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2015年の二軍を俯瞰する オリックス・バファローズ編

オリックス・バファローズ一軍の弱みは? 

2015年は61勝80敗2分で勝率.433を記録し、5位に沈みました。詳しくは2015年戦力分析とドラフトを参照。

投手は金子千尋平野佳寿佐藤達也比嘉幹貴ら中軸を担う選手の故障が相次いだシーズンとなりました。
先発陣は西勇輝東明大貴の成長でこれをカバーできたものの、救援陣は若手の台頭も乏しく崩壊の様相を呈しました。
現状維持でも来季は故障者の復帰による回復が期待できますが、二軍からも救援中心に投手を送り出したいところです。

野手はwRAAによるポジション別の打撃得点と、DELTA社のUZRによるポジション別の守備得点を見ると、
今季から新しく加入した中島裕之ブランコ小谷野栄一が上手くはまらなかった一三塁、
若手の駿太が重点的に起用されたものの、首脳陣の期待に応えられなかった中堅手のマイナスが大きくなっています。
既に三塁手にはモレル、中堅手にはボグセビックを補強していますが、二軍の状況はどうなっているでしょうか。

オリックス・バファローズ二軍投手を俯瞰する

paf2015bs2.png 
※失点率ベース投球得点はDERに基づいて守備補正をかけたものを使用しました。
※FIPベース投球得点は失点率スケールに変換したものを使用しました。


25歳以下の若手に投球回を多く割り当てており、チームの将来を見据えた起用がなされているものの、
チーム防御率4.26、FIP3.92は共にウエスタンリーグ5チームの中では最下位の数値です。

オリックス・バファローズ二軍野手を俯瞰する

paf2015bs1.png
※リーグ全体平均に対する各ポジションの平均打力は、1996年-2015年における一軍ポジション別wOBAを元に算出しました。

若手育成のメリットが少ない一塁手と指名打者、若手が少ない遊撃手を除くすべてのポジションにおいて
20歳前後の若手が最多出場選手となっており、こちらも世代交代を見据えた起用がなされているようです。

選手輩出を狙いたいポジションの状況

救援陣は目ぼしい成績を残している投手は少なく、二軍からの選手供給を期待するのは難しい状況となっています。
全体の育成不振が目立つ中、チーム最多の49試合に登板した27歳の大山暁史がFIP2点台を記録する活躍を見せました。
チームの投手事情を鑑みるに一軍で試す機会はあったように感じますが、今季は一軍登板がありませんでした。

三塁手はチーム全試合の約2/3に相当する71試合において、20歳の奥浪鏡が先発起用されました。
高卒2年目のシーズンにあたる今季はリーグ3位の45四球を選ぶなど、持ち前の長打力に加えて奪四球力の向上も見られました。
来季中の奪取はあまり現実的ではありませんが、将来的には三塁手レギュラーの候補となるのではないでしょうか。

中堅手は2年連続でレギュラーとして起用されている、21歳の武田健吾が伸び悩んでいます。
3年間の奪アウト率を見る限り、定評のある守備面では良い働きを見せているだけに、打撃面でもう一伸びが欲しいところ。
コンタクト力の高さを示す三振の少なさは魅力ながら、長打力と奪四球力を伸ばさないと一軍定着は難しそうです。

期待の若手は若月健矢(捕)、伏見寅威(捕)、堤裕貴(二)

二軍で正捕手を務めた若月健矢は高卒2年目の20歳。高校通算28HRの長打力はプロでも発揮されており、
ウエスタンリーグの捕手では阪神の梅野(5HR)に次ぐリーグ2位の4HRを記録しています。
今季は9月25日に一軍登録されると、4試合において先発出場を記録する躍進のシーズンとなりました。

伏見寅威は大卒3年目の25歳。今季はシーズン中盤以降、長く一軍に帯同することが出来ました。
今季は二軍での打撃は振るいませんでしたが、2013年と2014年は捕手平均を大きく上回る打撃成績を残しています。
パの他球団が苦労する中、捕手育成が順調に進むオリックスは他球団に対してアドバンテージを築けるかもしれません。

堤裕貴は高卒4年目の22歳。3年間に渡り二遊間においてレギュラーとして起用されています。
昨季からBABIPを一割近く落としたため打率は.227と奮いませんでしたが、三振/四球比の優秀さは大きな魅力です。
来季の正二塁手は西野真弘が基本線でしょうが、平野恵一が抜けた一軍のレギュラー争いに食い込んでいきたいところです。

今後、選手の補充が必要なポジション

投手は若手を多く起用しているものの、二軍で際立った成績を残すプロスペクトは少ないのが現状ですが、
これは投手育成の不振ではなく、獲得した即戦力投手が上手く一軍に定着している裏返しではないかと考えられます。
ただし、二軍の出場機会を最大限に活かすため、これからも投手の人材を数揃えていきたいところです。

野手では遊撃手と外野手は高齢化が進んでおり、若手選手の補充が必要となっています。
遊撃手については2015年のドラフトで即戦力選手を2人獲得し、来季は若手育成に当てることが可能な状況となっていますが、
一軍と二軍を通じてチームの弱点となっている中堅手に関しては、ドラフトでの上位指名はありませんでした。

2015年オリックス打線二軍 
※「○○+」はBABIP、三振/打席(K%)、四球/打席(BB%)の傑出度を示す
※「ISO+」は長打率傑出度と打率傑出度の差から算出したISOの傑出度を示す


2015年の二軍を俯瞰する
2015年の二軍を俯瞰する 福岡ソフトバンクホークス編
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2015年の二軍を俯瞰する 千葉ロッテマリーンズ編
2015年の二軍を俯瞰する 埼玉西武ライオンズ編
2015年の二軍を俯瞰する オリックス・バファローズ編
2015年の二軍を俯瞰する 東北楽天ゴールデンイーグルス編
2015年の二軍を俯瞰する 東京ヤクルトスワローズ編
2015年の二軍を俯瞰する 読売ジャイアンツ編
2015年の二軍を俯瞰する 阪神タイガース編
2015年の二軍を俯瞰する 広島東洋カープ編
2015年の二軍を俯瞰する 中日ドラゴンズ編
2015年の二軍を俯瞰する 横浜DeNAベイスターズ編

コメント

投打とも若手を優先して起用しており、一軍で戦力化できていない中堅以上の選手の首切りも行っているので
年齢的にはバランスのよい編成となっています
ただ能力的に物足りない若手が多く、一軍レベルに達するにはまだ時間がかかりそうですね
特にパリーグのセンターのレベルと、糸井の年齢を考えると
センター、ライトに打力のある若手を用意しておきたいところです

Re: タイトルなし

カンザスさん、コメントありがとうございます!

将来を見据えた起用がなされているのは事実なのですが、108試合での得失点差-132では物足りませんね。
近年では付け焼刃的な補強が目立つため、世代交代のリミットは着実に近づいてきているのですが、間に合うかはやや不安です。

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 通算 シーズン RSWIN(リリーフ)
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 二軍PF 2019 2018 2017
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 パPF 得点 本塁打 BABIP
単打 二塁打 三塁打
三振 四球 FIP
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 現役打者の2000本安打達成確率を考える
 現役20代選手の通算安打(2018年版)

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 2017年各種パークファクター
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 2016年各種パークファクター
 パリーグ野手編成と野手運用の私的評価
 セリーグの犠打減少を考える
 糸井嘉男の成績低下リスクを考える


■2015年の特筆記事
 2000本安打の展望
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 二塁手史上最高の打撃?2015年山田哲人
 30HRと30盗塁の両立
 三浦大輔、23年連続安打
 谷繁元信、27年連続本塁打
 坂本勇人、7年連続二桁本塁打
 阪神タイガース、得失点差-59で貯金
 2015年はどのくらい打低だったのか?
 2015年各種パークファクター

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 □分析結果系
 貯金と得失点差の関係を整理する
 徹底比較 ダルビッシュ有と田中将大
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 0本塁打のスラッガー
 シーズン二桁本塁打に関する記録
 20盗塁カルテットに関する記録
 ピタゴラス勝率を用いた采配評価の妥当性
 鈴木啓示の先発勝利に関する疑義
 セリーグの野手世代交代に関する考察
 □分析手法系
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 守備イニング推定手法の改良案
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 外野補殺指標試案
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