日本ハム打者の打撃内容を見る2015年の北海道日本ハムファイターズにおいて200打席以上を記録した8人の打者について、
どの要素が効いて良い打撃成績を記録できたのか、どの要素が足を引っ張って悪い打撃成績を記録してしまったのか、
BABIP、K%(三振/打席)、BB%(四球/打席)、ISO(=長打率-打率)の観点から分析を行っていきたいと思います。
分析対象とした選手(シーズン200打席以上)
中島卓也・中田翔・田中賢介・レアード・西川遥輝・近藤健介・陽岱鋼・岡大海
中島卓也[24歳/遊撃手/617打席]
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。長打力は一軍レギュラーでは最低クラスながら、俊足を生かしたBABIP適性値の高さが大きな武器。
昨季は球界最高のファウル打ちの名手として脚光を浴びましたが、
打席結果の観点から見てもストライクゾーン管理能力が向上した形跡が確認でき、パ遊撃手では最も高い出塁率を残しました。
中田翔[26歳/一塁手/611打席]
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。現役日本人野手では中村剛也に次ぐ長打力を誇りますが、長距離砲にしては四球をあまり選べないことと、
BABIP適性値の低さから出塁と長打を両立できないシーズンが続いています。
昨季はほぼ例年通りの打撃内容でしたが四球率に改善が見られ、2013年に次ぐ打撃貢献を残しました。
田中賢介[34歳/二塁手/596打席]
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。二塁手としては歴史的なスラッガーの一人。昨季は米球界から日本ハムへ復帰しました。
優秀なストライクゾーン管理能力と適性BABIPを活かした出塁率の高さが武器でしたが、
打撃内容は渡米前と比べてほとんど変化しておらず、2年間のブランクを感じさせない活躍を見せたと言えます。
ブランドン・レアード[28歳/三塁手/554打席]
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。来日1年目での34HRは、統一球時代の新外国人ではメヒアに並ぶ最多タイでした。
四球と三振の比は悪く打撃の粗さは否めないものの、中村剛也と柳田悠岐に次ぐパリーグ3位のISO傑出を記録しています。
適性値自体が低い可能性も否めませんがBABIP傑出が異常に低く、今季は打率向上が期待できるのではと考えます。
西川遥輝[23歳/左翼手/521打席]
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。三振率とBABIPの高さに対して本塁打はあまり多くない珍しい打撃タイプですが、
レギュラー定着後は三振率が改善傾向にあり、打者としてのバリューは少しずつ伸びてきています。
守備面ではチームに貢献できないシーズンが続いていましたが、左翼手に収まったことで攻守に貢献できる選手に成長しました。
近藤健介[22歳/指名打者/504打席]
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。打率向上はBABIPの伸びに依るところが大きく、今季は打率低下の懸念が否めないものの、
一方で四球率を倍以上に伸ばしたうえ、三振率は下げるなどストライクゾーン関連の数値に劇的な成長の跡が見られました。
優秀な三塁守備貢献を残した過去の実績を鑑みるに、レアードとポジションを入れ替えた方が好ましいのではないかと考えます。
陽岱鋼[28歳/中堅手/381打席]
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。シーズン序盤の左手骨折は打撃に対して大きな影響を及ぼしたようで、
直近5年のスパンで見れば三振率・四球率・長打力の全てでワーストの数値に沈みました。
前年はMVP級の活躍を見せただけに、陽岱鋼が復調できるかが日本ハムのペナントレース運びのポイントとなりそうです。
岡大海[24歳/中堅手/294打席]
※「○+」は100を平均としたBABIP、四球/打席(BB%)、ISO(=長打率-打率)の傑出度を示す。
※「K%-」は100を平均とした三振/打席(K%)の傑出度を示す。値が低いほど三振が少なく、高いほど三振が多い。長期離脱した陽岱鋼の穴を埋める形で出場機会を大きく伸ばしました。
打撃内容に関して言えば三振率・四球率・長打力のいずれでも強みを作り出すことはできておらず、
守備面での貢献も乏しいため、レギュラー起用に向けて現時点の内容からは更なるステップアップが求められます。
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