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2020年に向けた戦力分析 横浜DeNAベイスターズ編 Part3 ~ 補強の評価と総評


本記事では、横浜DeNAベイスターズの2019年時点での強みと弱みを評価して、
二軍の若手、ドラフト、補強内容と合わせて見ることで、2020年シーズンに向けた戦力分析を行います。
この記事は3部構成のPart3で、補強の評価と総評を行います。


目次
1. 一軍と二軍の状況
2. ドラフト評価
3. 補強評価
4. 総評



一軍と二軍の状況(おさらい)

Part1では、2019年におけるDeNAの各ポジションの状況から、
他チームと比べて明確な弱点を抱えない理想的な編成ができているため、
高齢化の進んでいる一塁手・三塁手・遊撃手の確保、および筒香の抜ける左翼手の確保を優先すべきと考察しました。

Part2では、三塁手は伊藤裕季也(23歳)、左翼手は関根大気(24歳)と細川成也(21歳)が有力な後継者候補となる一方、
一塁手は二軍では育成の動きが見られず、遊撃手は決め手を欠く状況だと考察しました。
これらのポジションに対して、ドラフトと補強ではどういった動きが取られたかを以下で考察していきます。



ドラフト



1位指名は森敬斗(遊/18歳)、2位指名は坂本裕哉(投/23歳)となりました。
2位以上で二遊間の選手を指名したチームは、セ・リーグではDeNAのみ。二遊間が不作気味の中でプロスペクトを確保した形です。
大和の世代交代を狙いつつ、二遊間に新しいストロングポイントを作りたいという強い意志が感じられました。

ただ、大和と年齢が10歳以上離れているのは、バトンタッチの時間的猶予を考えると少々気掛かり。
近年では源田、京田、大城など大学社会人卒の遊撃手が優れた守備能力を見せるケースが多いため、
即戦力遊撃手の上位指名は来季以降も選択肢に入れてよいのではないかと思われます。

3位以下では投手2人、捕手1人、内野手1人、外野手1人を指名しました。
若手不足により育成が滞っているポジションはないため、通常運航と言ったところでしょう。
強いて言うなら年齢層的に外野手は次世代の種まきを狙いたい時期なので、高卒選手を指名しても良かったかもしれません。



補強



外国人ではオースティン(一/外)、ピープルズ(投)を獲得しました。
現状の見通しだと外国人枠の3枠はロペス、ソト、エスコバーがほぼ固定される見込みで、
残りの1枠はパットンとオースティンで使い分け、ピープルズは投手のリザーブ要員という運用になりそうです。

オースティンは左投手を得意としている長距離打者。一方で右投手が苦手です。
左投手を苦手とする佐野とプラトン起用することで、互いの弱点を消し去る運用も想定していると思われます。
ロペスの代役が必要な場合は一塁手、平時には両翼で併用することでポジションの底上げが期待できそうです。



総評

現状、明確なマイナスを計上している弱点ポジションはなく、
将来の成績低下リスクの高いポジションでも世代交代の用意が着々と進められています。
遊撃手はまだテコ入れが必要ですが、全体の状況としては打つべき手は打ち尽くしている印象を受けました。

一方、優勝を狙うなら野手のストロングポイントを新構築したいところ。
現有戦力では伊藤裕季也(二)、細川成也(左)、森敬斗(遊)に大きな期待がかかりますが、
ドラフトでも上位指名枠を積極的に活用して、プロスペクト野手を確保していくことが必要となりそうです。

DeNAが野手で強みを作り出せていないのは、上位指名を投手に割いてきたことも背景にあると思われます[11]。
チームの持ち味であるスカウト力も相まって、投手育成は他チームと比較してかなり余裕のある状況なので、
今後は野手重視ドラフトに舵を切っていくことが求められるでしょう。森の1位指名はそうした方針転換の嚆矢にも見えました。



戦力分析

Part1 Part2 Part3 巨人編
Part1 Part2 Part3 DeNA編
Part1 Part2 Part3 阪神編
Part1 Part2 Part3 広島編
Part1 Part2 Part3 中日編
Part1 Part2 Part3 ヤクルト編
Part1 Part2 Part3 西武編
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Part1 Part2 Part3 楽天編
Part1 Part2 Part3 ロッテ編
Part1 Part2 Part3 日本ハム編
Part1 Part2 Part3 オリックス編



横浜DeNAベイスターズ戦力分析

2014年戦力分析 横浜DeNAベイスターズ編
2015年戦力分析 横浜DeNAベイスターズ編
2017年戦力分析 横浜DeNAベイスターズ編
2020年に向けた戦力分析 横浜DeNAベイスターズ編



[11] 2013年-2018年のドラフトを見ると、DeNAはリーグで唯一野手の1位指名権獲得が1回もなく、2位以上で獲得した野手もリーグ最少の2人となっている。
  一般的にチームの明確な強みとなるような野手は上位指名から輩出されることが多い。

コメント

No title

近年の横浜は暗黒期ですら大砲型の選手が勝手に生えてきたチームなので、
(去年OB解説者でも当然の様に「強力打線>>>投手陣」という言葉を未だに使われていたが)
DeNAになってから全体的に三浦コンプレックスな中途半端な軟投派を一掃して、
奪三振能力の高い左腕やパワーピッチャーを重視した編成が上手くいきました。

その反面優勝を目指すとなると代表クラスのセンターラインの選手が欲しいため、
今後の上位指名は仰るように最悪外野へコンバートしやすい高卒二遊中心になりそうな気がしますね。

Re: No title

コメントありがとうございます!

>DeNAになってから全体的に三浦コンプレックスな中途半端な軟投派を一掃して、
>奪三振能力の高い左腕やパワーピッチャーを重視した編成が上手くいきました。

近年のDeNAの投手育成は、目を見張るものがありますね。
ドラフト指名選手も何かしらの戦略に基づいて選んでいるような形跡がありますが、
どういったロジックで選んでいるのか、個人的には大変興味があります。

チームのストロングポイントを作ろうと思った時に、高卒ショートを上位指名するのは一つの王道ですね。
今のセリーグでトップレベルの成績を残している坂本勇人、山田哲人、鈴木誠也の3人が正にそうですし...

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