阪急西宮球場[1957-1990]
- 2017/01/01
- 00:14
球場別PF:
阪急西宮球場のパークファクターを評価しました。
数値は得点や本塁打といったイベントが「同じリーグの平均的な球場(6本拠地の平均)と比べて何倍出やすいか」を示します。
数値が大きければイベントが発生しやすい、数値が小さければ発生しにくい球場であることを意味します。
オリックス使用時パークファクター
阪急(オリックス)が1937年から1990年まで本拠地として使用していた球場。
甲子園と同じように、開場は戦前ながら現代でも通用する超大型のサイズで設計されたため、
1960年にラッキーゾーンが設置されるまでは、現代のナゴヤドームに匹敵するピッチャーズパークだったようです。
ラッキーゾーン設置後は標準的な球場となりましたが、1970年代半ばには打者優位に転じており、
これは打撃のチームを志向した上田監督が高反発球を採用したのが影響したようです。
黄金時代を築いていた阪急の戦略は他チームに大きな衝撃を与えたようで、近鉄のように模倣するチームも現れました。
PFはその球場を本拠地とするチームが「本拠地で記録した成績」と、
「6本拠地で均等に試合した時に記録しうる成績」を比較することで算出されます。
具体的な算出方法については「パークファクターはどのような考え方で算出されるか」をご覧ください。
同じチームの成績が使用球場によってどう変化するかを元に算出されるため、
「中日の得点力が低いからナゴヤドームの得点PFが低い」といった事態は起こりません。
BABIPとFIP以外は、打席数ベース(打席あたりどれだけそのイベントが発生するか)で算出しました。
2004年以前は入手データの都合上、BABIPは犠飛、FIPは敬遠を含まず、四球は死球も含んだ数値となります。
門田博光が本塁打増に持論。「打撃を球場サイズに合わせたらあかん」 - スポルティーバ
パ・リーグは熱かった 今井雄太郎&新井宏昌対談 猛者たちの激闘 - FRIDAY DIGITAL
新井宏昌と門田博光による使用球に関する証言。
近鉄と阪急はミズノ製の高反発球、南海はクボタ製の低反発球を使用していたようです。
日本生命球場、阪急西宮球場、大阪球場のパークファクターはこの証言を裏付ける数値となっています。
道路公団への道 - 大東金属株式会社
球場のフェンスの話です。 - 大東金属株式会社
ラッキーゾーン設置に関わった方の証言。設置は昭和35(1960)年のようです。
本塁打PFもこの証言を裏付ける推移になっています。
セ 東京ドーム 阪神甲子園球場 ナゴヤドーム マツダスタジアム 明治神宮野球場 横浜スタジアム
パ 福岡ドーム 千葉マリンスタジアム 札幌ドーム 大阪ドーム 宮城球場 西武ドーム
旧 後楽園球場 ナゴヤ球場 広島市民球場 川崎球場 平和台球場 大阪球場 小倉球場
東京スタジアム 駒沢球場 藤井寺球場 日本生命球場 グリーンスタジアム神戸 阪急西宮球場
阪急西宮球場のパークファクターを評価しました。
数値は得点や本塁打といったイベントが「同じリーグの平均的な球場(6本拠地の平均)と比べて何倍出やすいか」を示します。
数値が大きければイベントが発生しやすい、数値が小さければ発生しにくい球場であることを意味します。
オリックス使用時パークファクター
年度 | 使用チーム | 得点 | 本塁打 | BABIP | 単打 | 二塁打 | 三塁打 | 三振 | 四球 | FIP | 使用試合 | 順位 | 監督 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1990 | オリックス | 0.98 | 1.14 | 0.94 | 0.95 | 0.81 | 0.88 | 1.07 | 1.00 | 1.04 | 48 / 130 | 2位 | 上田利治 | GS神戸へ移転 | |
1989 | オリックス | 0.88 | 0.88 | 0.99 | 1.05 | 0.78 | 0.45 | 1.05 | 1.03 | 0.94 | 48 / 130 | 2位 | 上田利治 | ||
1988 | 阪急 | 0.97 | 1.24 | 0.97 | 0.98 | 0.82 | 0.92 | 1.13 | 1.04 | 1.07 | 60 / 130 | 4位 | 上田利治 | ||
1987 | 阪急 | 0.90 | 0.93 | 1.00 | 0.99 | 0.96 | 0.55 | 1.10 | 1.05 | 0.96 | 56 / 130 | 2位 | 上田利治 | ||
1986 | 阪急 | 1.00 | 1.10 | 0.97 | 0.99 | 0.89 | 1.40 | 1.02 | 0.92 | 1.01 | 57 / 130 | 3位 | 上田利治 | ||
1985 | 阪急 | 1.05 | 0.91 | 1.01 | 0.99 | 0.89 | 1.06 | 1.17 | 1.11 | 0.96 | 53 / 130 | 4位 | 上田利治 | ||
1984 | 阪急 | 1.00 | 0.95 | 1.01 | 1.03 | 0.85 | 1.43 | 1.02 | 1.03 | 0.99 | 57 / 130 | 1位 | 上田利治 | ||
1983 | 阪急 | 1.04 | 1.06 | 1.04 | 1.01 | 1.03 | 1.71 | 1.01 | 1.08 | 1.06 | 54 / 130 | 2位 | 上田利治 | ||
1982 | 阪急 | 1.06 | 1.23 | 0.97 | 0.99 | 0.98 | 0.89 | 0.99 | 0.87 | 1.03 | 56 / 130 | 4位 | 上田利治 | ||
1981 | 阪急 | 1.03 | 1.08 | 1.03 | 1.08 | 0.75 | 0.84 | 1.01 | 1.07 | 1.05 | 55 / 130 | 2位 | 上田利治 | ||
1980 | 阪急 | 1.07 | 1.20 | 0.95 | 1.01 | 0.81 | 0.48 | 0.91 | 1.03 | 1.13 | 51 / 130 | 5位 | 梶本隆夫 | ||
1979 | 阪急 | 1.20 | 1.29 | 1.06 | 1.04 | 1.13 | 0.95 | 0.94 | 0.99 | 1.14 | 49 / 130 | 2位 | 梶本隆夫 | ||
1978 | 阪急 | 1.21 | 1.37 | 1.04 | 1.00 | 1.15 | 1.26 | 0.99 | 1.04 | 1.17 | 51 / 130 | 1位 | 上田利治 | ||
1977 | 阪急 | 1.17 | 1.17 | 1.06 | 0.99 | 1.14 | 0.91 | 1.18 | 1.12 | 1.05 | 44 / 130 | 1位 | 上田利治 | ||
1976 | 阪急 | 1.12 | 1.22 | 1.03 | 0.94 | 1.36 | 0.88 | 1.19 | 1.03 | 1.05 | 54 / 130 | 1位 | 上田利治 | ||
1975 | 阪急 | 1.19 | 1.17 | 1.13 | 1.08 | 1.20 | 1.59 | 1.00 | 1.16 | 1.14 | 52 / 130 | 1位 | 上田利治 | ||
1974 | 阪急 | 1.21 | 1.34 | 1.10 | 1.03 | 1.26 | 1.56 | 1.04 | 1.07 | 1.15 | 51 / 130 | 2位 | 上田利治 | ||
1973 | 阪急 | 1.12 | 1.24 | 1.03 | 1.01 | 1.02 | 1.40 | 1.03 | 1.01 | 1.09 | 50 / 130 | 2位 | 西本幸雄 | ||
1972 | 阪急 | 1.04 | 1.07 | 0.98 | 0.98 | 1.00 | 1.33 | 0.92 | 1.02 | 1.06 | 54 / 130 | 1位 | 西本幸雄 | ||
1971 | 阪急 | 1.12 | 1.04 | 1.04 | 0.99 | 1.19 | 2.38 | 0.93 | 1.01 | 1.04 | 54 / 130 | 1位 | 西本幸雄 | ||
1970 | 阪急 | 1.01 | 0.95 | 1.03 | 1.01 | 0.96 | 1.54 | 1.10 | 1.05 | 0.96 | 58 / 130 | 4位 | 西本幸雄 | ||
年度 | 使用チーム | 得点 | 本塁打 | BABIP | 単打 | 二塁打 | 三塁打 | 三振 | 四球 | FIP | 使用試合 | 順位 | 監督 | 備考 | |
1969 | 阪急 | 1.07 | 0.98 | 1.04 | 0.99 | 1.13 | 1.66 | 1.03 | 1.14 | 1.02 | 52 / 130 | 1位 | 西本幸雄 | ||
1968 | 阪急 | 0.99 | 0.96 | 1.00 | 0.97 | 1.12 | 1.01 | 1.03 | 0.98 | 0.96 | 54 / 134 | 1位 | 西本幸雄 | ||
1967 | 阪急 | 1.11 | 1.04 | 1.05 | 1.00 | 1.09 | 1.90 | 1.05 | 1.09 | 1.03 | 49 / 134 | 1位 | 西本幸雄 | ||
1966 | 阪急 | 1.01 | 1.01 | 1.02 | 0.96 | 1.23 | 1.30 | 1.10 | 0.97 | 0.95 | 52 / 134 | 5位 | 西本幸雄 | ||
1965 | 阪急 | 1.05 | 0.93 | 1.07 | 1.01 | 1.18 | 1.53 | 1.18 | 0.94 | 0.89 | 57 / 140 | 4位 | 西本幸雄 | ||
1964 | 阪急 | 1.07 | 0.89 | 1.05 | 0.99 | 1.14 | 2.23 | 1.04 | 1.09 | 0.97 | 67 / 150 | 2位 | 西本幸雄 | ||
1963 | 阪急 | 0.98 | 0.76 | 1.00 | 0.96 | 0.99 | 2.11 | 1.04 | 1.08 | 0.91 | 67 / 150 | 6位 | 西本幸雄 | ||
1962 | 阪急 | 1.03 | 0.73 | 1.04 | 0.95 | 0.96 | 1.87 | 1.20 | 1.17 | 0.88 | 61 / 131 | 4位 | 戸倉勝城 | ||
1961 | 阪急 | 0.95 | 0.75 | 0.98 | 1.00 | 0.85 | 0.89 | 1.03 | 1.11 | 0.94 | 65 / 140 | 5位 | 戸倉勝城 | ||
1960 | 阪急 | 1.06 | 0.97 | 1.03 | 1.01 | 0.94 | 1.17 | 1.07 | 1.08 | 0.98 | 64 / 136 | 4位 | 戸倉勝城 | ラッキーゾーン設置 | |
1959 | 阪急 | 0.81 | 0.56 | 0.98 | 0.97 | 1.00 | 1.01 | 1.03 | 1.00 | 0.86 | 67 / 134 | 5位 | 藤本定義 | ||
1958 | 阪急 | 0.88 | 0.52 | 0.99 | 0.99 | 0.99 | 0.99 | 1.04 | 0.97 | 0.87 | 63 / 130 | 3位 | 藤本定義 | ||
1957 | 阪急 | 0.92 | 0.48 | 0.97 | 0.94 | 1.16 | 0.94 | 1.05 | 0.95 | 0.82 | 70 / 132 | 4位 | 藤本定義 |
阪急(オリックス)が1937年から1990年まで本拠地として使用していた球場。
甲子園と同じように、開場は戦前ながら現代でも通用する超大型のサイズで設計されたため、
1960年にラッキーゾーンが設置されるまでは、現代のナゴヤドームに匹敵するピッチャーズパークだったようです。
ラッキーゾーン設置後は標準的な球場となりましたが、1970年代半ばには打者優位に転じており、
これは打撃のチームを志向した上田監督が高反発球を採用したのが影響したようです。
黄金時代を築いていた阪急の戦略は他チームに大きな衝撃を与えたようで、近鉄のように模倣するチームも現れました。
算出方法
PFはその球場を本拠地とするチームが「本拠地で記録した成績」と、
「6本拠地で均等に試合した時に記録しうる成績」を比較することで算出されます。
具体的な算出方法については「パークファクターはどのような考え方で算出されるか」をご覧ください。
同じチームの成績が使用球場によってどう変化するかを元に算出されるため、
「中日の得点力が低いからナゴヤドームの得点PFが低い」といった事態は起こりません。
BABIPとFIP以外は、打席数ベース(打席あたりどれだけそのイベントが発生するか)で算出しました。
2004年以前は入手データの都合上、BABIPは犠飛、FIPは敬遠を含まず、四球は死球も含んだ数値となります。
参考文献
門田博光が本塁打増に持論。「打撃を球場サイズに合わせたらあかん」 - スポルティーバ
パ・リーグは熱かった 今井雄太郎&新井宏昌対談 猛者たちの激闘 - FRIDAY DIGITAL
新井宏昌と門田博光による使用球に関する証言。
近鉄と阪急はミズノ製の高反発球、南海はクボタ製の低反発球を使用していたようです。
日本生命球場、阪急西宮球場、大阪球場のパークファクターはこの証言を裏付ける数値となっています。
道路公団への道 - 大東金属株式会社
球場のフェンスの話です。 - 大東金属株式会社
ラッキーゾーン設置に関わった方の証言。設置は昭和35(1960)年のようです。
本塁打PFもこの証言を裏付ける推移になっています。
球場別パークファクター
セ 東京ドーム 阪神甲子園球場 ナゴヤドーム マツダスタジアム 明治神宮野球場 横浜スタジアム
パ 福岡ドーム 千葉マリンスタジアム 札幌ドーム 大阪ドーム 宮城球場 西武ドーム
旧 後楽園球場 ナゴヤ球場 広島市民球場 川崎球場 平和台球場 大阪球場 小倉球場
東京スタジアム 駒沢球場 藤井寺球場 日本生命球場 グリーンスタジアム神戸 阪急西宮球場