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2021年に向けた戦力分析 東京ヤクルトスワローズ編


本稿では2021年に向けたヤクルトの戦力分析を行っていきます。
大まかに以下のような流れで進めていきますので、よろしくお願いいたします。

目次
 1. チームの貯金と得失点差
 2. 各ポジションの得失点差への寄与
 3. 優先強化ポジションの特定
 4. 優先強化ポジションに対する選手供給の見込み
 5. 総括




チームの貯金と得失点差

まずはAクラス入りや優勝にどの程度の上積みが必要か把握するため、チームの貯金と得失点差を確認します。
日本プロ野球では、「得失点差」と「貯金」が極めて強い相関関係を持つことが知られており、
「得失点差の1/5」で「貯金」をおおよそ近似できるという経験則があります。

一般的な目安として、優勝するためには「貯金20」、Aクラス入りには「貯金0」が必要です。
得失点差に換算して、優勝するためには「+100点」、Aクラス入りには「±0点」が必要になります。
それを踏まえた上で、初めにセ・リーグ6球団の貯金と得失点差を確認しましょう。

20210123_de1.png

ヤクルトの得失点差は-121点。前述の関係式からすれば借金24が想定される得失点差でしたが、
実際にはこれを下回る借金28となったことで最下位に沈みました。

これは直近30年間のヤクルトにおいても2番目に悪い得失点差です。(ワーストは2017年の-180点)
Aクラス入りを狙うなら得失点差にして+121点、更に優勝を狙うなら+221点と大きな上積みが必要となります。



各ポジションの得失点差への寄与

次に、得失点差の最適な上積み方法を考えるために、「得失点差がどのポジションからもたらされたか」を見ていきます。
そのために仮想的な「全てのポジションが平均的な選手で構成されたチーム」を考えて、
このチームと比べて「各ポジションで得失点差を何点分上積みできたか」をここでは評価します。

全てのポジションが平均的な選手で構成されたチームは得失点差が±0点となります。
このチームと比べて「各ポジションが得失点差を何点分上積みできたか」が分かれば、その合計からチームの得失点差を説明できます。

得失点差を改善する手段は、得点を増やす、失点を減らすの2つがあります。
野手は平均と比べて「どれだけ打撃で得点を増やしたか」と「どれだけ守備で失点を減らしたか」、
投手は平均と比べて「どれだけ投球で失点を減らしたか」という観点で、各ポジションの寄与を評価していきましょう。

ここでは打撃はwRAA、守備はUZR、投球はFIPを使用して、「得失点差の改善に何点分寄与したか」を定量化しました。
UZRは1.02 - Essence of Baseballのデータを12球団平均基準からリーグ平均基準に変換して算出しています。
10点以上のプラスポジションを強み、10点以上のマイナスポジションを弱みとして強調しました。

20210223_S2.png

一塁手は村上宗隆、左翼手は青木宣親の働きで強みとなった一方、
捕手、三塁手、遊撃手、中堅手、右翼手と弱点ポジションを5つも抱える構成となりました。
また、山田哲人が深刻な不調に陥ったことで、二塁手で例年のようにプラスを稼げなかったことも誤算でした。

20210306_Sp.png

救援投手は強みにも弱みにもならなかった一方、先発投手が弱点ポジションとなりました。
「ヤクルトは投手陣が課題」と毎年のように言われますが、投手陣の防御率が悪いのは本拠地である神宮の特性も影響しています。
その点を補正している今回の評価では、投手陣よりも野手陣のマイナスの方がトータルで大きいものとなっています。



優先強化ポジションの特定

次に、優先的に強化すべきポジションを特定していきます。
なぜチームの弱みと強みを見てきたかというと、「弱み」がそのまま優先的に強化すべきポジションとなるからです。
一般的にマイナスが大きいポジションほど強化の費用対効果が高くなるのがその理由です。

例えば、「±0点のポジション」を強化して得失点差を20点改善する場合、「+20点の選手」を連れてくる必要があります。
しかし、「-20点のポジション」に狙いを定めれば、「±0点の選手」を連れてこれば同じ改善効果を得ることができます。
「+20点の選手」よりも「±0点の選手」の方が手に入れやすいですし、必要な年俸も安く抑えられます。

ここまではそうした理由で2020年時点におけるチームの強みと弱みを見てきたわけですが、
ここから「翌シーズン以降に弱点となりそうなポジション」を考えるには、もう一つ考慮すべきファクターがあります。
それが「年齢」です。なぜなら年齢は翌シーズン以降の成績予測に活用することができるからです。

10代でプロ入りした選手は、デビューとともに勢いよく成績を伸ばしていきますが、
ある年齢になると成長が止まって成績が伸びなくなり、以降は加齢が進むほど勢いよく成績を落としていきます。
つまり、ポジションを構成する選手の平均年齢が他球団よりも高いと、それだけ急激な成績低下が予想されることになります。

ここでは縦軸を「得失点差への寄与」、横軸を「平均と比べていくつ高齢か」として各ポジションをプロットしました。
右に行くほど高齢のため「得失点差への寄与」の悪化が予想されるポジションであり、
左に行くほど若さのため「得失点差への寄与」の改善が予想されるポジションとなっています。
現状で既にマイナスを出していて、今後も悪化が予想される右下のポジションほど優先度が高いと言えるでしょう。

20210223_S4.png

現状マイナスを大きく計上しているのが、下方に位置する捕手、三塁手、遊撃手、中堅手、右翼手、先発投手の6つ。
ただし、捕手は試合にほぼ出られなかった中村悠平の復帰で一定の底上げが期待できます。
一方で、捕手を除いた残りの5ポジションは引き続き弱点となる可能性が高く、これらが優先強化ポジションとなります。

これらの中にはポジション構成選手の平均年齢が若く、時間経過でマイナスの縮小が見込めるポジションもありますが、
マイナスが20点以上と大きいためそれだけで弱点解消を期待するのは難しい状況でしょう。



優先強化ポジションに対する選手供給の見込み

次に、優先強化ポジションに対してどのような選手を供給できそうかを見ていきます。
選手を供給する手段は、二軍から引き上げる、ドラフトで獲得する、他球団から獲得する、の3つがあります。
これらの手段による選手供給の見込みをそれぞれ確認していきましょう。


二軍からの選手供給

まずは二軍の選手が記録した「得点を増やす能力」「失点を抑える能力」から、二軍からの選手供給について確認します。
ここまで書いてきたように、これらの能力は打撃・守備・投球の3項目によっておおむね説明できますが、
守備については最も高精度な指標であるUZRが手に入らないため、ここでは打撃と投球のみに着目していきます。

ここでは「打撃で得点を増やす能力」はwRC+、「投球で失点を抑える能力」はFIP-を使って定量化します。
どちらも二軍平均を100として、打者の得点創出力と投球の失点抑止力が平均の何倍かを示します。
wRC+が150なら二軍平均の1.5倍の得点創出力を持つ、FIP-が50なら二軍平均の0.5倍に失点を抑える能力を持つことになります。

以下では縦軸をwRC+およびFIP-、横軸を年齢として各選手をプロットしました。
過去の統計的な研究からは、打者は27歳まで、投手は22歳まで成長を続ける傾向があることがわかっています。
現状で好成績を残していて、かつ成長も期待できる左上に位置するのが、一軍への台頭が期待できる選手(プロスペクト)となります。

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左上のゾーンに位置するプロスペクトが他チームと比べて少なく、
今後数年間は、二軍からの選手供給は相対的に乏しいものになる可能性が高いかもしれません。

投手の大西広樹が、優先強化ポジションで左上のゾーンに唯一入っています。
二軍では先発を中心に起用されており、高い制球力を武器にまずまずの成績を残しています。
一軍定着にはここからもうひと伸びが求められますが、今後のローテーションを担う候補となる選手です。

また、2019年ドラフト1位の奥川恭伸も忘れてはならないプロスペクトです。
登板が少なかったため上には記載していませんが、高卒ルーキーながら二軍トップレベルのFIP-を残しています。
コンディションの問題さえ解消できれば、今季中のローテーション定着の可能性も考えられるでしょう。



ドラフトによる選手供給

次にドラフトで指名した選手について見ていきましょう。
ここではヤクルトの指名選手と、セ・リーグ各球団の指名選手をまとめました。
また、育成選手は1年目から編成に影響を及ぼすほど一軍の試合に出場するケースは稀なので、ここでは記載していません。

20210223_S6-1.png20210223_S6-2.png

先発投手にはドラフト1位・2位を使って木澤尚文と山野太一を獲得したほか、
遊撃手は4位の元山飛優、外野手は5位の並木秀尊と、優先強化ポジションに対して即戦力を多く獲得できました。

二軍からの選手供給が当面乏しくなりそうであることを踏まえると、
一軍の低迷を長引かせないためにも、即戦力を中心に指名したのは正解だと思われます。
特に遊撃手はドラフト以外で獲得するのが難しいため指名がマストでしたが、そこをきっちり抑えられたのは大きいでしょう。



補強による選手供給

最後に他球団から獲得した選手を見ていきましょう。
こちらも育成選手は1年目から一軍の試合に多数出場するケースが少ないため、ここでは記載しません。

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先発投手にはソフトバンクを戦力外となったバンデンハーク、三塁手にはオスナ、外野手にはサンタナを獲得するなど、
優先強化ポジションに対しては外国人補強を用いた積極的な対応が見られました。
3人とも推定年俸は1億円前後となっており、フロントも主力クラスの活躍を期待しているようです。

ただ、バンデンハークは投手としては高齢である36歳のシーズンとなること、
フライを多く打たれる打球傾向のため、フライが本塁打になりやすい神宮と相性が悪いことが懸念点と言えます。
似たような打球傾向だった成瀬善久の成績を考えると、特に後者が不安要素と言えるかもしれません。



総括

優先強化ポジションは三塁手、遊撃手、中堅手、右翼手、先発投手の5つ。
処置が必要なポジションの多さに加え、二軍からの選手供給もあまり期待できない厳しい状況だったものの、
その中でもドラフトと補強を活用して、可能な限り選手を揃える動きが取られたと言えるでしょう。

特に効果的だったのは、外国人野手を2人獲得したことではないでしょうか。
近年のヤクルトは野手が弱点だったのですが、外国人枠を野手に1枠しか割かないミスマッチな運用がなされてきました。
この状況が解消されたことは、チームの低迷の原因である野手陣の底上げに効果的に働くと考えられます。

ヤクルトは打者有利の神宮を本拠地にしているため、野手陣の低迷が分かりづらい環境に置かれています。
外国人枠の運用があまり適切でないまま放置されていたことが正にその一例と言えますが、
ヤクルトの編成はこうした神宮の特性に振り回されている形跡があり、それがチームの低迷を引き起こした面も否めません。

今オフは外国人枠の野手増加、ドラフトも野手の指名を多くするなど、野手陣の底上げが優先されました。
これはチームの置かれている状況とマッチするもので、フロントが神宮の呪縛から脱しつつあることを示唆しています。
それを踏まえると、これらの動きは低迷からの脱却に向けて大きな一歩となったと思われます。

(2021/3/1追記)
巨人田口麗斗と、ヤクルト廣岡大志のトレードが成立しました。
先発の底上げを狙ったものと思われますが、先発以上に対処できていない弱点である遊撃手から人材を失ったのは痛手です。
近年、遊撃手を破綻のないレベルで埋められたのは西浦と廣岡の2人だけだったことに加えて、
西浦が規定打席に到達したのは1回だけであることを考えると、遊撃手の穴埋めには黄信号が灯っていると言えます。



2021年開幕時の戦力分析はこちら
読売ジャイアンツ編
阪神タイガース編
中日ドラゴンズ編
横浜DeNAベイスターズ編
広島東洋カープ編
東京ヤクルトスワローズ編
福岡ソフトバンクホークス編
埼玉西武ライオンズ編
千葉ロッテマリーンズ編
東北楽天ゴールデンイーグルス編
北海道日本ハムファイターズ編
オリックス・バファローズ編

2020年の打撃成績と投球成績の詳細はこちら
2020年セリーグ・ポジション別wRAAと先発救援別RSAA

昨年の戦力分析です
2020年に向けた戦力分析 東京ヤクルトスワローズ編 Part1

コメント

No title

神宮球場は狭い狭いと言われるのですが、実は右中間・左中間については東京ドームやハマスタよりも広い。問題はフェンス高が3.3mと低いことで、東京D4.24m、ハマスタ5.0mと比べるてみるとかなり低さを感じます。

これがライナー性の打球でも容易にスタンドインしてしまう状況を生み出しており、中距離打者の打力をチームが過大評価してしまうひとつの要因となっています。わかりやすい例が2014年に23本を打った雄平でしょう。

彼が守ってきた右翼はもう5年以上も穴になっているのですが、チームは投手の補強を優先して右翼の補強を怠った。つまりチームの真の補強ポイントを当事者のフロント自身が正しく認識していないわけで、これは神宮という特殊な環境が作り出した悪影響です。

すなわち、ヤクルトの強化策はまず第一に神宮球場のフェンスを2m嵩上げすることです。これで山田や村上の本塁打は減るかもしれませんが、チーム成績にとっては確実にプラスになります。FAしたことで明らかとなったライアン小川への過小評価も少しは改善されることでしょう。

No title

廣岡と読売の田口とのトレードが成立するみたいですね。

廣岡はショートとして見ると守備が良くないものの打撃は平均以上の貢献が期待できまた若いので少し勿体ない気もしますね。

先発は弱点ですが田口はここ数年成績が停滞していてまた廣岡は23歳でこれからあと4年程度は成績の伸びが期待できる一方で投手は平均的には成績を伸ばしづらいので将来を考えると損ではないかなと思いました。

ヤクルトは短期間で勝負をかけるつもりなのでしょうか。

No title

投手に関しては先発にもうちょっと三振を奪えるタイプが欲しいですかね。
スカウトが技巧派を好むのかそういうタイプが目立ちますが、
神宮で防御率を毎年安定させるには三振を増やすしかないですからね。
(そういう意味で近年の横浜の三振が取れる左腕重視路線は概ね正しい)

野手に関してはテコ入れが必要過ぎて逆に特に言うことが無いですね。
PFが1.5倍も違う球場が同リーグにあるので過大評価は仕方ないですけど、
正直3年後にレギュラーが山田と村上以外入れ変わるぐらいじゃ無いとキツい。

No title

お疲れ様です。
件のトレードですが、ちょっと衝撃的なトレードですね。
10年に1度レベルの歴史的なトレードだと思います。
このトレードだけで一本の記事が作成できるレベルでしょう。

立場上管理人さんは「黄信号」と表現せざるを得ないとは思いますが、間違いなく赤信号に部類されるでしょう。
セイバー界隈では廣岡が将来的に遊撃手・二塁手・中堅手・最悪でも三塁手右翼手、のうちのどれかに定着することを前提に今後のヤクルトについて語られていたわけですから、その前提が完全に崩壊してしまったことになります。
中長期的な野手の補強・指名戦略としては「わからない、全部が弱点だ」と投げやりになるしかないという感じですね。ちょっと分析する気にもならない。本当にどうしていくつもりなんでしょうか。

短期的にも問題ですね。今季のショートの起用法です。
西浦スタメンは確定として、休養時/離脱時にどうするつもりなのか。
下位指名のルーキー元山、大ケガ明けの奥村、「遊撃失格」レベルのUZRをたたき出している太田・吉田大成、高卒2年目の武岡、本職ですらない宮本・松本友・長岡。まさかの荒木。まさかの山田・川端・内川か。
本当にどうなってしまうのか、正直言って楽しみです。

総論としては、ヤクルトが最下位に沈むのもむべなるかな、といったトレードですね。
与太な記事によれば「首脳陣は3年連続最下位は避けたいから、主要3選手や億越え補強を連発している」というものがありますが、
傍から見れば「来年から3年連続最下位でも構わないから、今年だけでも3年連続最下位を回避してくれ」というような矛盾した戦略のように見えます。そしてその実現可能性は相当に低いように見えますね。

No title

他の方も指摘されていますが、20代前半でリーグ平均程度の成績が期待できる遊撃手はそうそう手に入るものではなく、
廣岡放出はこの先のチーム強化に影響が出てくると思います。ヤクルトはファーム運営に支障をきたすほど野手層の薄さが深刻で、
ようやく野手強化に本腰を入れたかと思った矢先だけにちょっと驚きました。
投手も確かに弱点なのですが、遊撃手に比べれば即戦力獲得の難易度はずっと低いですし、
プロスペクトと引き換えにでも即戦力を求める今回のようなトレードは、
今育ち始めた若手野手陣がレギュラーになるタイミングで仕掛けるべきではないかと思います。

No title

神宮球場の特性に振り回されていると述べられていますが、廣岡のトレードは正に振り回されているとしか言いようのないトレードですね。すぐに使える投手が欲しかったのだと最大限譲歩するとしても2年連続最下位であり、かつ安定した順位を保てないチームが行うトレードではないでしょう。目先の補強にはなっても対処しなければならない課題を数年後に先送りしただけのように思います。
それにしても今年の内野手はどういった布陣で臨む気でしょうか。廣岡を放出となると三塁は村上で一年間ほぼ固定と考えていいのだと思いますが、バックアップを含めとにかく内野手が貧弱です。山田と村上がいる二塁と三塁はまだ置いておくとしても、一塁と遊撃がとにかく手薄です。一塁は取り急ぎ内川と外国人でやり過ごしていきそうですが、遊撃は貧弱としか言いようがないでしょう。基本線では西浦なのでしょうが、今まで安定した出場試合数と成績を残せていない選手であり、年齢的にも更なる上積みを狙いにくいとなっては対抗馬が望まれますが、元山や武岡にそれを求めるのは酷な話です。この陣容では元山は試合数を多く得られますが、大卒ショートで1年目から多くの出場試合数を得られ、なおかつ一定の成績を残した選手はここ10年で京田や茂木くらいなものですし、この2選手も安定した地位を築いているとは言い難いところもあります。武岡については有望株なのは事実ですが、今年中に一軍で起用すべき水準に達するとはちょっと考えにくいです。
とにもかくにも、これで野手の中長期的な展望が一気に見えにくくなりましたね。現状の選手で上積みが計れれば杞憂で終わる話なのですが。

No title

コメント欄を見てますと今回のトレードは随分と不評ですね。
まぁここ10年間で20代前半からリーグ平均並みの打撃成績を残した遊撃手は少ないですからね。
このくらい打てれば守備が悪くてもwarがプラスにはなるし巡りが良ければB9獲れます。
そのレベルの選手すらヤクルトは少ないので悪手と思われるのは分かります。

ただ今の球界が「強打の二塁手と堅守の遊撃手」の傾向が強いのを考えると、
今後も山田がいるヤクルト的に廣岡は合わないと判断されたかも知れない。
それなら計算できる先発投手とトレードという意図自体は一応理解できます。
ただ問題は元山が余程じゃないとヤクルトには平均を大きく超える守備力の遊撃手がいない点です。
さらに言えばエスコバーを長期間固定してた様にUZRを重視しない傾向ですので、
去年のように打撃軽視で守備も悪いケースも全然あり得ますから今後注視ですね。

No title

キャンプ情報やオープン戦から察するに元山にかなり期待しているということでしょうか。宮本コーチが反対しても村上を使い続けたように小川監督は廣岡も我慢して使う傾向にありましたが高津監督にはそこまでの思い入れがないのかもしれません。イニングをこなせる先発に欠ける中でローテーション投手がどうしても欲しかったように思えます。巨人は坂本の後釜候補まで来て益々盤石ですね。

No title

シーズン始まってからこっちの記事にコメントするのもなんですが…
件のトレードですが、小川GMが公式に見解を述べた記事が掲載されたようです。
"ヤクルト・小川淳司GMインタビュー 最下位脱出への本気度「全員が必ず、2年連続最下位に対する悔しさを持っています」"
https://column.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=column_detail&id=101-20210328-03

補強の意図を改めて文面にしたものですが、それでも相当驚きの内容でした。
各メディアがしきりに「ヤクルトは3年連続最下位だけはなんとしても避けなければならない」と言っていたのが印象的ですが、
GM側もそれが本心だったようで、要は今年が「勝負のシーズン」だと捉えているようです。
優勝争いだけして最終的に2位が理想だとか、最初からCSしか狙っていない、という志の低いチームはいくつか見られますが、最下位脱出の一点のみ、後先のことは考えない、というのは驚くべき目標の低さと言うほかありません。
セイバーが「いかにして捨てシーズンを作り、効率的にシーズン勝率1位をつかむか」といったねらいから生まれたものであると考えると、
今季のヤクルトはそのねらいからは完全にかけ離れたところにいると言え、そりゃあ反セイバーだと揶揄されるのも当然と言えます。

そもそも1984大洋の歴史的低迷がなければ勝率的にも5年連続最下位だったわけですし、96敗なんてものを記録している以上、何をいまさら恐れているのかが疑問なわけですが。
ここ10年間、とるべき手・可能な手段はいくつもあったのに関わらず結局何も動かず、今年になってようやく最下位脱出を目指すというその姿勢はまるで試験前に一夜漬けする学生のようで目も当てられません。
もし仮に今年最下位脱出が可能であったとして、ダントツ最下位だった戦力から最大の期待の若手を放出し、来年以降継続して3年連続最下位を回避することが果たしてできるのかは甚だ疑問なところです。

一番肝心の今年の戦力についてですが、「ヤクルトの弱点は投手、野手は足りている」理論が当然のように語られています。まあ相も変わらず野手陣の低迷はまったく考慮されていなさそうです。
主張としては「田口のWARは1.3、廣岡のWARは0.9、だから交換したら金はかかるがお得だ」ということですが、文面から見ると廣岡の代わりに起用される野手(西浦、元山、荒木、内川、サード時の村上など)のマイナスもまたまったく考慮されていなさそうですね。
最終的に精神論に行きついているところはもはやノーコメントです。

個人的には、もし仮に今年の最下位脱出を狙うなら、廣岡の覚醒にすべてをかけるしかなかったと思います。今更遅いですが。
長期的な視点ならば、あと数年は最下位付近を低迷することを覚悟し、今度こそ1から野手陣を整備しなおすべきであったでしょう。しかしそれも「育てるべき野手がいない」という状況の今季から始めることは難しそうです。

長くなりましたが、今後のヤクルトがどうなっていくのか目が離せません。

Re: No title

duplesさん、コメントありがとうございます!
返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。

ほぼ丸々同意します。私の考えていることを代弁していただいた気持ちです。

中日が投手の弱点化を見抜けなかったこともそうですが、
極端な本拠地を抱えるチームは、球場の影響を把握するという余計なプロセスが必要になるため、
編成で間違いを犯す可能性は高くなってしまいますね。

極端な環境を上手く利用する監督もいるのですが、(星野さん、落合さん、古くは三原さん、西本さんなど)
ここ5年ほどの中日とヤクルトの停滞を見ていると、こうした芸当ができる監督は少数派なのだと思わされます。

仰るように、本拠地の平準化が最大の対策だと私も思います。
ただ、神宮は学生野球でも使用されているため、ヤクルトの一存による改修は難しいかもしれません。
実際のところ、2031年の建て替えまでは環境を変えられない可能性が高いように感じます。

Re: No title

Namikiさん、コメントありがとうございます!
返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。

仰るように、ヤクルト側は短期的な底上げ、巨人側は長期的な底上げを目的としたトレードに見えますね。
あと一歩で優勝を狙えるチームが最後の仕上げとしてこうした補強を行うのは理解できますが、
再建期を迎えているチームがやるべきトレードではないように見えます。

また、上で書いたように遊撃手のデプスがかなり際どい状況となってしまったので、
西浦の出場状況次第では、田口の加入による先発の底上げを帳消しにするくらい遊撃のマイナスが増える可能性もあります。
そもそも廣岡と田口のWARには大きな差がないこともあり、短期的な底上げもそこまで大きいものにはならないかもしれません。

Re: No title

コメントありがとうございます!
返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。

神宮は横浜と違ってゴロも安打になりやすい特性があるので、投手側から見れば奪三振しか逃げ場がないですからね。
奪三振のインセンティブが大きいので、他に欠点があっても(例えば与四球が多いなど)、
奪三振の能力を重視して投手を獲得するのには一定の合理性があると思います。

Re: No title

ゆさん、コメントありがとうございます!
返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。

私も、廣岡は野手陣の再建で柱になる選手だと考えていたので、トレードでの放出は驚きました。
ヤクルトの遊撃手事情は仰る通りで、危ない橋を渡っている状況だと感じますね。
当面は西浦と元山の2枚体制で行くようですが、西浦が離脱してしまうと本当に厳しい状況になりそうです。

No title

奥川恭伸投手についてはどう思われますか?
非常に優秀な投手だと思うのですが、被BABIPが上振れていたり、神宮球場と相性が悪かったりと、活躍を阻害する要素が多く降りかかっているのが少し不安です。
一軍で優先して使っていくべき選手だと思うのですが、そろそろ目に見えて結果が欲しいですね。首脳陣の判断で二軍再調整、とかになったら残念です。

Re: No title

えぺさん、コメントありがとうございます!
返信が遅くなりまして申し訳ございません。

今後についてはもちろん断言はできませんが、
現状で一軍実績がほとんどない投手の中では、エースに成長する可能性が高い投手の一人だと考えています。
ルーキーイヤーだった昨年の二軍成績はそのくらいの可能性が感じられるものでしたね。

今季はここまでの防御率はあまりぱっとしませんが、
被BABIPや被HRといった、短期間では実力が反映されづらい領域の成績が悪い一方で、
短期間で実力が反映されやすい奪三振や与四球は、一軍の中でも比較的上位の水準となっているため、
今の成績は実力に対してかなり下振れているのかなといった印象を持っています。

少なくとも、今の成績を持って「一軍で通用しない」と判断することは私にはできないですね。
高津監督には辛抱強く使ってもらいたいと思っていますが、どうなるでしょうか。

Re: No title

カンザスさん、コメントありがとうございます!
返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。

私もおおむね同じ意見を持っています。
今は勝負を仕掛けるタイミングだとはちょっと思えないですね。

No title

総じて(私含めて)見る目がなかったですね笑笑

No title

なんjマンさん、コメントありがとうございます!

「勝負を仕掛けるタイミングとは思えない」とはっきり書いちゃってますね…笑
自らの不明を恥じいるばかりです。

上で書いている通り、編成の正常化で伸びしろが見込めるとは考えていましたが、
短期間で成績がここまで改善するのは率直に予想できなかったですね。

開幕前の時点だと優勝ラインはもう少し上になると思っていたのですが、
巨人に故障者が多数出たためにそれが下がったことと、
事前予想の難しい外国人選手と二軍上がりの選手が揃って満点に近い成績を残したため、
ヤクルトにとってほぼ理想通りのシナリオになったという印象です。

No title

お返事ありがとうございます。
私も今季のヤクルトは勝負機ではないと思っていました笑

ただ青木と3年10億規模の契約を結び、残留させた石山小川山田が今後ベテランに差し掛かることを考えると勝負を仕掛けるしかなかったのかなとも思います。

塩見泰隆や高橋奎二のようなポテンシャルが結果に結びついていない選手
原樹理やスアレスのような万全ならば一定の働きを見込める選手
これらの戦力化ができ、(勿論サンタナオスナスニードら的確な補強でしたが)補強の見た目以上に昨年とは別のチームになった印象があります。

また、私も廣岡田口のトレードには懐疑的でしたが、
・元山の評価が高い(背番号からも)
・三塁村上が想定以上
なことに加え
・奥川運用に先発の数が必要
だったのかなと勝手に理解しています。
当然その代償が表面化するのは今後ですのでヤクルトがどう対処するのか気になりますね。

一方で今シーズンのメンバーは固定され、特に野手はファームからの突き上げをあまり感じないチームだったと感じますし、比較的課題のはっきりしたチームにも見えるので今後どうなっていくのか注視していきたいです。

Re: No title

なんjマンさん、コメントありがとうございます!

>ただ青木と3年10億規模の契約を結び、残留させた石山小川山田が今後ベテランに差し掛かることを考えると勝負を仕掛けるしかなかったのかなとも思います。

今後は彼らのコストパフォーマンスも悪化していくと思われるタイミングでしたし、
フロントとしてはそのような考えだったのかもしれませんね。
(山田を除く)彼らの世代交代が済んでからでないと、優勝争いは難しいのではと思っていました。

それを踏まえると、仰るようにヤクルトは来期以降が正念場ですね。
野手の育成状況が依然としてやや厳しいので、その中でどう世代交代していくかはポイントになるかなと。
UZRを見る限り元山は遊撃手としては厳しそうなので、やはり遊撃手の穴埋めが重要に感じます。

ただ、このまま村上が王貞治のようになってしまうと、
多少チームに問題が残っていても優勝してしまうかもしれませんね笑
山田村上コンビは往年のONを見ているようです。

No title

ヤクルトといえば公式ホームページでトラッキングデータが公開されたことで話題になりましたね。
村上のハードヒット率は驚異的でした。

No title

ホークアイという最新の機材を用意して(しかも目を付けて投資してたというのだから凄い)、それを活用出来るデータ班を用意して、得たデータを基に選手にしっかり助言出来るコーチがいればチーム防御率が1点台近く改善するなんてまるで漫画の世界のような…
本当に驚きですよ

Re: No title

コメントありがとうございます!
返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。

ヤクルトのトラッキングデータ公開ですが、先進的で素晴らしい試みだと率直に思いました。
データがエンターテイメントたりうることが理解されているのは嬉しいですね。
データを見た印象では、奥川のストレートの伸びが思ったよりも大きくなかったのがちょっと意外でしたね。

Re: No title

コメントありがとうございます!
返信が遅くなりまして申し訳ございません。

>ホークアイという最新の機材を用意して(しかも目を付けて投資してたというのだから凄い)、それを活用出来るデータ班を用意して、得たデータを基に選手にしっかり助言出来るコーチがいればチーム防御率が1点台近く改善するなんてまるで漫画の世界のような…
>本当に驚きですよ

今年の投手力向上にそれが効いている可能性は十分考えられますよね。
まだこうしたデータの活用方法は、(特にセでは)まだ一般的じゃないように思われますので、
今後は他球団に輸出されて広がっていくのかもしれませんね。

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■2021年シーズンデータ
 ポジション別wRAAと先発救援別RSAA
 セリーグ パリーグ 各種PF


■選手INDEX(球団/五十音/守備)
  De
  西 他消滅球団
 
 

■打線アーカイブ
  De
  西 他消滅球団
 歴代打線得点力評価[-2020]
 歴代打線守備力評価[-2020]

■打撃に関する記録
 wRAA通算 シーズン チーム
 wRC+通算 シーズン チーム
 BABIP+通算 シーズン チーム
 K%-通算 シーズン チーム
 BB%+通算 シーズン チーム
 ISO+通算 シーズン チーム

■投球に関する記録
 通算 シーズン RSWIN
 通算 シーズン RSWIN(PF/DER)
 通算 シーズン RSWIN(リリーフ)
 RSWINで見る強力ダブルエース
 RSWINで見る強力勝利の方程式

■守備に関する記録
 守備得点

■球場に関する記録
 一軍PF 2021 2020 2019
 二軍PF 2019 2018 2017
 セPF 得点 本塁打 BABIP
単打 二塁打 三塁打
三振 四球 FIP
 パPF 得点 本塁打 BABIP
単打 二塁打 三塁打
三振 四球 FIP
 球場別 東京ド 後楽園
甲子園
バンド ナゴヤ球場
マツダ 広島市民
De 横浜 川崎球場
神宮
PayPay 平和台 大阪球場
西 メラド 小倉球場
京セラ GS神戸 阪急西宮
ZOZO 東京スタジアム
札幌ド 駒沢球場
楽天生命
日本生命 藤井寺

■RCWINに関する記録
 RCWIN歴代記録[-2020]
 通算 シーズン RCWIN
 通算 シーズン RCWIN(PF)
 通算 シーズン RCWIN(PF/POS)
 RCWINで見る強力打撃コンビ
 RCWINで見る強力打撃トリオ
 ポジション別
 

■傑出度に関する記録
 打撃歴代記録[-2020]
 通算 シーズン 打率傑出度
 通算 シーズン 出塁率傑出度
 通算 シーズン 長打率傑出度
 通算 シーズン OPS傑出度
 投球歴代記録[-2020]
 通算 シーズン 防御率傑出度
 通算 シーズン 奪三振率傑出度
 通算 シーズン 与四球率傑出度

■戦力分析とドラフト評価
 2019年一軍分析
  De 西
 2019年二軍分析
  De 西
 2019年補強・ドラフト評価
  De 西
 2017年戦力分析
  De 西
 2015年戦力分析
  De 西
 2014年戦力分析
  De 西
 2013年戦力分析
  De 西
 2015年二軍評価
  De 西
 2015年ファーム得点PFと選手評価
 打順の組み方を眺める
 2016年 セリーグ パリーグ

■選手の個人評価
 ポジション別に最優秀打者を選ぶ
 2017年 セリーグ パリーグ
 2016年 セリーグ パリーグ
 2015年 セリーグ パリーグ
 2014年 セリーグ パリーグ
 2013年 セリーグ パリーグ
 2016年打者の通信簿
  De 西
 2015年打者の通信簿
  De 西
 2014年選手別守備得点と総合貢献
 総括
 簡易WARの答え合わせ2014
 球団史上最高の4人を選ぶ
    De 西
 

■2018年の特筆記事
 現役打者の2000本安打達成確率を考える
 現役20代選手の通算安打(2018年版)

■2017年の特筆記事
 現役20代選手の通算安打(2017年版)
 「8番投手」は珍しいのか?
 2017年各種パークファクター
 2017広島打線は史上最強か?

■2016年の特筆記事
 2016年における2000本安打の展望
 2016年広島打線、得点力向上の要因は?
 2016年各種パークファクター
 パリーグ野手編成と野手運用の私的評価
 セリーグの犠打減少を考える
 糸井嘉男の成績低下リスクを考える


■2015年の特筆記事
 2000本安打の展望
 違反球の再来?2015年セリーグ
 こちらも違反球?2015年パリーグ
 秋山と柳田が挑む、もうひとつの日本記録
 秋山翔吾の安打記録更新の確率を考える
 「余剰安打」で見る、安打新記録の価値
 山田哲人は何位?二塁手シーズンHR記録
 二塁手史上最高の打撃?2015年山田哲人
 30HRと30盗塁の両立
 三浦大輔、23年連続安打
 谷繁元信、27年連続本塁打
 坂本勇人、7年連続二桁本塁打
 阪神タイガース、得失点差-59で貯金
 2015年はどのくらい打低だったのか?
 2015年各種パークファクター

■考察のようななにか
 □分析結果系
 徹底比較 ダルビッシュ有と田中将大
 平成の大投手 三浦大輔
 ポスト松井稼頭央時代の遊撃手総合力評価
 恐怖の8番打者
 稲葉篤紀、現役引退表明
 0本塁打のスラッガー
 シーズン二桁本塁打に関する記録
 20盗塁カルテットに関する記録
 ピタゴラス勝率を用いた采配評価の妥当性
 鈴木啓示の先発勝利に関する疑義
 セリーグの野手世代交代に関する考察
 □分析手法系
 RSAAに守備力補正をかける
 守備イニング推定手法の改良案
 RRFの考え方
 外野刺殺指標試案
 外野補殺指標試案
 NPB版oWAR(試案)

■データ置き場
 通算 シーズン 守備位置別安打記録
 通算 シーズン 奪三振率
 通算 シーズン 与四球率
 通算 シーズン K%
 通算 シーズン BB%
 通算 シーズン wSB(盗塁得点)
 投手のシーズン本塁打記録
 セパ年度別 打低打高早見表
 年度別タイトル・表彰獲得者一覧
 平成時代のポジション別最多安打打者
 日本時代のイチローの全試合成績


■当ブログのデータについて
 Kazmix World
 日本プロ野球記録
 スタメンデータベース
 日本プロ野球私的統計研究会
 を参考にさせていただいています。

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 ご意見ご感想、間違いのご指摘など
 お問い合わせは コメント欄 及び
 ranzankeikoku.npbstats★gmail.com
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