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違反球の再来?2015年セリーグ

今年の平均的な成績は過去と比べてどうなのか?

“飛ばない”時代に逆戻り?激減した本塁打、昨年比約60本のマイナス(ベースボールキング)

プロ野球が開幕して1ヶ月が経ち、2015年シーズンの色が徐々に見えてきました。
ここまでは例年と比べて投手戦が多く見られ、特にヤクルトはチーム防御率1点台を維持するなど、
2011年,2012年の「違反球時代」が思い起こされるような投高打低の様相となっています。

下は500打席あたりに換算したセリーグ野手平均打撃成績。

野手平均1

報道の通り対昨年比で本塁打数の顕著な減少が見られました。得点の減少はここに起因しているようです。
特に「500打席あたり6本」という値は2リーグ分立後では歴代最低値で、異常事態と言ってもいいかもしれません。

ストライクゾーンが広がった?本塁打激減、2015年プロ野球“異変”(産経新聞)

「ストライクゾーンが広がった」という報道もありましたが、ストライクゾーンに変更があれば三振と四球に変化が現れます。
(2001年→2002年のストライクゾーンの拡大に伴う、上表の三振数と四球数の変化が特に顕著)
2014年から2015年では両者の打席中の比率はあまり変わっておらず、この線は考えにくいでしょう。
そうなれば、ボールの変化に原因を求めるのは当然の帰結と言えます。

2011年、2012年の飛ばないボールは、俗に「違反球」と呼ばれていました。
このボールは当該2年間に行われた7度の反発係数検査において0.405-0.411の間の値を記録し、
1981年に下田コミッショナーが定めた基準(0.4134-0.4374)を下回っていたためこのように呼ばれたわけですが、
違反球騒動後の2014年に、NPBは反発係数の基準を事実上このボールに合わせる形で0.4034-0.4234に変更、
更に2015年には、選手会の要望で反発係数の基準は撤廃され、「0.4134を目標値とする」という記述に変わりました。
つまり、2011年,2012年に使用された球が今年の試合で使われたとしても、「違反球」にはならないのです。

2014年に使用されたボールが結果的に新基準の上限に近い値となったため、本質が見えづらくなっていますが、
(統一球以前と比べて)飛ばないボールを是とするNPBの姿勢は、依然として変わっていないように感じます。
その良否は別として、2011年,2012年のような環境に逆戻りする(している)可能性は十分考えられるでしょう。

同一の目標値を設定しているのに、昨年から今年で本塁打の数が半減している状況は正直どうなんだとも思いますが。
その辺りを確かめる意味でも、今年の反発係数の調査結果公表が待たれるところです。http://www.npb.or.jp/npb/cor_2014.html

こちらも違反球?2015年パリーグ

コメント

プロ野球・2015ボール。反発係数の撤廃

⇒更に大混乱へ! ▼2015ボールでは「反発係数」仕様が”撤廃”され(←最悪)、全く飛ばない球でも全て”合格品”扱いとなる。
 今シーズンになって、飛ばない球が出回り始めてるようだ。(2014年には、2014ボールの反発係数仕様は、2011・12のそれを許容していたから、飛ばない球が現れても不思議ではなかったが) ▼特殊在庫として保管されていたボールが放出され、紛れ込んだ? ◆あるゲームの中でも、<飛ぶ・飛ばない>球が混在することになり、選手は常に違和感を覚え、困惑することになる。

■肝心な仕様の一つが撤廃され、それに基づいて製造された品物(=魂の抜けた)をもはや「製品」とは呼べない。

4/29/2015
2015ボールでは反発係数仕様が撤廃されたが、明示されている”目標値”(=0.4134)から係数仕様の設定方法を提案しました。
ブログURL http://blogs.yahoo.co.jp/nipponsaisei_lab/38656769.html
=”プロ野球の統一球問題⑥NPB_”技術管理”能力なし_「反発係数」設定方法の提案2”  4/29/2015
 (”許容幅”でもって製造工程の狂い等によるバラつき分を吸収する。”許容幅”に入らない場合は、<飛び過ぎる・飛ばない>球として不良品扱いとする)←5/03/2015追加

5/02/2015
2015ボールの”反発係数の撤廃”までの履歴チャートを追加させていただきます。
ブログURL http://blogs.yahoo.co.jp/nipponsaisei_lab/38629275.html/
=”プロ野球の統一球問題⑤NPB_”技術管理”能力なし_2015規格!_再び大混乱へ”   4/15/2015

No title

説得力のあるデータ分析ですね。その後の意見にも同感です。
去年の「飛ぶボール」騒動自体、過去のデータおよび反発係数基準引き下げの事実すら知らない者による無用な騒動としか言いようがありません。

>今年の反発係数の調査結果公表が待たれるところです。
これに関してですがNPBに問い合わせてみたところ
「今年は特に問題がないので今のところ反発係数を公開する予定はありません」と言われました。
言葉は悪いですがどうやらNPBは反発係数データの隠蔽をし続けるつもりのようです。

なのでもしこれを読んでいる人の中で今年の「飛ばないボール」に不満を抱いている人
別に「飛ばないボール」とは思っていないけどNPBの隠蔽体質に憤懣やるかたないという人は
是非NPBに対して反発係数の公開を求める要望の電話をいれることを推奨します。(日本野球機構 03-6400-1189)
本来こういう問題はマスコミが率先して動くべきことなんですがまったくアテになりません。
個々のファンが声をあげていかない限り、本当にNPBの狙い通り情報は隠蔽されこの問題は何もなかったことにされてしまうでしょう。

No title

藤沢一郎さん、saaさん、コメントありがとうございます。

>藤沢一郎さん
各球団が好みの使用球を自由に選択できなくなった点は当時と異なりますが、
基準値が撤廃されたというのは、1980年以前の状況に逆戻りしたのと同じですからね。

>saaさん
>「今年は特に問題がないので今のところ反発係数を公開する予定はありません」と言われました。
これは驚きました。そもそも基準値が存在しないので「問題が無い」のは当然のような気がするんですが、ただただ残念な話です。
これまでNPBとミズノの製造したボールの反発係数が、設計段階で想定したと思われる目標値から悉く外れている経緯から考えて、
「反発係数は公表しないがボールを信頼しろ」という主張は無理がある、と個人的には感じるところです。
それとは別に「今の目標値の設定自体が、国際試合への対応や興行面から考えて妥当かどうか」の検証も難しくなってしまいました。

No title

「セリーグ平均的な野手打撃成績」の定義がはっきりしないので、検証にならないですね。データからこの問題を見るには、もともと四球を選ぶ確率の高い選手(阪神・鳥谷など)に特化して分析しないと、明確な数値の特徴は検証できないと思いますよ。

今の時代、画像分析できる訳ですから、単純に、全配球と、ホームベースとの相関距離を測ればいいだけです。とても浅い分析です。

関係無いですが、このページのレイアウト設定?がおかしいんではないですか?
横に拡がっていて、すべての文字が読めませんよ。(IE、FIrefoxでも。)

Re: No title

meruさん、コメントありがとうございます。

「セリーグ平均的な野手打撃成績」の定義ですが、野手全体の打撃成績を500打席当たりに換算したものです。
「打席数の差による有利不利を解消したリーグ総本塁打、総四球、総三振etc」とお考えください。
平均比較を行う場合には一般的な定義なので省略しましたが、説明不足でしたね。
個人的には特定のタイプの打者を抽出しないと見えないような傾向である場合、全体に与える影響は限定的ではないかと考えます。

ストライクゾーンの疑惑については、meruさんの仰る通り映像から解析できれば手っ取り早いのですが、
MLBやKBOで導入されているPITCHf/xどころか、センターカメラからの映像も得られない状況ですから、
現在のNPBにおいて投球軌道の厳密な映像解析を行うのは非現実的ではないでしょうか。

レイアウトについては申し訳ありません。4:3のモニターで見ると端が切れてしまうようです。
近い内に修正したいと思います。

No title

今年のセリーグも打低ですねえ。昨日は同時に2試合、この一週間で1-0の試合が5試合もあり、見てる方もうんざりしてきます。
計算の結果今年の4/25終了の現時点でリーグ野手出塁率が.321、長打率が.345、opsが.667のようですから、同時期の2015年よりも強烈な打低環境にあるようですね。
経験則上夏場にやや打低傾向が回復するのですが、最終的には2015以下2012以上の歴史的打低年になりそうです。

Re: No title

しさん、コメントありがとうございます!

今季はまた投手戦が増えてきましたよね。仰るようにこのままいくと歴史的打低年になりそうな気配がしていますね。
データとして見ると特にホームランが出ていないみたいで、長打率が非常に低くなっていますね。
セリーグで平均長打率が.350以下になるのは1957年以来実に60年ぶりです。

「夏場に防御率が落ちる傾向にある」というのは以前、DELTAの市川さんがデータを元に指摘されていましたね。
「夏場になると投手がスタミナ切れを起こして打高気味になる」という話はよく聞きますが、
年中投げている投手なんて極一部ですし、投球回に影響が出ていないのを見るとあまり関係ないような気がしています。

個人的には単純に気温が上がることで空気抵抗が下がって、
打球の飛距離が伸びているのが大きいんじゃないかと思っています。
例えばゴルフだと季節によって飛距離に顕著な影響が出ることが知られているようで。

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 2017年各種パークファクター
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 2016年各種パークファクター
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 セリーグの犠打減少を考える
 糸井嘉男の成績低下リスクを考える


■2015年の特筆記事
 2000本安打の展望
 違反球の再来?2015年セリーグ
 こちらも違反球?2015年パリーグ
 秋山と柳田が挑む、もうひとつの日本記録
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 山田哲人は何位?二塁手シーズンHR記録
 二塁手史上最高の打撃?2015年山田哲人
 30HRと30盗塁の両立
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 坂本勇人、7年連続二桁本塁打
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 2015年はどのくらい打低だったのか?
 2015年各種パークファクター

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