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2015年の二軍を俯瞰する 読売ジャイアンツ編

読売ジャイアンツ一軍の弱みは?

pac2015g1.png 

2015年は75勝67敗1分、勝率.528を記録し2位となりました。詳しくは2015年戦力分析とドラフトを参照。

投手は失点率ベースとFIPベースの両面で、広島に次ぐセリーグ2位の内容となっています。
今季は内海哲也杉内俊哉山口鉄也ら在来の戦力が三連覇時と比べて大きく成績を落としましたが、
先発陣は新戦力による代替が成功した一方で、救援陣は勝ちパターンを担う選手がやや不足している印象です。

野手はwRAAによるポジション別の打撃得点と、DELTA社のUZRによるポジション別の守備得点を見ると、
一塁手、三塁手、左翼手、右翼手で構成される攻撃型ポジションでの攻撃力不足が目立ちました。
二軍からは育成に必要な手間に対して恩恵の少ない一塁手を除く、三塁手、左翼手、右翼手に選手を送り出したいところです。

読売ジャイアンツ二軍投手を俯瞰する

paf2015g2.png 
※失点率ベース投球得点はDERに基づいて守備補正をかけたものを使用しました。
※FIPベース投球得点は失点率スケールに変換したものを使用しました。


チーム防御率3.11はイースタンリーグ7チームの中で1位の記録ながら、チームFIP3.50は同3位にとどまります。
一軍と同様に二軍も抜群のチームDERを記録しており、野手の守備力の高さが防御率の背景にあるようです。
20代後半以上の調整登板が非常に多くなっており、若手の育成に当てられる出場枠を圧迫している状況です。

読売ジャイアンツ二軍野手を俯瞰する

paf2015g1.png
※リーグ全体平均に対する各ポジションの平均打力は、1996年-2015年における一軍ポジション別wOBAを元に算出しました。

内野は期待の若手をレギュラーとして重点的に起用しているのが目を引く一方、
外野は一軍でレギュラーを固定できなかったためか、待機戦力の調整出場に当てられる対照的な内容です。
今オフは外野手を中心に退団となった選手が多く、三軍の設置に向けて戦力整理が進んでいる印象を受けました。

一軍の弱みである三塁手と両翼の状況

三塁手はドラフト1位高卒ルーキーの岡本和真が二軍レギュラーに固定されました。
打撃に関しては奪四球力、コンタクト力、長打力のいずれでも強みを作り出せていないものの、
RRFによる算定で強力な奪アウト力を記録しており、守備面の働きでチームDERを大きく押し上げたと考えられます。

外野全体で見れば、中堅手メインで起用された橋本到立岡宗一郎大田泰示が一軍定着を果たしました。
ただし、橋本と立岡はどちらかと言えば守備型の外野手であり、両翼で起用するには打撃の物足りなさが否めないため、
二軍レベルで見れば規格外の長打力を持つ大田泰示をもう一伸びさせ、一軍の両翼のどちらかに固定したいところです。

二軍の強みは投手と三遊間

投手は前述の通り、若手に出場機会を上手く与えられているとは言い難い状況となっていますが、
21歳の今村信貴、20歳の田口麗斗平良拳太郎が良い働きを見せました。少数精鋭方式で上手く育成できている印象です。
一軍も含めて先発投手陣は駒数が非常に豊富で、しばらくの間は他球団に対してアドバンテージを維持出来そうです。

野手は前述の三塁手に加えて、21歳の辻東倫が固定された遊撃手が二軍の強みとなっています。
今季は97試合において先発出場を記録しましたが、日本ハム高濱(三塁)に次ぐ2番目に高い同一ポジションでの固定率でした。
一軍での戦力化に向けてはもう一伸びが欲しいところですが、打撃面と守備面で穴が無いのは大きな魅力です。

二軍の弱みは両翼

両翼は二軍戦において両翼で多く出場した隠善智也横川史学が引退したことに加え、
更に上記の3人の一軍出場が増加したことで、育成に当てられる外野手の二軍出場枠が増える見込みであるのに対し、
若手外野手が不足しているのが現状です。今後はドラフトなどで頭数を重点的に増やしていくべきでしょう。

また人材が守備型ポジションに偏っており、打撃に優れる攻撃型の野手が少ないのが二軍全体の特徴です。
この点は一軍の戦力編成とも共通しているため、一軍の弱点を補うような編成になっていないのは惜しい点でしょう。

2015年巨人打線二軍  
※「○○+」はBABIP、三振/打席(K%)、四球/打席(BB%)の傑出度を示す
※「ISO+」は長打率傑出度と打率傑出度の差から算出したISOの傑出度を示す


2015年の二軍を俯瞰する
2015年の二軍を俯瞰する 福岡ソフトバンクホークス編
2015年の二軍を俯瞰する 北海道日本ハムファイターズ編
2015年の二軍を俯瞰する 千葉ロッテマリーンズ編
2015年の二軍を俯瞰する 埼玉西武ライオンズ編
2015年の二軍を俯瞰する オリックス・バファローズ編
2015年の二軍を俯瞰する 東北楽天ゴールデンイーグルス編
2015年の二軍を俯瞰する 東京ヤクルトスワローズ編
2015年の二軍を俯瞰する 読売ジャイアンツ編
2015年の二軍を俯瞰する 阪神タイガース編
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2015年の二軍を俯瞰する 横浜DeNAベイスターズ編

コメント

No title

若手投手の出場機会の少なさが三軍制導入に踏み切らせたのでしょうか
若手野手の打席は確保できていますが打力が物足りないので、育成も含め積極的に打撃型の野手を指名していきたいところです
四球、長打とも平均を割り込む選手が多く、ドラフトや育成方針の見直しが必要かもしれませんね

Re: No title

カンザスさん、コメントありがとうございます!

野球賭博の問題もありましたから、三軍制導入はイメージの払拭も狙いの一つだと思いますね。

> 若手野手の打席は確保できていますが打力が物足りないので、育成も含め積極的に打撃型の野手を指名していきたいところです
> 四球、長打とも平均を割り込む選手が多く、ドラフトや育成方針の見直しが必要かもしれませんね
今の状況は巨人の歴史からすればかなり珍しい状況でしょうね。いつの時代も生え抜きの主砲が居ましたから。

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 現役20代選手の通算安打(2018年版)

■2017年の特筆記事
 現役20代選手の通算安打(2017年版)
 「8番投手」は珍しいのか?
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 2016年広島打線、得点力向上の要因は?
 2016年各種パークファクター
 パリーグ野手編成と野手運用の私的評価
 セリーグの犠打減少を考える
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 2000本安打の展望
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 「余剰安打」で見る、安打新記録の価値
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 30HRと30盗塁の両立
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 坂本勇人、7年連続二桁本塁打
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 2015年はどのくらい打低だったのか?
 2015年各種パークファクター

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 20盗塁カルテットに関する記録
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 鈴木啓示の先発勝利に関する疑義
 セリーグの野手世代交代に関する考察
 □分析手法系
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