坂本勇人、7年連続二桁本塁打(NPB遊撃手の二桁本塁打記録)
- 2015/09/02
- 22:04
はじめに
昨年、「遊撃手の6年連続二桁本塁打は歴代8位の最長記録」と結論付けましたが、今年もやってくれました。【巨人】坂本、7年連続2ケタ本塁打「いい打撃を見せられて良かった」(スポーツ報知)
◆巨人―ヤクルト(2日・金沢)
巨人の坂本勇人内野手(26)が、2日のヤクルト戦(石川)で、7年連続2ケタ本塁打を達成した。0―2の初回1死一塁、2ストライク2ボールから左越えに10号2ラン。小川の132キロの高めフォークを弾丸ライナーでたたき込んだ。
7年連続二桁本塁打は歴代何位に相当するでしょうか?昨年とほぼ同じ表になりますが、今年も見ていきましょう。
遊撃手の7年連続二桁本塁打はどのくらい凄いのか?

※背景灰色は遊撃手以外のポジションで出場した年です。年齢は該当シーズンを含む年に迎える満年齢を記載。
遊撃手として二桁本塁打7回は歴代8位タイに相当する記録になります。二岡智宏・高橋慶彦に並びました。
更に上を見ると宇野勝・池山隆寛・野村謙二郎・藤田平・中島裕之が9回、田中幸雄が10回、豊田泰光が歴代最多の13回記録。
坂本が豊田の記録に追いつくのは、早くても33歳のシーズン。遊撃手としては黄信号が点灯し始める年齢です。
遊撃手の二桁本塁打連続記録も豊田泰光の13年連続(1953年-1965年)が歴代最長。
次点が池山隆寛(1987年-1995年)・野村謙二郎(1990年-1998年)・中島裕之(2004年-2012年)の9年連続で、
坂本の7年連続(2009年-2015年)はこれに次ぐ歴代5位タイの記録となりました。
田中幸雄(1995年-2001年)・宇野勝(1979年-1985年)・高橋慶彦(1983年-1989年)と並んでいます。
HRペースから見る、現在の坂本の位置付け
坂本勇人は2015年12月に27歳の誕生日を迎えます。
坂本は現在通算125本の本塁打を記録していますが、これは27歳の遊撃手としては歴代5位に相当する記録です。
□歴代遊撃手27歳時点までの本塁打推移(2015年9月2日時点/100本塁打以上)

1位は190HRの豊田泰光。30HR弱で本塁打王が獲れる打低時代に、安定して20HR以上を記録しました。
2位は187HRの宇野勝、3位は177HRの池山隆寛。この二人はHRの積み上げがぴったり重なっていて面白いですね。
4位は135HRの藤田平。打低時代かつ甲子園が本拠地であることを考えると、素晴らしいペースです。
5位が125HRの坂本勇人。22歳時点では豊田に次ぐHR数でしたが、23歳時に低反発統一球が導入され今に至ります。
6位は117HRの松井稼頭央。ボールの高反発化の影響もありますが、経年と共に綺麗に本塁打が増えていっています。
7位は113HRの中島裕之。ブレイク年に27HRを記録しましたが、以降はアベレージ型にスタイルチェンジ。
8位は103HRの田中幸雄。25歳のシーズンは全休。26歳、27歳のシーズンは外野手としてのプレーです。
□遊撃手通算本塁打記録[1936-2015](最も多い先発出場守備位置が遊撃手の選手)
*1位 338HR [1978年-1994年] 宇野勝
*2位 304HR [1984年-2002年] 池山隆寛
*3位 292HR [1973年-1995年] 真弓明信
*4位 287HR [1986年-2007年] 田中幸雄
*5位 263HR [1953年-1969年] 豊田泰光
*6位 207HR [1966年-1984年] 藤田平
*7位 197HR [1995年-2015年] 松井稼頭央
*8位 173HR [1999年-2013年] 二岡智宏
*9位 172HR [2002年-2015年] 中島裕之
10位 169HR [1989年-2015年] 野村謙二郎
11位 163HR [1977年-1992年] 高橋慶彦
12位 149HR [1967年-1983年] 三村敏之
13位 129HR [1974年-1987年] 山下大輔
14位 126HR [1963年-1967年] T.ロイ
15位 125HR [2004年-2015年] 鳥谷敬
15位 125HR [2007年-2015年] 坂本勇人
15位 125HR [1946年-1953年] 杉浦清
現役の松井と中島を除き、27歳までに100HR以上を記録した遊撃手は引退までに必ず通算200HRを達成しています。
遊撃手で通算200HRは過去に達成者が6人しかいない大記録。今後坂本の名前がここに加わるか注目です。
ポジション別通算記録 ポジション別の通算安打と通算本塁打ほか