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RSWINで見る強力勝利の方程式


RSWINとは

RSWINは勝利数を基準として投球貢献を測る指標です。
「平均的な投手と比べて投球でチームの勝利数をいくつ増やしたか」を示します。
「平均的な投手と比べて投球でチームの失点数をいくつ減らしたか」を失点率から算出して勝利数に変換したものです。

2007年の阪神タイガースでは、久保田智之と藤川球児がRSWIN5.03を稼ぎました。
これは2人が「平均的な投手と比べて投球でチームの勝利数を約5個増やした」ことを意味しており、
同年の阪神は2人の投球だけで10個もの貯金を作ることができた、と評価できます。

本記事ではこのRSWINを使って、日本プロ野球の歴史における勝利の方程式ベスト50を選出しました。

注意点

・選手の所属チームの勝敗成績から逆算して算出する訳ではないので、
 「強豪チームに在籍しているから有利、弱小チームに在籍しているから不利」ということは起こり得ません。
・先発投手を除外するために「先発登板6以上」の投手を集計から除外しました。
・同年同チームの1位/2位の組み合わせのみを集計しました。

□歴代強力勝利の方程式[1936-2020]
順位 RSWin 年度/球団 選手 投球成績 RSWin 選手 投球成績 RSWin
1位 5.03 2007阪神 久保田智之 *0S 46H 108.0回 防1.75 2.55 藤川球児 46S *6H *83.0回 防1.63 2.48
2位 4.59 2005阪神 藤川球児 *1S 46H *92.1回 防1.36 2.58 久保田智之 27S *3H *80.2回 防2.12 2.00
3位 4.46 2013巨人 西村健太朗 42S 10H *71.2回 防1.13 2.38 マシソン *0S 40H *61.0回 防1.03 2.08
4位 4.46 1987広島 川端順 *2S *0H 130.1回 防2.42 2.61 津田恒実 18S *0H *65.2回 防1.64 1.85
5位 4.29 1987中日 郭源治 26S *0H *98.0回 防1.56 2.80 宮下昌己 *2S *0H 107.1回 防3.02 1.50
6位 4.25 2006阪神 藤川球児 17S 30H *79.1回 防0.68 3.15 ウィリアムス *3S 26H *47.1回 防1.90 1.10
7位 4.24 2002ヤクルト 石井弘寿 *5S *0H *89.2回 防1.51 2.61 五十嵐亮太 *4S *0H *78.0回 防2.08 1.63
8位 4.23 2003西武 豊田清 38S *0H *58.0回 防1.24 2.32 森慎二 *2S *0H *70.0回 防2.31 1.91
9位 4.13 2011中日 浅尾拓也 10S 45H *87.1回 防0.41 3.24 小林正人 *0S 18H *31.0回 防0.87 0.89
10位 4.12 1999ダイエー 篠原貴行 *0S *0H *79.1回 防1.25 2.76 ペドラザ 27S *0H *59.0回 防1.98 1.36
11位 4.08 2014中日 福谷浩司 11S 32H *74.2回 防1.81 2.13 又吉克樹 *2S 24H *81.1回 防2.21 1.95
12位 4.07 2010中日 浅尾拓也 *1S 47H *80.1回 防1.68 2.47 髙橋聡文 *0S 31H *61.1回 防1.61 1.61
13位 4.05 1982中日 牛島和彦 17S *0H *77.1回 防1.40 2.30 堂上照 *0S *0H *65.1回 防1.24 1.74
14位 4.00 2014オリックス 佐藤達也 *1S 42H *74.1回 防1.09 2.31 比嘉幹貴 *0S 20H *56.2回 防0.79 1.70
15位 4.00 2009ソフトバンク 攝津正 *0S 34H *79.2回 防1.47 2.58 ファルケンボーグ *1S 23H *51.2回 防1.74 1.41
16位 3.96 2003中日 岩瀬仁紀 *4S *0H *63.2回 防1.41 2.22 落合英二 *1S *0H *56.0回 防1.77 1.74
17位 3.90 1994近鉄 赤堀元之 24S *0H *94.0回 防1.82 2.81 池上誠一 *0S *0H *54.1回 防2.65 1.09
18位 3.89 2017ソフトバンク サファテ 54S *3H *66.0回 防1.09 2.16 岩嵜翔 *2S 40H *72.1回 防1.99 1.72
19位 3.86 2009阪神 アッチソン *0S 30H *90.0回 防1.70 2.11 藤川球児 25S *3H *57.2回 防1.25 1.76
20位 3.83 1980巨人 鹿取義隆 *3S *0H *86.0回 防1.78 2.24 角三男 11S *0H *79.0回 防2.28 1.59
21位 3.76 1997横浜 佐々木主浩 38S *0H *60.0回 防0.90 2.30 島田直也 *1S *0H *84.2回 防2.55 1.45
22位 3.75 2003阪神 安藤優也 *5S *0H *61.0回 防1.62 1.99 ウィリアムス 25S *0H *52.2回 防1.54 1.77
23位 3.75 2015ソフトバンク サファテ 41S *9H *64.2回 防1.11 2.17 五十嵐亮太 *2S 31H *52.0回 防1.38 1.58
24位 3.74 2014ソフトバンク サファテ 37S *7H *68.1回 防1.05 2.13 五十嵐亮太 *2S 44H *59.1回 防1.52 1.61
25位 3.73 2010ソフトバンク ファルケンボーグ *1S 39H *62.0回 防1.02 2.00 馬原孝浩 32S *2H *60.2回 防1.63 1.73
26位 3.72 2012中日 山井大介 15S 13H 101.0回 防1.43 1.91 田島慎二 *0S 30H *70.2回 防1.15 1.81
27位 3.72 1984広島 小林誠二 *9S *0H 130.2回 防2.20 2.63 古沢憲司 *0S *0H *49.0回 防1.47 1.09
28位 3.70 1990西武 潮崎哲也 *8S *0H 102.2回 防1.84 2.84 鹿取義隆 24S *0H *45.0回 防3.00 0.85
29位 3.68 2009巨人 山口鉄也 *4S 35H *78.0回 防1.27 2.39 クルーン 27S *1H *50.0回 防1.26 1.29
30位 3.68 2012巨人 山口鉄也 *5S 44H *75.1回 防0.84 2.36 福田聡志 *0S 17H *61.2回 防1.61 1.31
31位 3.64 1993近鉄 赤堀元之 26S *0H *82.2回 防1.52 1.86 佐野重樹 *3S *0H *76.2回 防2.00 1.79
32位 3.63 2001横浜 斎藤隆 27S *0H *64.2回 防1.67 1.86 木塚敦志 *3S *0H *90.2回 防2.48 1.76
33位 3.63 1992近鉄 赤堀元之 22S *0H 130.0回 防1.80 3.34 清川栄治 *5S *0H *44.0回 防3.07 0.29
34位 3.62 1983西武 森繁和 34S *0H *85.0回 防1.48 2.69 永射保 *0S *0H *41.0回 防2.41 0.93
35位 3.61 2017楽天 福山博之 *7S 23H *59.2回 防1.06 1.97 松井裕樹 33S *5H *52.2回 防1.20 1.64
36位 3.56 1999オリックス 小倉恒 11S *0H 103.2回 防2.17 2.52 ウィン *4S *0H *63.0回 防2.29 1.04
37位 3.56 1981巨人 角三男 20S *0H 104.1回 防1.47 3.01 鹿取義隆 *0S *0H *37.2回 防2.39 0.55
38位 3.53 1987巨人 鹿取義隆 18S *0H *94.2回 防1.90 2.22 廣田浩章 *0S *0H *46.0回 防1.76 1.30
39位 3.52 2000ダイエー 渡辺正和 *0S *0H *85.0回 防2.54 1.82 吉田修司 *1S *0H *95.2回 防3.01 1.70
40位 3.52 1989広島 津田恒実 28S *0H *83.0回 防1.63 2.28 紀藤真琴 *7S *0H *90.2回 防2.68 1.24
41位 3.51 2008阪神 藤川球児 38S *5H *67.2回 防0.67 2.61 江草仁貴 *0S *9H *58.1回 防2.78 0.90
42位 3.42 2016広島 中﨑翔太 34S *7H *61.1回 防1.32 1.76 ジャクソン *0S 37H *68.1回 防1.71 1.66
43位 3.41 2015楽天 松井裕樹 33S 12H *72.1回 防0.87 2.63 青山浩二 *0S 31H *57.2回 防2.81 0.78
44位 3.41 1997ロッテ 河本育之 25S *0H *73.1回 防1.96 1.75 吉田篤史 *2S *0H *63.1回 防1.56 1.67
45位 3.41 2004中日 岡本真也 *0S *0H *75.1回 防2.03 2.04 岩瀬仁紀 22S *0H *64.1回 防2.80 1.37
46位 3.40 2000西武 森慎二 23S *0H *78.2回 防1.83 2.55 土肥義弘 *0S *0H *49.2回 防2.90 0.85
47位 3.39 1993西武 潮崎哲也 *8S *0H *83.2回 防1.18 2.44 鹿取義隆 16S *0H *68.0回 防2.25 0.95
48位 3.33 1992阪神 弓長起浩 *4S *0H *80.0回 防1.35 2.22 御子柴進 *0S *0H *59.0回 防1.53 1.11
49位 3.31 2016西武 牧田和久 *0S 25H *78.2回 防1.60 2.12 増田達至 28S *5H *54.1回 防1.66 1.19
50位 3.31 1997ヤクルト 高津臣吾 *7S *0H *79.1回 防2.04 1.81 伊藤智仁 19S *0H *47.2回 防1.51 1.50 

1位2位をJFKが占める結果になりました。歴史的に見てもかなり強力な救援陣だったようですね。

RSWIN通算記録         現役TOP50と歴代TOP100
RSWINシーズン記録       現役TOP50と歴代TOP100
RSWINで見る強力ダブルエース  同年同チーム2先発投手の合計値 歴代TOP50
RSWINで見る強力勝利の方程式  同年同チーム2救援投手の合計値 歴代TOP50

補正RSWIN通算記録       現役TOP50と歴代TOP100 ※球場補正+守備力補正版
補正RSWINシーズン記録     現役TOP50と歴代TOP100 ※球場補正+守備力補正版
救援RSWIN通算記録       歴代TOP50 ※リリーフ投手限定
救援RSWINシーズン記録     歴代TOP50 ※リリーフ投手限定

コメント

No title

2000年代のコンビが多くランクインしていることから
リリーフ運用の変遷が垣間見られるようで面白いですね
またダブルエースの記事も含め、出てくる名前が打撃に比べ多様なように見えます
これを見る限り打撃よりも投手のほうが水物と言えるかもしれません

Re: No title

カンザスさん、コメントありがとうございます!

現代に至る「1投手1イニング制」時代の選手が上位の多くを占めているのを見ると、
リリーフ投手がポテンシャルを最大限に発揮するには今の運用法が最適なのかもしれませんね。
現場が施行錯誤を積み重ねた末にここにたどり着いたと考えると、なかなか感慨深いものがあります。

対戦チームによって守備陣が移り変わり、影響が均一化される打撃と比べると、
投球は守備陣が同僚で固定されて基本的に変わらないので、
本人の関与できない守備の影響がノイズとなって現れやすいのが主な原因だと思いますが、
三振や四球など、守備の入り込む余地のない要素についても打撃より投球の方が年度相関が悪いようですね。

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 歴代打線得点力評価[-2020]
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 パPF 得点 本塁打 BABIP
単打 二塁打 三塁打
三振 四球 FIP
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 ポジション別
 

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 投球歴代記録[-2020]
 通算 シーズン 防御率傑出度
 通算 シーズン 奪三振率傑出度
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■選手の個人評価
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 2017年 セリーグ パリーグ
 2016年 セリーグ パリーグ
 2015年 セリーグ パリーグ
 2014年 セリーグ パリーグ
 2013年 セリーグ パリーグ
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 2015年打者の通信簿
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■2018年の特筆記事
 現役打者の2000本安打達成確率を考える
 現役20代選手の通算安打(2018年版)

■2017年の特筆記事
 現役20代選手の通算安打(2017年版)
 「8番投手」は珍しいのか?
 2017年各種パークファクター
 2017広島打線は史上最強か?

■2016年の特筆記事
 2016年における2000本安打の展望
 2016年広島打線、得点力向上の要因は?
 2016年各種パークファクター
 パリーグ野手編成と野手運用の私的評価
 セリーグの犠打減少を考える
 糸井嘉男の成績低下リスクを考える


■2015年の特筆記事
 2000本安打の展望
 違反球の再来?2015年セリーグ
 こちらも違反球?2015年パリーグ
 秋山と柳田が挑む、もうひとつの日本記録
 秋山翔吾の安打記録更新の確率を考える
 「余剰安打」で見る、安打新記録の価値
 山田哲人は何位?二塁手シーズンHR記録
 二塁手史上最高の打撃?2015年山田哲人
 30HRと30盗塁の両立
 三浦大輔、23年連続安打
 谷繁元信、27年連続本塁打
 坂本勇人、7年連続二桁本塁打
 阪神タイガース、得失点差-59で貯金
 2015年はどのくらい打低だったのか?
 2015年各種パークファクター

■考察のようななにか
 □分析結果系
 貯金と得失点差の関係を整理する
 徹底比較 ダルビッシュ有と田中将大
 平成の大投手 三浦大輔
 ポスト松井稼頭央時代の遊撃手総合力評価
 恐怖の8番打者
 稲葉篤紀、現役引退表明
 0本塁打のスラッガー
 シーズン二桁本塁打に関する記録
 20盗塁カルテットに関する記録
 ピタゴラス勝率を用いた采配評価の妥当性
 鈴木啓示の先発勝利に関する疑義
 セリーグの野手世代交代に関する考察
 □分析手法系
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