しいように思います。
□算出法
・攻撃得点 ・守備得点 ・守備位置補正得点 ・代替補正得点
の4要素を足し合わせて簡易WARを計算しています。
攻撃得点は球場補正をかけたRCAAを使用しました。球場補正は過去3年間の得点PFについて、
「2012年:2013年:2014年=1:2:4」と加重平均を取って算出した跳ね返り倍率に平均が1となるように等倍補正をかけ、
「(1-補正した跳ね返り倍率)×打席数×(リーグ総得点/リーグ総打席)」という式に入れて算出しています。
守備得点は内外野についてはRRFをベースとしたこちらの方法で算出しました。「内野手」「外野手」
捕手守備得点については、投手の奪三振が大半を占める刺殺数から捕手守備イニングを推定し、
許盗塁、盗塁刺、捕逸、失策をイニングベースで評価しました。許盗PP~失策PPは各項目のPlusPlay数を示します。
得点化係数は、Baseball-LABのコラム「70年代以降の捕手守備指標」において示されている、
2004年-2010年のLWTS係数「許盗塁-0.17、盗塁刺0.31、捕逸-0.29、失策-0.30」を用いました。
ここに1被盗塁企図数あたり-0.03点の捕手ホールド評価を加えたものが捕手守備得点となります。
捕手ホールド得点化係数については道作さんのコラム「捕手守備評価(試案)」を参考にしました。
守備位置補正得点はこちらの方法で算出しました。「守備位置補正RCWIN通算記録」
代替補正得点は「600打席で2勝分」として算出しました。参考:「リプレイスメント・レベル~Part2」
打率+:リーグ平均を100としたときの打率傑出度
BABIP+:リーグ平均を100としたときのBABIP傑出度
三振率+:リーグ平均を100としたときの打数あたり三振率傑出度 数値が高いほど三振が少なく、優秀であることを示す
奪四死+:リーグ平均を100としたときの打席あたり奪四死球率傑出度
長打力+:リーグ平均を100としたときのIsoP(長打率-打率)傑出度
Yahoo!ニュースでこの記事を紹介していただきました!
球界は捕手不足に? 古田、城島らに続く“名捕手”はなぜ現れないのか(Full-Count)
各球団で絶対的なレギュラー捕手はごくわずか
ここ数年、球界を牽引する捕手の台頭が待望されている。各球団の捕手事情を見ても、絶対的なレギュラーと呼ばれる選手は、楽天の嶋基宏ら僅か。古田敦也、矢野燿大、谷繁元信、城島健司、阿部慎之助といったリード・守備力に加え、個性や打力を兼ね備えた各球団の「顔」とも言える強力な捕手が次々と現れた一時代前に比べると、やや寂しい状況となっている。