現役20代選手の通算安打(2017年版)
- 2017/04/09
- 18:56
現役20代選手の通算安打(2016年版)
毎年恒例ですが今年もやります。
2017年4月7日時点における、現役20代打者の通算安打記録を調べました。
表中の守備位置は通算で最も多く先発した守備位置を示します。
現役20代打者 通算安打TOP20 2017年4月7日時点

安打1位は毎年恒例の坂本勇人。2位以下に大差を付けて1411安打を積み上げています。
多少のアクシデントがあっても20代での1500安打は確実な状況。
長らく2位だった石川雄洋は30代を迎えて姿を消し、川端慎吾が922安打で2位に入りました。
次に各選手がここまでどのように安打を積み上げてきたのか見ていきたいと思います。
上記の20人の中でも安打の積み上げペースが特に速い打者10人について、
通算安打の年次推移を調べてグラフにしたものが下になります。

※ここでは一般的な選手名鑑の表記に倣い、該当シーズンを含む年に誕生日を迎えた後の年齢で記載。
坂本勇人は20歳のレギュラー定着以降、他の追随を許さないペースで安打を積み上げてきました。
過去を見ると29歳シーズン終了時点での通算安打記録は榎本喜八の1635安打が最多。
これを塗り替えるのは厳しそうですが、2位の張本勲の1546安打は調子を維持できれば到達できる見込みです。
これに次ぐペースで安打を積み上げているのが25歳のシーズンを迎えている山田哲人。
22歳の大ブレイク以降は驚異的なペースで安打を積み上げ、坂本との差を少しずつ詰めています。
山田に次ぐペースを誇るのが浅村栄斗と西川遥輝。彼らがポスト坂本世代の筆頭となっています。
ちなみに2000本安打を達成した打者47人の29歳シーズン終了時点での通算安打の平均値は992安打。
この「20代で1000安打」は2000本安打の達成を占う上で一つの目安となりそうです。
坂本を除く9人を見るとT-岡田は厳しい状況ですが、残りの8人はアクシデントさえ無ければ無理なく到達できるペースです。
現役20代打者 通算本塁打TOP20 2017年4月7日時点

本塁打1位は中田翔。毎年コンスタントに30HR前後を記録して、これまでに161HRを積み上げています。
下を見ると外国人打者であるレアードが実働2年で10位に食い込んでいるのが面白いところ。
現在20代後半を迎えている世代において、それだけ長距離打者の台頭が乏しかったことを示していると言えます。
次に各選手がここまでどのように本塁打を積み上げてきたのか見ていきたいと思います。
上記の20人の中でも本塁打の積み上げペースが特に速い打者10人について、
通算本塁打の年次推移を調べてグラフにしたものが下になります。

※ここでは一般的な選手名鑑の表記に倣い、該当シーズンを含む年に誕生日を迎えた後の年齢で記載。
中田翔は他の打者と比べると順風満帆のスタートとはいかなかったものの、レギュラー定着以降の安定感は随一。
今後はアクシデントさえなければ29歳シーズン終了時点までに200HRに到達する見込み。
これは29歳までに205HRを記録した村田修一以来で、20代の間に飛ばない統一球を経験した世代では初の快挙。
これを上回るペースで後ろから迫ってきているのが山田哲人。
現在の調子を維持することが出来れば、29歳シーズン終了時点までに300HRに到達する可能性を残しています。
20代シーズンでの300HRは過去に王貞治(400HR)、松井秀喜(332HR)、清原和博(329HR)しか達成者がいません。
更に下の世代を見ると、森友哉が定着以降はやや足踏み状態ながら絶好のスタートを切ったほか、
2016年シーズンにブレイクした大谷翔平と鈴木誠也は山田に匹敵するペースであり、
現在20代前半を迎えている若手世代において、長距離打者の台頭が顕著であることが見て取れます。

少々脱線しますが、その点についてもう少し掘り下げてみました。
上のグラフは1980年以降の各シーズンにおいて20代前半以下の若手野手が記録した本塁打総数(■)と、
若手の本塁打総数が野手全員の本塁打総数に占める割合(―)を示しています。
改めて2016年の数字を振り返ってみると、若手の本塁打数は23年ぶりに200HRを超えたほか、
若手の本塁打割合で見ても1993年に次いで高い15.6%を記録しています。
長期的なスパンで見ても、現代は若手の長距離打者の台頭が著しい時代であると言えるのではないでしょうか。
現役20代打者 各種通算記録TOP20 2017年4月7日時点

出場機会系スタッツと打撃結果系スタッツのまとめ。
概ね坂本勇人の独壇場となっていますが、三塁打だけは秋山翔吾が1位となっています。
ちなみに坂本の記録している265二塁打は20代では既に歴代4位の記録。1位は小玉明利の299二塁打で到達できる可能性あり。

※率系スタッツは通算1000打席以上を対象としました。
※1000打席に届いていない打者では鈴木誠也(883打席)が.317/.380/.538/.918、大谷翔平(970打席)が.279/.352/.502/.853を記録しています。
積算系スタッツの残りと率系スタッツのまとめ。率は柳田・山田・筒香の3人が上位に多く食い込む形になっています。
特に山田の通算OPS.942は現代では飛ばないボールが使われていることや、出場ポジションを考えると歴史的な成績。
今後この数字をどこまで伸ばしていけるか、または維持できるかに注目していきたいところです。

※通算最多先発出場守備位置が二塁手である選手を二塁手と定義した。
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